芭蕉林通信(ブログ)

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2018年07月02日 回らない首

 5月にレンタカーで長距離ドライブをしてからというもの首の調子がおかしい。首がスムーズに回らないばかりか少し痛みを感じる。そもそも車の運転のせいにしているのが間違っているのかも知れない。というのは日頃から猫背と言われて久しいからである。リハビリの理学療法士によれば、猫背によって頭の重量を首が支える格好になっているとのこと。ということで、姿勢の矯正に挑戦することにした。

 生活習慣ならず、日頃の姿勢を省みる。車の運転、椅子の座り方、歩く姿勢、立ち姿、はたまたゴルフのスイング、テニスの構え、どれをとっても私は猫背気味なのである。さらに言えば、パソコンで文章を書いている時やスマホを見る時も猫背になっている。一方、俳優たちの姿勢、松山英樹の背筋をピンとしたゴルフスイング、錦織圭のテニスのプレイスタイルに目が行くようになった。いずれも背筋がピンとしていること甚だしい。そして美しい。

 さっそく車の運転席を背筋ピンの位置に調整し、会社や自宅の椅子も調整した。ゴルフやテニスの姿勢も背筋ピンに改良中である。今日までそんなことにも気づかなかったことが情けない。もっと早く矯正していたら、テニスの試合で勝ち、ゴルフで有り金全部巻き上げられることを避けられたかも知れない。まだまだ人生は学ぶことが多い。それはまたありがたいことでもある。

2018年06月26日 中国食べある記

 中国へは協力工場ができる以前から訪中していたので延べ30回ぐらいは行っている。したがって、中国料理の思い出は多い。35年前にメーカー招待旅行で上海に行った時は、出る料理、出る料理まったく食べられないのにはまいった。胃が一切料理を受け付けないのである。食用油の品質の悪さが原因でないかということには後で気がついた。その後は、経済発展するにつれて中国料理の味・質も高度成長させてきている。

 ある時現地の市場を見学した時のこと、生きた蛙を売っている店があった。鶏も生きたままだ。主婦が蛙を注文すると、店主は籠から蛙を4匹取り上げ左手の指の間に頭が出るように挟み、鮮やかに頭を切り落とした。そして驚く我々に向かってニヤッと笑ったものだ。冷蔵庫などが発達する前の中国では、食べ物は生きたままにしておき、注文と同時に捌いた方が鮮度が保証されたのである。ちなみに蛙料理については、北王路魯山人も「魯山人味道」の中で「蝦蛙(ひきがえる)を食べた話」として紹介している。

 大連で寿司屋に行ったのは滞在最後の晩であった。一週間ずっと生物(なまもの)と水には細心の注意を払い一切口にはしていなかった。ところが日本人同行者が、行きつけの寿司屋だけは清潔でネタも新しいから大丈夫だと保証した。昼食のために寄った寿司屋では、食べ始めてすぐに体調が急変し、挙げ句の果てには病院に運ばれ点滴を受ける羽目に陥った。病院は旧満州国時代の古色蒼然とした重厚な建物であり、苦しみながらも歴史の一コマを感じることができた。料理は美味しかったことよりは失敗談の方が記憶に強く残っている。

2018年06月18日 田舎道を

 阿蘇へ行く機会は多い。阿蘇といっても阿蘇くじゅう国立公園と捉えるならばエリアは広大となる。従って、辿るルートは複数あるが、熊本地震の影響で未だ通れない道や橋があるので、渋滞しないルートを選ぶことが肝心となる。それでも幹線道路を選ぶよりは、昔ながらの田舎道を選ぶことが多い。多少は遠回りになり時間がかかっても田舎道の良さがあるからである。梅雨入りした一日、曲りくねった白川沿いの田舎道を阿蘇へ向かった。

 途中で見つけたヒマワリ畑では雲間から覗く陽の光に真黄色の花が満開だ。そうだもう初夏なのだ。ヒマワリは種を取るためか油を取るためかと思案する。続く広い畑にはトウモロコシが穂に花を咲かせて背伸びしている。ふと蒸して食べると美味しいスイートコーンを思い出した。村の細い道路にさしかかるとアジサイの群落が迎えてくれた。20〜30の株が一斉に花を咲かせて美しいが、一種類よりも多種が混在した方がアジサイは美しいと思う。農家の横ではすでに田んぼに水が引かれ、田植えの準備のための苗床が青々しい。

 最近の梅雨はゲリラ豪雨となり各地に被害をもたらすが、日本の梅雨は本来田植えに不可欠のものだと今さらながら気づく。エジプトのナイル川の両岸には緑が広がっていたが、少し離れるともう砂漠である。アジアモンスーンのおかげで日本は山紫水明の国となった。水を張った田んぼには山影や農家の納屋が映って、額縁に入った一幅の絵を見る思いである。東京は確かに刺激的な都会ではあったが、天地自然に日常的に会えるのは田舎暮らしの特権なのだ。

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