芭蕉林通信(ブログ)

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2025年10月23日 ローカルに徹してこそグローバル

 先日のロンドンでの大相撲興行は、チケット完売で連日満員の盛況だった。横綱や関取がしこ名を覚えられ声をかけられて喜んでいる姿は微笑ましいものだった。彼らにとってもいささか意外なほどの歓迎ぶりだったのだろう。

 ということで思うのは、もし相撲がレスリング化していたならばあれほどの人気は出なかっただろうということである。中途半端な西洋化は単なる物まねだと誤解されるだけである。相撲取りの髷とまわし、行事の昔ながらの衣装、神事とも言われる相撲の所作などに異国の人は興味や関心を持つのだ。ジャポニズム(日本趣味)にしても、北斎や歌麿の浮世絵に日本独特の美意識や技術が詰まっていたからこそ引き起こされた。明治維新後に油絵を習った日本人画家の作品は、今なお国内では評価されても世界的には通用しないのはそうした理由がある。

 我々地方で仕事をしている者にとっても、ローカル性は重要である。全国で同じ物を同じように扱っていては、規模の利益を追求する全国企業とは太刀打ちできない。地域でしかできない事を徹底的に極め、その普遍的な価値を見出し訴えて初めて、地域らしさが発揮され評価されるのだと思う。県知事が熊本の地下水のことを「土着の宗教」と失言したこととはまったく違った発想である。(郷土力士の正代もロンドンではリラックス)

2025年10月20日 そりゃあ、すさまじい人生だっせ

 旅の醍醐味の一つは新しい出会いにある。旅先の風土や歴史、文化に触れて視野が広まったり、自然の美しさや書物や写真でしか知らなかった実物を直接見て触れたという感激を味わえる。そして少しの社交心を発揮すれば、今までその存在すら知らなかった人との交流ができるのである。

 今回の旅行では、多くの人達と出会いいろいろな面白い話を聞くことができた。実利的なことで言えばまずは旅の情報がある。旅慣れた人からその経験を聞けば次回に向けて大変参考になる。人柄を感じる会話は人生の勉強にもなる。

 その女性はご主人と共に旅に参加していたが、ひい孫がいるお歳の方だった。京都出身らしく、はんなりとした話しぶりに興味を覚えた。そして何がきっかけか、「そりょあ、すさまじい人生だっせ」 と自分のことを話され、最後に 「おきばりやす」と締めくくられたのである。その迫力に度肝を抜かれ、ご主人がおられる前でもあり、そのすさまじい人生の中身を聞く勇気が出なかった。ああ、旅はハプニングが面白い。(そろそろ阿蘇にはコスモス)

2025年10月17日 2度目の新型コロナ感染

 旅の後日談めくが、自宅に帰り会社に出勤して仕事をしている内に、なぜだか身体がだるく咳が出ることに気づいた。旅は楽しくゆっくりできたと思う一方で、やっぱり旅は見えないところで緊張を強いたのかななど考えを巡らした。とりあえず葛根湯を飲んでたみたが、早く治す方が得策と思いかかりつけのクリニックに直行、咳止めを出してもらおうとした。

 ところが意外なことに、先生はまずコロナ検査をしてくれとのこと。まさかと思いながら検査をするとなんと陽性反応が出たのには驚いた。どこに行き誰に会ったか思い出すのだが、どうしても感染源に思い当たる節がない。とはいえ、コロナ感染はまぎれもない事実なので、特効薬を処方してもらい、それからつらい一週間の闘病が始まった。

 噂には聞いていたが、症状としては喉の強い痛みと激しい咳に苦しめられた。そしてコロナ感染に気付いていない時点で、会ったり話したりした方々に感染させていないことを願った。幸いにも、会社や家族に感染者は出ず、かつコロナの後遺症が出ないまま通常に戻ったことは幸いだった。 「天災は忘れたころにやって来る」と言ったのは物理学者でエッセイストの寺田虎彦だが、今回のコロナ騒動はまさにその通りだった。

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