芭蕉林通信(ブログ)

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2023年07月18日 捨てた物・捨てなかった物

 断捨離やトキメキ整理法など不要な物の整理術が世間を騒がして久しい(最近、少し下火か?)。ゴミ屋敷は言語道断としても、世の中には片付けが得意でない人は確かに一定数いる。かく言う私も整理整頓を苦手としている。言い訳としては、無秩序の中にも秩序はある。

 とはいえこれまでにエイヤとばかりにまとめて捨てた物にスーツや服がある。雑誌がある。還暦を迎えた時には社外の公職の9割方は捨てた。その代わりに多くの自由時間を得て儲かった気がした。

 捨てなくて良かったと今でも思うのはなんと言っても本類である。読んでない本、もう一度読みたい本、調べたい本が手元にあるのは老後の楽しみの一つだ。そして大学時代に買い集めたLPレコードが約80枚。安いレコードプレーヤーを購入して50年ぶりに聴く曲は青春時代にタイムスリップさせてくれる。LPジャケットのデザインには味があるし、ああーほんとうに捨てなく良かったと思っている。

2023年07月03日 今が一番幸せ

 美術史家の気谷誠著「西洋挿絵見聞録」を読んだのは新聞の書評欄で紹介されていたからである。大体読む本の半分くらいは書評欄で、あとは本屋や古本屋の店頭で見つけることが多い。この本で学んだことは、18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパでは、愛書家とは仮綴の本を買っては自前で豪華な革装を施し、世に一つしかない本を愛蔵したということである。それに比べると、私などはただ大衆向けの本を集めているだけだと分かり少しがっかりした。

 ただこの本の短いあとがきには別の衝撃を受けた。気谷氏は55歳で急逝したが、あとがきはその5日前に書いたものだったらからである。そして、「今までの自分の人生を振り返り、こんなにも幸せなひとときは無かったような気がする。」と記しているのである。

 そこでふと思い出したのが、約15年前の友人の奥様の葬儀である。友人が葬儀の最後の挨拶で、「妻は、いつも仕事が忙しくて家にいなかった夫からこうやって看病されている今が一番幸せ」と言ったというのである。その時その状況になれば、私もそうした心境になれるのか、しみじみ考えさせられた。

2023年06月28日 コロナ感染始末記

 6月初旬のこと、コロナ感染の5類への移行に合わせて地元料亭で久しぶりに宴が催された。約3年間外出を自粛していた上に、熊本出身で赤坂芸者として活躍している育子さんの踊りが見られるということで家人ともども喜んで参加した。県知事はじめ県内各界のトップも参加しており、旧交を温める良い機会となり大いに鑑賞し食べ飲み楽しい時間を過ごしたのである。

 それから週明けの4日後のこと、家人が突然発熱し病院でのコロナ検査で陽性になったとの連絡が入った。同時に私も至急検査されたしということで、おっかなびっくり病院に行き検査を受けると幸いにも陰性。ほっとしたのもつかの間、その日の午後から突然発熱し、体温は38.6度まで上昇した。かかりつけの先生からは、とりあえず家人に処方されている薬を分けてもらうように指示があった。

 その後は発熱、咳、鼻水、倦怠感、食欲不振などの症状が出て、3日間はただひたすら寝るという有様だった。ところがよくしたのもので、特効薬が効いたのか5日目にはほぼ平常に戻ったのには驚きかつ助かったと思った。振り返って考えてみると6回目のワクチン接種を伸ばし伸ばしにしたのが良くなかった。そしてその後日談である。宴会で隣に座った知人から写真が送られて来たので同封の手紙を読んでいると、最後の追伸欄に、宴会を機にコロナに感染したが亀井さんはどうもなかったか、と書いてあるではないか。やはりあの宴で感染したのかと思い、さっそく電話してこれまでの経緯を確認したが、その知人とは一瞬のうちに同病相哀れむという同盟関係が生まれたのはおかしかった。

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