芭蕉林通信(ブログ)

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2025年03月10日 熊本県警と警視庁

 朝のテレビニュースで、警視庁が初任給を30万円に引き上げると伝えていた。その背景には警視庁の応募者が8200人余りでピーク時の約三分の一にまで減っていることがあるらしい。このまま人手不足が続けば東京の治安が守れなくなるという危機感はよく理解できる。

 そこで思い出したのが、警官を志望する学生の話である。すこし昔の話でありかつ出所不明の話なので、その点割り引いて聞いてもらいたい。それでも話の中に一抹の真実が隠されているようなので今でも好きな話である。それは以下のような話である。

 熊本県警を受験して惜しくも不合格になった学生の中には、わざわざ上京し警視庁を受験し合格する人がいるという。試験の成績では県警に入った学生が上位のようだが、問題は警官になってから5年後。比較的平和な熊本よりも、毎日交通事故や傷害・殺人、麻薬、詐欺などが頻繁に起こる東京では、新人警察官は事件処理に忙殺される。その結果急速に成長し、県警に入った同期よりも逞しくなるというのである。我が身を振り替えっても暇な時よりも多忙な時に、能力の骨格が形成されたという実感がある。それは年代で言えば30歳代から40歳代にかけてであり、その後はその貯金を使い惰性で生き又仕事をしている感があるほどである。「鉄は熱いうちに打て」の言葉どおりに、今後も若い世代の育成に全力を尽くしたいと思っている。 (写真は生まれて初めて作った弁当。おにぎりの具は梅干しと辛子明太。サラメシの取材を狙って笑。)

2025年03月03日 年々歳々花相似(ねんねんさいさい はなあいにて)

 唐の詩人は「年々歳々花相似 歳々年々人不同」と詠んだ。簡単に訳すると、「毎年花は同じように咲くが、人の顔ぶれは毎年変わる」ということか。春は人の移動が激しくなる季節。大学生は故郷を離れ、会社員は転勤先に引っ越し、なかには定年退職を迎え会社を去る人もいる。確かに人は去り、人は新しく来る。この詩自体が世の中の無常感を現わしているとされ古来から愛されてきたゆえんだ。

 熊本に江戸時代から続くとされる白川河川敷での植木市もいよいよ今月15日までの会期となった。去年は腕の良い庭師に出会い、今年は 珍しい多肉植物を買った。マダガスカル原産と聞いただけでロマンを感じ衝動買いした。私にとって植木市は人や花、樹木との新しい出会いの場だ。

 ただし、植木市が年々歳々規模を縮小させていることが気懸かりである。高齢化の影響に加え、高層マンションに住む人が増えたことも原因になっているのかも知れない。マンションのテラスでは庭木を育てるという訳にはいかない。多肉植物ガールと称する女性が登場したのも、こじんまりした部屋での栽培を楽しもうということなのだろう。そういう意味では、植木市も世の中の変化に対応せざるを得ないのだ。
(写真はほぼ満開を迎えた植木市のしだれ梅の鉢)

2025年02月25日 イスラム文化を学ぶ

 日本には神道、仏教があるところに、室町時代キリスト教が伝わったという歴史がある。織田信長が一時キリスト教の布教を許したものの、その後に国禁となり隠れキリシタンの苦難が始まったことはよく知られたことである。ところがイスラム教に関しては学生時代に教わった記憶がないばかりか、今日まで身近に接したこともなかった。強いて言えば、かつてエジプトやトルコを旅行した時イスラム文化の一端を垣間見た程度だ。エジプトで観光したのは古代ファラオの遺跡ばかりだったから、印象としては多神教の世界だった。その点、トルコはマホメット二世が東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルを陥落させて以来の歴史の記憶が強烈で、モスクに代表されるイスラム文化や絨毯などのイスラム美術には親近感を覚えてきた。

 そうしたある日のこと、地元の中心商店街に一軒の絨毯屋がオープンしているのに気が付いた。馴染みの商店街の主もまだ行ったことがないと言うぐらいだから、空から降ってわいたような新店なのである。恐る恐る店を覗くと、流ちょうな日本語を話すトルコ人が出迎えてくれて、丁寧にトルコ絨毯の説明をしてくれたのには感激した。

 トルコの艦船が嵐に遭ったときに、日本人が必死になり乗組員を救助しトルコに送り返したという歴史があり、それからはトルコが親日になったということも周知の事実である。という訳でもなかろうが、本来興味を持っていたイスラム文化の粋とも言える絨毯を教えてくれる友人(ちょっと気が早いが)を得たことに大変喜んでいる。さらに付け加えれば、日本全国数多い場所から縁も知り合いもいない熊本を気に入って住む決心をしてくれた日本人の奥様との二人に心から感謝しているのである。

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