385件〜387件 (全 730件)
<前の3件
・・・
125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 ・・・
>次の3件
前に努めていた銀行の同期会名簿がメールで送られて来たが、職業欄を見るとさすがに空欄が目立ってきた。組織に属し活躍してきた我々もいよいよ引退の時期を迎えたとみえる。それにしても、大銀行に就職し喜びに舞い上がっていた時には、まさか50歳ぐらいになれば融資先や関連子会社に転職を迫られるとは想像していなかった。私の場合は、30歳で自ら転職の道を選んだのは「知らぬが仏」であったと今では分かる。 社会人類学者の中根千恵さんが「タテ社会の人間関係」を出版したは1967年のことだから私の高校卒業の頃だ。その5年後に社会に出て、それ以来タテ社会にどっぷり浸かって生きて来た気がしている。しかも団塊の世代の末席にいる年代のため、いつも競争にさらされてきたし、今でも競争心は一種の習い性と感じている。かつて社外の団体に所属して活動したこともあったが、それらもタテ社会の一部であったのだ。 定年の時期を迎えて、タテ社会からヨコ社会への転身を夢見ている。ヨコ社会とは、中根千恵さんの指摘する場(個人が属する地域、所属機関、職業集団など)から脱して、それらを横断して成立しているものである。タテ社会に中にのみ生きてきた私などは、いつの日か会社組織を離れた時に、家庭に閉じこもることしかないことを恐れている。今からでも遅くないので、私だけのヨコ社会を作り出せるよう日常の発想と行動を変えてみようと思っている。
|
アメリカ出張したお取引先の社長から、ヒラリーとトランプのTシャツを見せられた時は、正直ヒラリーのTシャツをもらいたかった。大統領選の街頭インタビューが東京であっていたが、選挙前の50人の意見では、時期大統領にふさわしいのはヒラリー46、トランプ4だから日本人のヒラリーびいきは明らかだ。それにしても予想を覆す大統領選の結果であり、一挙に円高が進むかと身構えたのだが、円安に振れたのだからマーケットは分からない。投資家ではないので、このあたりのマーケットの機微は苦手というしか言いようがない。 さて、せっかくいただいたトランプのTシャツには、顔写真と一緒に「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」の文字。大統領選の前日、密かにこのTシャツを着て、その上にビジネスシャツ、ビジネススーツを着て街に出てみた。そして、筋トレをしているので筋肉がついた。その筋肉を見せようを嘘とつき、やおらシャツのボタンを外し、中からトランプのTシャツを見せて大いに周りを喜ばせたのである。この時点では、大統領選の結果はヒラリー勝利と信じていたので、まったく先見性のないおふざけをやらかしたものだと少し反省している。 そして大統領選が終わった今の関心事は、ヒラリーとトランプのTシャツのどちらに価値があるかという点である。
|
挑戦しない限り成功も失敗もない、と言われればその通りだと思う。来し方振り返ってみても、事業面では随分と失敗と成功を繰り返して来た。数では言えば失敗の数が多いような気もする。日経の朝刊を読んでいると、ワコールの塚田社長が創業70周年の広告の中で、フローズンヨーグルトやその他の新規事業で失敗したおかげで本業の大切さに目覚めたと語っていた。経営者や起業者にとっては、新規事業への挑戦とその失敗は必ず経験しなければならない通過儀礼のようなものだろう。 さて経験と言えば、哲学者森有正の「遥かなるノートルダム」と読んでいて、森氏がさかんに経験こそが人生そのものだといった類いの主張をしていることに驚かされた。経験という言葉との私の出会いは、大学受験の際、「体験と経験の違いを記述せよ」との出題があった時からだが、経験ということが仕事をする上で大切なのは一応正しいと言っておこう。一応と付けたのは、経験がこだわりとなると新しい発想や行動を制約することがあるからだ。素人 的発想を奨励するのはこういう時に起こる。しかしなお、豊かな経験を積むことは大切であることは論を待たない。しかも成功と失敗の両方の経験から学ぶことが望ましいのである。 ところが昨日、89歳になった母と話をしていて愕然とした。母は最近は夢と現実の境を行ったり来たりしているのだが、昨日は一人で奈良にまで行って来たと真顔で言うのである。奈良では昔住んでいた家に行き懐かしかったが、誰にも会わなかっと言う。さらに母は、その街までどういう手段で行ったか全く分からないと言うのだ。 母が誰にも会わなかったというのは、ただ単に昔会っていた人達を忘れているからなのである。過去に会った人の名前が記憶から完全に消し去られている。そうだ、記憶がなければ経験にはならないのだ。
冒頭から経験が重要だと言ってきたが、それは記憶として残っているからこそ経験と言えるのであり、記憶に留まっていなければ経験とは言えないのである。気がつかない内に貴重な経験を随分と失っているのが普通の人間である。そして経験に基づき賢明は仕事をするには、一定の記憶力が必要であると思い至った。
経験と記憶は賢明にかつ平和に生きる要件なのだ。
|
385件〜387件 (全 730件)
<前の3件
・・・
125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 ・・・
>次の3件