芭蕉林通信(ブログ)

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2026年02月04日 都市鉱山と家の埋蔵金

 日中関係の悪化から、中国が自動車や半導体に必要不可欠なレアアースを輸出規制し始めた。そこでにわかに脚光を浴びたのが廃棄物に含まれるレアアースの抽出である。これを都市鉱山と呼ぶようだが、実際には必要量には到底及ばないのではないかと危惧している。そこで深海6千メーターからレアアースを含んだ泥を採集しようという国家プロジェクトが始まったという訳だ。

 一方、世界情勢の悪化から有事に強いと言われる金の価格が高騰している。一節には中国がアメリカ国債を売って金を買っているという話もあり、金の保有は国家戦略にも直結しているのだからややこしい。つつましい話もあり、家に眠っている金のネックレスや使われなくなった金歯まで古物商に持ち込んで現金に換えるニュースが連日流れており、これはこれでなかなか興味深い。

 あさはかな私もこの金の狂騒曲に巻き込まれ、家に埋蔵金がないかと探し始めた。しかしこれまでまったく関心がなかったせいか、見つけたのは肥後象眼の文鎮の表面の薄い金箔と中国出張の際現地で買った10元のパンダの記念品のみ。やはり、コツコツが勝つコツとわきまえてこれからも地道に進もうと悟った次第。

2026年01月26日 天草コレジヨ館

 安土桃山時代、4人の日本の少年が天正遣欧使節団として当時のキリスト教盛んなヨーロッパを旅したことはよく知られた話である。最近ではその少年の一人、伊東マンショの見事な出来栄えの肖像画が偶然発見され、関西万博のイタリア館で披露され話題になったばかりである。  

 とはいえ、4人の少年の生涯を知る人は私を含めそう多くいるわけではない。という訳でこの週末は天草にその足跡を辿ろうとガイド付きのツアーに参加した。集合場所の下田温泉でガイドさんと合流。その後、崎津教会、天草コレジヨ館、天草氏の旧居城(今は寺に)などを巡回した。

 長年熊本に住み、何度も天草には行っているのに意外と郷土史は知らないものである。豊臣秀吉時代には、天草五人衆として天草氏、志岐氏、大矢野氏、栖本氏、上津浦氏がいたこと、ヨーロッパから帰国した4人の少年は天草コレジヨで司祭になるための勉強を続けたこと、コレジヨには当時としては画期的はグーテンベルク印刷機があり、イソップ物語など西洋のものだけでなく、平家物語など日本の著名な作品も発行されたなどはまさに目からうろこだった。これらの歴史を多くの人に知ってもらいたいと思う一方で、専門的過ぎて一般の人にはとっつきにくいのでないかと心配にもなった。

2026年01月13日 他者との関係

 この週末、熊本県立美術館分館で開催されていた第79回熊日学童スケッチ展を観てきた。本当は他の会場の九州モダンアート展に出品されている知り合いの作品を観るのが目的だった。そのついでに学童スケッチ展に足を伸ばしたという訳である。

 現代アートにとんでもない高値がつく現代、私にとってその真価を見極めるのは難しい。好きか嫌いかならば良いのだが、その価値を判断するなど到底できない。一方、学童の絵には難しい思想の痕跡など微塵もなく、ただ純粋な感受性だけが感じられて好ましかった。と同時に絵を描く上級生のテクニックには驚きを禁じ得なかった。

 会場で一つ気づいたことがあった。それは小学4年生まではその作品の大半が人物か動物を描いているのに対して、小学5年生より上になると大半の作品が静物か風景の絵になり、人物や動物の姿が忽然と姿を消すのである。これは学校側の指導によるものなのか、学年が上がるに伴い子供らの人や動物に対する関心がなくなるからなのかとても気になった。というのも他者との関係性を良きものにすることが人間社会では大切だからである。若い時から孤独になって欲しくはないと思った。

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