芭蕉林通信(ブログ)

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2024年10月31日 高校生の模擬総選挙

 孫が通っている高校の社会科の授業で、今回の総選挙の模擬演習があったとのこと。選挙権を与えられる前の学生に対して洒落たこと、つまり実学的かつ有意義なことをするなと感心した。

 クラス全員に各党の政策綱領が配られ、グループディスカッションの上支持政党を決めたそうだ。自民党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などの主要政党に加え、共産党、参政党までそれぞれの政策の違いをじっくり勉強したらしい。

 今は18歳から投票できる時代になっているので、若いうちから政治に感心を持たせることは確かに重要なことだ。我が家でも高校生の孫からどこの政党に投票するか聞かれたが、それは秘密とお茶を濁した(ちなみに、孫は国民民主党が良いとの答え)。しかし、これからは若者にも考え方をしっかり説明することが年長者の使命ではないかと考えている。(秋めいてきた高原はコスモスの花で彩られる)

2024年10月24日 大作3連続

 今年の夏から秋にかけて三つの大作に挑戦した。まずは前から読んでみたいと思っていたガブリエル・ガルシア=マルケスの長編小説「百年の孤独」である。久々の長編小説に味を占めて次に読んだのが、買ったまま2年間放置していたフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルドの「夜はやさし」である。前者はある一家の百年に亘るフャミリー・ストーリーのごときもの、後者は精神疾患のある富豪の超美人妻と精神科医の絢爛豪華な物語と思いきや悲劇的な結末を持つ小説であった。(著者名が長いゆえに長編小説がかけるのかなあ?)

 そこで三つ目の長編小説と思いたいところであるが、ここで閑話休題。次なる挑戦がブロック玩具レゴによるタイタニック号の制作である。結論から言えば、制作日数は9日間。述べ30時間を費やした。レゴは過去30体ほどの大作を作った経験があると自負していたが、このタイタニック号は複雑かつ半端ない大きさで、完成した際はかつて経験したことのない達成感と極度の疲労を感じたのだった。

 完成した船の全長は約1m50cm。船の内部に機関室や部屋などをレゴブロックで約10層程度組み立てていくので相当てこずった。集中力と根気が試されているようでひたすらタイタニック号と葛藤した9日間が過ぎ、今や作品を見る人に驚きと感動を与えることでのみで疲労した神経が癒されているのである。  

2024年10月21日 老舗料亭の灯

 まずは料亭とは何かということから始めなければならない。広辞苑には、「日本料理を出す、高級な店」とあるが、私としてはそれに加えて、「歴史と伝統それに一定の格式」がある店と言いたい。地元には熊本地震前には3軒の料亭があった。すざき、新茶家、田吾作である。すざきは早めに店をたたみ、新茶屋は地震の被害が大きく廃業に至った。新茶家は西南の役の際に、乃木将軍が官軍の連隊長時代に宿舎を置いていた場所で、ここから出陣して天皇から下賜された連隊旗を薩摩軍に奪われたなどの話が残っていた。

 九州全体で訪れたことのある老舗料亭はきわめて少ない。鹿児島、宮崎、大分、佐賀ではなく、長崎の坂本龍馬の刀傷があることで知られる花月は、オーナーではなく地元有志の後援で運営されていると聞いた。博多には老松と三光園という料亭があったが、後者は残念ながら数年前に閉鎖した。つまり、私の知っている老舗料亭は九州では老松と田吾作しかないのである。

 そして今日の接待文化の変遷により老舗料亭の灯を守ることが年々難しくなっている。そもそも官々接待の場として賑わった料亭は、若い人には堅苦しさ、料金の高さなどで敬遠され始めているようだ。料亭文化の灯を守ろうという運動を提唱してことのある身としては、この貴重な文化遺産をなんとかして守りたいと気を病んでいる昨今である。(その点舞妓はんのいる京都は別格でうらやましい)

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