2024年08月07日 山仕事と蜂
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ある年には水俣で地域づくりを推進している青年と知り合い、誘われるまま水俣に赴き山仕事を指導されつつ体験した。急斜面にへばりつき四つん這いになり、木にまとわりついているツタを取り除く作業である。そのこと自体厳しい作業だったが、事前に伝えられた蜂に刺された時の注意事項も忘れがたい。蜂は危険であり、万が一刺された場合にはすぐさま連絡すること。蜂の毒は注射器を使ってすぐに吸い出す。その後に治療薬を塗るとのことだったが、その時は参加者全員無事であったのは何よりだった。 ところが先週土曜日の早朝のこと。暑くなる前に庭仕事をしようと考え、隣の家にまではびこっている野茨の枝を剪定している時に足長バチに突然襲われた。左手の甲がチカッとした時には蜂は飛び去った後だった。手袋の上から刺されたのである。慌てたせいか、毒を抜く注射器がないとばかり思い、爪を立てて毒を絞り出すことや水洗いすることを怠った。家庭薬を塗ったが腫れはひどくなるばかりで、月曜日に病院に駆け込む羽目に陥ったのある。山仕事の体験を生かすことができなかったことが今さらながら悔やまれている。(写真は家に迷い込んで来た足長バチだが針の鋭さに恐れを感じる) |
2024年07月30日 革ジャンとオートバイ
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ある日両親からこう言われた。勉強に身が入らないようだが義務教育は中学までである。高校には必ずしも行く必要はないので、これから革ジャンバーとオートバイを買ってあげる。魚市場にある水産会社を紹介するからそこで働きなさいと。なんと非情なことを言う親だと思うと同時に、とっさに冗談じゃない、高校ぐらいには行きたいと心底思った。 その時発奮する気持ちが目覚めた。両親にまじめに勉強するから高校には行かせてほしいと懇願した。その後両親が二度と就職を勧めなかったことからすれば、私の勉学態度が変わったと認めたのかも知れない。私にとっては自立を促す元服の儀式だったのだろうか。当時我が家の商売は必ずしもうまくいっておらず、家計のやりくりは大変だったはずだ。そのことも発言の背景にあったかも知れないが、今では厳しかった両親に感謝している。「家貧しくして孝子出ず」が今でも好きな言葉だ。(金魚の風鈴から涼しさを感じてください) |
2024年07月22日 一本目のタバコ
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私の場合、飲酒は大学生になってから(当時未成年で違法だが今や時効と信じて告白)、タバコは今日まで一切吸ったことはない。なぜかならば父親のアドバイスに従ったからと言うしかない。父親は飲酒やたばこは大いに嗜んでいたにも関わらずだが。 ある時、高校生の私と中学生の弟は父に呼ばれた。俺はこれまで喫煙を止めようと随分苦労したが、ついに禁煙できなかった。ついては二人はタバコの一本目を吸わないように。一本目を吸えば二本目を吸いたくなる。そうなれば三本目から先は喫煙が癖になる。飲酒は身体の成長を阻害する。もっと背を伸ばしたいと思うならば酒を飲まないことだ。かくして素直な我々兄弟は今日まで一本目のタバコを吸わないまま大人になったという次第。ちなみに飲酒は大学の庭球部の先輩に強要され初めて飲み、散々な目に遭ったことは今もって忘れられない痛恨事である。(絵は生前の父と海軍時代の短剣) |