| 	
				 
	 5月の連休を利用して、山陰・山陽方面を車で運転しつつ回って来ました。 
 
主な目的地は、世界遺産となった石見銀山、独身時代に出張で泊まった懐かしい玉造温泉、民芸の拠点の一つ出雲民芸館、庭が絶景という足立美術館、国宝の山寺三徳山三仏寺、美観地区が人気の倉敷、満ち潮引き潮で別の顔を見せる宮島厳島神社などでした。 
 
走破した距離は1450キロメートルを数えいささか疲れましたが、充実した大人の修学旅行となりました。			 
				
	 特に感銘を受けたのは、鳥取県の山深くにある三徳山三仏寺でした。後日談までついた、修験道の聖地といった所です。 
訪れた日はあいにくの荒れ模様の天気で、参道から本堂をお参りするのに、雨風や寒さに難儀する有様でした。私は密かに、国宝「投入れ堂」にまで登山するつもりでいましたので、入山禁止の通告にはいささか気落ちさせられました。 
とはいえ、気を変えるのも早い方、早速宿坊の一つで精進料理を堪能。たまたまその日は県の凄腕料理人が精進料理を作ってくださる日であったので、その美味しさに感激しました。 
 
国宝館では、有名な蔵王権現の像を拝見。偶然お会いした住職に、焼け落ちた宿坊の原因を聞くなど今思えば、冷や汗の出るような質問をしたのも、その上品な人柄に引かれたからとしておきます。 
 
後日談というのは、それから2週間後、八代市立博物館で開催された土門拳の「古寺巡礼」を見に行った時のことです。何と、土門拳が一番好きなお寺に三徳山三仏寺があがっているではないですか!? 
その後、土門拳の三徳山三仏寺の「投入れ堂」登攀記をつぶさに読んだところ、彼は急峻な山道を重い撮影機材を担いで三度も挑戦。あまたの傑作写真が生まれたということを知り、感激したのでした。 
 
私の場合は、「投入れ堂」にまで行き着けなかったのは前述の通りですが、山の下にある拝観所から、雲の切れ間に「投入れ堂」を写真に納めることができ、それだけで幸せ感に浸ったのです。 			
			 |