芭蕉林通信(ブログ)

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2024年04月17日 春の空 引き綱落とす グライダー

 今年も当たり前のように誕生日が巡ってきた。もはや何歳かと問われることがつらい。振り返れば還暦を迎えた時に最初の衝撃を受けたが、それも昔の話。これからは精神的にも肉体的にもいかに現状を維持するかが焦点だ。同時に心得たいのは、日々ワクワク・ドキドキ生きること、そしてトキメキを感じることである。

 この週末は、春の陽気に誘われほぼ半年ぶりのロードバイクを挙行した。コースは一番のお気に入り熊本新港までの往復である。未熟者であった時には、午後に出発して日没に会い死にそうな目にあった苦い経験があるので、朝10時に自宅を出発。期待通りの新緑に目を奪われ、さまざまな緑色に染まる山を見ては、まさに季語でいう「山笑う」を満喫した。

 その時である、頭の上を一つの大きな影が通り過ぎた。はっとして見ると、それは白い機体を輝かせたグライダーだった。トキメキのチャンスとばかりに、滑走路となっている河川敷に寄り道した。グライダーの離陸や着陸を間近に見るのは生まれて初めてである。強い向かい風に二人乗り、あるいは一人乗りのグライダーが綱に引かれ、あっという間に春の空に浮かぶ様は優雅そのもの。引綱から自由になった機体が音もなく滑空する有様を小一時間飽きずに眺めた。

2024年04月09日 理想的な趣味

 かつてこの欄で、定年後は「きゅういく」と「きょうよう」が大事と書いた。タネを明かせば「きょういく」とは今日行く所があるという事、「きょうよう」とは今日用事があるという事である。私のような凡人は「小人閑居して不善をなす」に陥らないためには是非とも必要な心構えだ。

 ところで親族の中に定年退職後に素晴らしい趣味を見出した人がいる。神奈川県在住だが、日本の代表的街道の踏破に挑戦したのである。これまでに東海道や中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道と5街道を踏破したのだから凄いの一言だ。東海道踏破についてはテレビの取材を受けるほど話題になった。

 今現在、彼とその奥さんは連れ立って「多摩川を歩く」と銘打ち源流までの踏破に挑戦中だ。私もその様子をしばしばSNSで見ているが、二人が山路で猿の群れに襲われた様子には驚かされた。本人曰く、この先では熊の出没にも気をつけなければならないと。熊のいない九州人には想像できない冒険だと改めて考えさせられた。二人の挑戦の成功と無事を祈っている。それにしても、歩いて身体を鍛えながら、自然や歴史、文化に触れることのできる最高の趣味と感心しきりである。 (参照ブログ:ウォーク更家の散歩)

2024年04月01日 春の詩(うた)

 先月30日は会社の花見会だったが、終わってから見た有明海対岸の普賢岳は黄砂に煙る夕陽と相まって幻想的なたたずまいだった。我が家の庭の桜は今日時点で満開から散り始めという状態だが、花が遅かった上に気温の急上昇によって見ごろはわずか3日程度であったのは「行く春」を思い起こさせる。

春になると、なんとなく口ずさみたくなるのがイギリスのブラウニングの詩である。
時は春、
日は朝(あした)、
朝(あした)は七時、
片岡に露満ちて、
揚げ雲雀なのりいで、
蝸牛(かたつむり)枝に這ひ、
神、そらに知ろしめす、
すべて世は事も無し。

数編の詩は全部を覚えているが、これはその内の一つ。それにしても、最後の一行のごとく世界がすべて事もなし、となってくれないものかと願うばかりだ。



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