芭蕉林通信(ブログ)

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2016年11月01日 仕事の質とは

 立松和平の「晩年」という本は読んでいて面白かった。人生で出会った人との別れが情感たっぷりに、あるいは愛惜を込めて書かれていた。私自身も、晩年になりもし不治の病を宣告されたならばどう受け取めるのだろうかと考える年齢になった。頑張って厳しい治療に挑戦するのか、あるいは生活の質(クオリティ・ライフ)を選択し、治療を避け静かな日常を選ぶのかはその時になってみないと分からない。

 生活の質というものがあるのならば、仕事の質というものもあるのではないかと思い、次の三か条を思いついた。 1 社会的意義がある 2 自分の能力を発揮できる 3 良い仲間や相手先に恵まれる

 その仕事に社会的意義があれば、何もやましいことはなく、堂々と仕事に挑戦できる。また、成果を出し社会を豊かにできれば、やりがいにもつながる。  自分の能力を発揮するという点では、身近にいろんな事例を見ることができる。最近聞いた話では、有名大学を出た女性が就職した大手会社を辞めて、太極拳のスクールを開設したという。この女性にように自分の好きなことを職業にするほど楽しいことはないだろう。  良い仲間や相手先に恵まれるという点では、論語の「修身、斉家、治国、平天下」を思い出す。まずは自分を確立させ、そして家族に恵まれて初めて社会活動が円滑にできるということだろう。別に国家や天下を担うばかりが立派な訳ではない。仮に一庶民だとしても、自分の仕事を支えてくれる家族や友人に恵まれるのは嬉しいことだし幸せだ。  年齢を加えてくると、自分は生きているのではなく生かされているという感覚に変わってくる。晩年もそう捨てたものではないと思いたい。昨晩のテレビでは、「私は老いたのではない、熟したのだ。」という言葉が紹介されていた。甘みを出す熟し柿のように、これからも仕事の質、生活の質を追求して行きたい。

2016年10月26日 チャンバラごっこ

 法事に使うための写真を探して古いアルバムをめくっていたら懐かしい写真を発見した。13歳ぐらいの私が亀井商店の店頭で親戚の子とチャンバラごっこをしている写真である。私は拾ってきたのであろう棒切れを大上段に構えて格好を付けているが、その傍らにいるおかっぱ頭の妹二人はチャンバラごっこに全く無関心なのがおかしい。

 店頭にある品物は藁俵(わらだわら)や木樽、木箱などだが、今から約55年前、昭和35年頃の食品問屋の店頭が結構乱雑だったのに驚く。当時は二階が6人家族の住居だったので、今で言う住居併設店舗であり、自然と遊び場は仕事場と重なっていたのである。  ときどき従業員からは、商品の上に乗ってはだめだと怒られたりしていたが今となってはしごく当たり前のことである。しかし当時は何にしてもおおらかだった。腹が減っては店頭に並んでいたスルメの足を1〜2本くすねて食べたりしていたのである。その頃目覚めるのは、早朝店の前を通る大八車の車輪の音を聞くからであり、家を出ると馬車を曳かされた来た馬の馬糞が湯気を立てて落ちていたりした。子供のけんかが佳境に入ると、馬糞を投げつける輩(やから)も登場するのであった。もっとも、馬糞の常として、馬糞は敵に到達する前に空中分解するのであるが。
(以上の話は確かな記憶であるが、この写真にはトラックの荷台が写っていることから類推すると、私の大八車や馬糞の記憶はさらに5〜6年ほどは遡るのかも知れない。)

 日々の変化は見逃し易いと言うが、こうした写真を見ると変化は歴然である。変化の先には何があるのか知るためにも、過去を振り返る時が必要だを思う。

2016年10月18日 靴磨きの話

 流通業界に長年携わってきた方に面白い話を聞いた。それは以下のような話である。


繁盛している靴磨きがいた。 昨日は30足、今日も30足と靴を黙々と磨く日々が続いた。 ところが、磨く靴が20足、10足、5足、1足とだんだんと減ってきた。 ふと目を上げて当たりを見渡すと、周りを歩いている人は皆スニーカーだった。

 この方は、時代の変化に対応することが大切であると教えているという。 私は、お返しのつもりでカマスの実験の話を紹介した。餌を食べなくなったカマスを如何にして救うかという話だが、彼は今まで聞いた事がないと素直に喜んでくれた。この話のポイントは、別のカマスに食べる本能を呼び覚ましてもらうということである。  


二人で意気投合した一日であった。


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