芭蕉林通信(ブログ)

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2018年01月15日 いばりん坊

 2020年から国立大学の入試が大幅に変わるというニュースがあった。基本的な知識・技能に加え、それらを活かすために必要な思考力・判断力・表現力等を問う試験になるという。そのため、教育ママたちは中学の選択から知恵をこらしている。つまり、変化に敏感に対応して、カリキュラムをいち早く組み直す私立中学が人気なのである。

 確かに、スマホでインターネットに繫がる時代は、知らないことを簡単に調べることが可能になった。仮に大学試験会場にスマホを持ち込むことができたならば合格は間違いない。そこで、単なる知識はネットに任せて、人間は創造力や表現力を磨こうということになったのである。

 たまたま読んでいる「考える練習をしよう」という本に面白い問題が載っていた。それは、図形を見て判断すると、人間は錯覚に陥るというものである。掲示した図形の黒い円はもちろん同じ大きさである。しかし、ちょっと見には大きさが違うように見える。これを組織に当てはめると、本人の実力は一緒でも周りが小物だと目立つことになり、周りが大物ばかりだと埋没するという喩えになると気づいた。私が良い例だが、世のいばりん坊はつくづく己の実力を客観視しないと恥ずかしいことになりそうだ。

2018年01月10日 自然の脅威

 年末から年始にかけて、福島二郎氏の代表作「現車(うつつくるま)」上下二巻を読了した。小説の舞台は私が生まれ育った熊本市新町界隈であり、時代は明治から昭和にかけての一家族の叙事詩である。新町を始めとして身近な場所で繰り広げられる家族の愛憎劇や当時の世相に再三瞠目させられた。

 渡辺京二さんが推薦文で指摘されているように、登場人物らが語る熊本弁は土俗的な趣を醸し出しおり、読者の私にも多いに親しみを感じさせてくれた。私が忘れていた熊本弁の宝物に出会ったと感じたほどだ。もっとも、家族の物語としては栄枯盛衰の連続であり、悲惨な思いを拭えなかった。そして、戦時中の空襲の様子、26年に熊本を襲った大水害の描写は迫真の文章であった。空襲では火に追われ、水害では水に襲われるのである。

 そしてふと気が付いたのは、宮本武蔵が著した「五輪書」の各巻の表題のことである。「空」を除いた「地」「水」「火」「風」はまさに自然災害の元凶になり得るものだと。五輪とは密教思想から来ているそうだが、「地」は土砂崩れとなり、「水」は水害を引き起こし、「火」は火事として広がり、「風」は台風となり人間を苦しめる。まさに大いなる自然の力なのである。一昨年から昨年にかけて九州を襲った地震や豪雨被害を後世の人はどのように表現するのであろうか。痛ましい出来事だっただけに時間と共に風化することが懸念されている。

2017年12月25日 好きな数字

 再来年の大河ドラマはいよいよ熊本が舞台になる。マラソンの父と言われる金栗四三(かんくりしそう)さんの物語である。これまで地元としてはNHKに対し、細川三代や細川ガラシャ、加藤清正などを売り込んでいたので意外な主役の登場という感が強い。

 それにしても、今年は将棋の加藤一二三さんなど名前が数字の人が気になった。一二三は一歩ずつ着実に歩むようにとの願いが籠っているらしいが、四三は金栗さんのお父さんが43歳の時に産まれた子供だから命名されたという。

 ネット社会の到来により暗証番号を要求されることが多くなった。その際に数字を書き込まされるが、つい身近な数字を思いつくのはしょうがない。簡単なのは自分又は家族の誕生日だがこれは危険だと言われたりする。そこで私だけのこだわりの数字を思い浮かべれば、黄金律の1618、アルセーヌルパンの小説の題名にある813などがある。フランスの著名な構造学者レヴイ・ストロースがやはり813に拘っていることが知れた時は、世紀の碩学と仲間になったような気がして嬉しかった。

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