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小さい子には驚かされる。先日家族が集まって誕生会を開いたときのことである。隣に座った5歳の孫が突然質問してきた。「じいじは、将来になんになりたいの?」 いやあ驚いたと同時に一瞬頭の中が真っ白になった。古希を過ぎた自分に対してかかる質問が投げかけられるとはまったく想定外だった。 そこで必死に考えて出したのが、「仙人になりたい。」という訳の分からない答えだった。孫息子に理解できるわけがない。仙人は雲に乗ってどこへでも行けるし、天から下を眺められると説明してもきょとんとしていた。私はそう説明しながらも心の中では、久米仙人は雲の上から若い女性の太腿を見て墜落したという話を苦々しく思い出していた。 とはいえこの孫の質問は、たとえ古希を迎えた身といえども将来はあり、夢や目標を見失ってはいけないと諭してくれた気がした。将来を老後とのみとらえるではなく、未来に何ができるか考えてみたくなった。黒沢明監督の作品「生きる」の主人公が最後の夢を追いかけたように。
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今年も入社式を開催した。相手は違うものの毎年のことなので挨拶がマンネリ化しないように気を遣う。しかも緊張している新入社員をリラックスさせたい思いがある。もっとも緊張しているのは挨拶をする自分自身だという時もある。 今年は、世阿弥の「初心忘るべからず」と「たくましく、しなやかに」、また「コツコツが勝つコツ」といった挨拶をした。初心とは素直な気持ち、好奇心、向学心と説明した。何が起こるか分からない世相ゆえに、たくましく且つしなやかに生きてほしいという願いを付け加えた。「コツコツが勝つコツ」とは私の名前の亀に因んで創作したものだ。 ところで出席した役員の一人が怪我をし松葉づえで入社式に参加していたので、次のような追加ネタを披露した。君たちの行く道はけっして平坦な道ばかりではない、でこぼこ道が待っているかもしれない。そんな時は「転ばぬ策のつえ」である。そして「万が一転んだときは松葉づえ」としゃべったのは良かったが、ユーモアと分かって笑ってくれたの出席者の内わずか一人。あとで他の出席者に聞いたところ、松葉づえをついている本人が目の前にいるので笑えなかったとのこと。慣れないことをするのは難しいと改めて思った。
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3月1日水曜日7時34分のこと、「NHKニュースおはよう日本」を何気なく見ていると突然見知った顔が映った。記憶を整理している内に、大学の後輩でNHK熊本支局勤務時代に親しく付き合っていたO君であることを思い出した。賃上げ取材班として立派にレポートしているではないか。 懐かしい気持ちいっぱいでその雄姿を眺めているうちに、O君がつけているネクタイに目が釘付けとなった。それはO君が転勤報告に来た時に、私が餞別の品として渡した「辛子レンコンネクタイ」に間違いないのである。地元ふるさとである熊本の食文化を題材にしてプロデュースしたネクタイは10種類以上、延べ5千本以上売れたがそれも昔の話。ノーネクタイの普及やコロナ感染の拡大によってネクタイ需要も急速に落ち込んだ。 それなのにO君は在庫処分の安いネクタイをわざわざはめて全国放送に登場してくれたのである。日本中でそのネクタイに気付いた人は私一人であろうが、彼の心の中にしばらく勤務した熊本の思い出が残っていることを感じ何やら嬉しくなった。そして、プロデュースしたネクタイが一瞬であれ全国デビューしたということに一人感激に浸ったのである。自己満足もいい加減にせいとお叱りを受けたとしても。
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