2017年05月29日 太郎とひろし
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一方、飲食レストランでは「太郎が出た」と言ったりするらしい。一瞬、酔っぱらいのことかと想像したら、実はゴキブリの隠語であった。お客様の手前、ゴキブリとは言い難く、ゴキブリを「太郎」と呼ぶのである。かつて、レストランを7軒経営していたことがあったが、浅学非才の身であっては「太郎」という隠語はまったく知らなかった。 つい最近も、レストラン経営者から「ひろし」は知っているかと問われた。当然にして答えられなかった。正解は、これまたゴキブリ。歌手の五木ひろしの五木は音読みでゴキ。そこで、「ひろし」がゴキブリの隠語になったらしい。改めて、日本語は奥が深いと思った次第。 |
2017年05月22日 ゆっくりした生活
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現代社会は競争を意識するばかりに、効率を重視し何事にもスピードが要求されるようになった。その結果、我々は四六時中時間に追われている。有名な小説「モモ」の言葉を借りれば、時間泥棒に時間を盗まれていつも忙しいのが現代人なのである。心とか愛着とか祈りといったものがどこかに忘れ去られている。 現在私は足を怪我したために松葉杖の生活を強いられ、否応なく毎日ゆっくりゆっくり歩いている。せわしかった生活からゆっくりした生活に移った時、何か新しい感覚や考えが生まれるのではないかと期待したが、今のところ何も生まれてこない。自らの意思で選んだものではなく、強制的に強いられたものであり、かつまた傷の痛みに心を奪われているからに違いない。それならばせめても、ゆっくり歩き、ゆっくり考え、ゆっくり本を読み、ゆっくり人と語ってみたいと思っている。 |
2017年05月18日 双龍硯(そうりゅうけん)の謎
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ところが、先日のNHKの日本の名字を辿る番組を見ていて疑問が一気に氷解した。「高橋」という姓は由緒ある姓で奈良に起源があること、古代では天皇の料理番、また全国各地の神社の神職に高橋姓の人が多いという内容であった。 肝心なのは、天皇に料理を供する時に、最高の食材は鶴であり、鯉であったということ。鯉には龍同様にヒゲがあり、鯉は滝を登り龍になる高貴な魚とういうのだ。つまり、「双竜硯」に彫ってある鯉は、滝を登り龍になろうとしている場面だったのである。硯には確かに二匹の龍がいたのである。 |