芭蕉林通信(ブログ)

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2016年02月29日 お薦めの一冊

 経営者仲間が隔月に集まる勉強会では、テーマを決めて発表することになっています。昨年は「私の父親」「私の先祖」など興味深いテーマがありました。それにしても今なお「私の母親」というテーマが取り上げられないのは、マザーコンプレックスが邪魔しているのかも知れません。今年になって最初のテーマは「私のお薦めの一冊」でした。これは私の提案が通ったものですが、ある人の「人生とは所詮一人の女性、一人の師、一冊の本に出会う旅だ。」と言ったのを記憶していたためでもあります。

 とはいえ、実際に一冊を選ぶ段階で随分と苦労しました。司馬遼太郎か塩野七生か、ドラッガーか田島敏郎か、白洲正子か洲之内徹か迷い出せば切りがありません。そして最後に選んだのが白洲正子の「今なぜ青山二郎なのか」でした。青山二郎が誰か知っている人が少ないことはよく分かっています。それでもあの時代に生き独自の世界を切り開いた異端児に強く興味を覚えるのです。しかも白洲正子がこの得体の知れない青山二郎という人物(関係者の多くが批評し難い人物と言う)をどう料理するのか、関心を持たざるを得ない一冊だったからです。

 この本を紹介するのはある意味では簡単でした。それは多くの人にとっては青山二郎はチンプンカンプンの存在なので、言いたい放題が可能だからです。お薦めしたからと言って実際に買って読む人も稀でしょう。結局お薦めと言っても、自分自信の自己顕示欲が満足させられただけでした。従って選択ミスと言えるかも知れませんが、本読みにとっては他人の推薦図書ほど読みにくいことは読書会に参加して理解しているだけに、それはそれで致し方ないことなのです。  かくして今月の勉強会は各自の放談会の様相を呈しましたが、私はちゃんとメンバーの一人が推薦した本をすぐに発注したのでした。

2016年02月23日 おまじない

 東京のホテルで部屋に配られた朝日新聞の天声人語を読んでいましたら、面白い記事が紹介されていました。いささか孫引きめきますが、女流作家の内館牧子さんの女性友達があるおまじないを言うという話です。その女性はくしゃみが出る度に「チクショウーこのヤロー」と発するそうで、日に何度もくしゃみをする訳ですからおまじないを何度も言う結果になるという話なのです。これはお祖父さんの口癖がうつったようなのですが、美形にして頭脳明晰な女性が「チクショーこのヤロウ」と近くで言ったら私などは身が縮みそうです。  
かくいう私もおまじないめいたモノと持っています。それはあまり好きではない飛行機に乗った時に、「飛べ、フェニックス」と心の中で言う癖です。これは昔見た飛行機に関する映画の日本語タイトルによるもので、一回言い出すと止める事ができなくなっています。しかも旅のお供には、旅行安全の仏様が祀ってあるお寺の石を必ず持参することがこの10年ほど決まりになっています。人知の及ばない宇宙の真理があると日頃から思っている私としては、こうしたおまじないに頼るのは首尾一貫していると言えるのかも知れません。

  最近は大阪までは新幹線に乗って行くようになりましたので、「飛べ、フェニックス」と言う機会が減りました。久しぶりの奈良では、学生時代から好きな場所である戒壇院の近くの広場で奈良・平城の時代の雰囲気をしっかりと味わう事ができ嬉しいかぎりでした。おまけにその近くで写真家の入江泰吉の自宅を発見し見学できたのは幸運というべきものでした。


2016年02月08日 道頓堀の異邦人

 一年ぶりの大阪は、地方都市から来た私にとっては高層ビルが立ち並ぶ大都会に見えました。特に中之島近辺のビルはどれも新しく見え、運河が縦横に走っている様子は川の都とでも呼びたい思いでした。  夕方は法善寺横丁にある食事場所に向かいましたが、少し時間があったので道頓堀を歩いてみました。ケバい看板が乱立する商店街はまさに大阪のエネルギーを感じさせてくれます。有名なグリコの看板は最近LED照明に衣替えしたと聞きましたが、私の目にはランナーの姿が前よりもスマートになり過ぎた感がしました。しかしグリコの横にある雪印メグミルクの看板が大人しく見えるのですから、やはり一粒で300mの看板の威力は大したものです。

 そこで驚いたのは花の金曜日のせいもあったのでしょうが、人の多さでありしかも中国人や韓国人と思しき人の多さです。勘で言えば日本人は10%程度であり、道頓堀周辺はまるで香港や上海、あるいはソウルにいる感覚です。中国の春節にあたっているせいもあるかも知れませんが、改めてインバウンドの威力を感じて何とかビジネスチャンスにせねばと考えさせられたことでした。

 昨年熊本に寄港した中国の大型客船はわずか10隻程度ですから、熊本の街中で中国人を数多く見るという経験は少なかったのです。しかし県知事は今年は中国の大型客船を30隻ほど誘致したいと言っていますから熊本でも中国語が身近で聞かれる日が近いのかも知れません。  かつては戦後の経済成長により日本人が豊かなになり海外旅行に目覚めた時、農協の団体旅行の皆さんがパリやニューヨークの人達に異邦人として見られたという歴史がまた今日の日本で繰り返されているのだと思いました。

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