2023年10月30日 殿様の部下評価法
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そうすると部下は次の4つに分類される。①早・早 ②早・遅 ③遅・早 ④遅・遅。そして鍋島の殿様は、①が最も良い部下だが、家中にはそうした人物はただ一人のみと言われたそうだ。そして一番困るのは④ではなくて②だと。多分④だと最初から当てにしないですむ。③だと期待していないのに結果を出してくれる。問題の②は期待しているだけに裏切られる気がするのだろう。 これを現代に置き換えるならば、①は有言実行 ②は有言不実行 ③は不言実行 ④は不言不実行となろう。確かに多くの有言実行の部下に恵まれたならば、祖父が書き残していた「済々たる多士、文王もって寧(やす)んぜり」(周の文王には優秀な部下が多く、文王は心安らかだったとの意味)となるのだろう。 |
2023年10月16日 秋の気配あるいは記憶
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考えてみればこの病名もしかりだが、意外と難しい言葉は一度記憶すると頭から離れないことが多い。かつてサンヨー食品が九州限定で発売したラーメン「とっぱちからくさやんつきラーメン」や大塚製薬の商品コンセプト「ニュートラ・シューティカル」などがそうだ。簡単な言葉は記憶に残らない一方で、努力を要した記憶は長く残る。職人の技にしても、そうした過程を踏んで初めて本物になるのだろう。いわゆる体得というやつだ。 問題は古希を迎えて昨日のことが思い出しにくくなっていることだ。特に休日は自宅に籠って何ら特別なことをしていないというせいもあろう。クレジットの利用案内が金額だけだった場合は、どこで何を買ったか思い出せずに焦ってしまう。クレジットの不正使用もあるとか聞くと、それこそ灰色の脳細胞(アガサクリスティーの小説に出てくる私立探偵ポアロの口癖)が欲しくなる今年の秋なのである。 |
2023年10月11日 悪夢
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さてこの私も昨晩悪夢を見てしまった。私はどういう訳か熊本から大分まで歩いて九州横断している。やっとたどり着いた大分で、そこに住む弟か息子に一夜の宿を頼もうとしている。取り出したのは最新鋭の携帯電話だったが、どうしても電話の仕方が分からない。周りの人に教えてもらうがそれでも電話ができない。こうなったら自宅に電話して大分の電話番号を聞くしかないと思い、やむなく公衆電話を探す。すると古い回転式ダイヤルの公衆電話が見つかった。しかもそこには年老いた案内人がいる。案内人に教えてもらいながら、震える指でなんとかダイヤルを回し自宅を呼び出した。 幸いにも家人が出てきたので困り果てている現状を説明していると、突然割り込み電話が入った。某同級生が「鶴屋に入っている店なんだけど・・」などと話し出すので、後ですぐに折り返し電話をするからと断り、自宅との回線に戻すともうすでに応答はない。というところで夢が覚めた。最新機器に取り囲まれている現代社会、あなたはいつまでそれに追いついてけるかと暗示された思いだ。これこそ現代の悪夢と言わずして何と言おう。 |