芭蕉林通信(ブログ)

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2013年02月28日 オキーフに倣って虫の目で

2月は、28日という短い期間に定例の月間行事が詰まるので師走並みの忙しさでした。商いにおいては、日数が少ない分月間売り上げが作りにくい訳で、営業面での苦労はひとしおです。
それでも着実に春めいてきたことが朝晩の気温の変化で感じられます。外に出れば、多くの花が咲き始めましたし、庭では土を押しのけて何かの芽が顔を覗かせています。
昨日の句会では、私の「水仙のひそひそ話聞こえそう」に一点選句が入り涙が出ました。

会社に活けてあるチューリップの赤い花を虫の気持ちになって覗いたのがこの写真です。アメリカの著名な女流画家、オキーフは花を大胆に描くことが多くあります。何気なく見ているものでも、角度を変え、視点を近づけると別世界になるようです。
ある人が顕微鏡で、身近にある花粉や生物を見て、今まで見たことがないような世界に感動すると書いていました。私も余程顕微鏡を手に入れようと考えたましたが、これ以上粗大ゴミを増やさないよう自重しているところです。
かつて、天体望遠鏡を父の誕生日にプレゼントしたことがあります。実は私自身が見たかったと白状しますが、夜の空に土星の輪や木星の月を見た時は、大げさに言えば宇宙の神秘に触れたようで感動したものです。
仕事でも、虫の目・鳥の目で観察するよう言われますが、実生活でも自然の神秘にこれからも触れていきたいと思っています。

2013年02月18日 熊本のイメージは赤

立春を過ぎたとはいえ、当地では三寒四温の一進一退の天気が続いています。そうした不安定な気候にあっても、いつものように長い歴史を誇る植木市が始まりました。何しろ春を呼ぶ風物詩ですから、開幕直後に見てきました。期間中には、もう一回は行きたいと思っています。

さて、新年早々に嬉しい発表がありました。それは、熊本県が県産品のブランド化を進めるにあたって、熊本のイメージカラーを赤としたことです。さっそく、赤に関する地元製品の登録が始まっています。
では、なぜ嬉しいかということですが、それは2004年に遡ります。2004年3月13日に、熊本県の新八代駅と鹿児島県の鹿児島中央駅間で九州新幹線が部分開業した時のことです。

当時私は地元の一人として、新幹線開業を盛り上げるために一生懸命でした。所属していた熊本経済同友会では、新しい観光と集客に関する部会を新たに作り、県民運動「熊本城築城400年と熊本ルネッサンス」には当初より参画。熊本商工会議所では、実行委員長として「熊本観光・文化検定」をスタートさせることができました。

自社リスクとして発案したのが、熊本・鹿児島両県の食文化に着目した「肥後の赤、薩摩の黒」という色をイメージした作戦です。詳しくは論じませんが、細川家からは九曜紋を、島津家からは丸に十の字紋を、JR九州からは新幹線の写真をお借りする事ができ、一定の食文化の発信には貢献できたと喜んだものです。

ところが本年になった、改めて熊本県が熊本のイメージを赤として、県民に広く告知してくれることになったのですから、発案した者としては再評価していただいたようで感激したという訳です。幸いにも、その運動の一環として、弊社はこれまで数多い地産地消製品を開発し世に問うてきましたので、これからは製品を通して地元のイメージアップに協力していきたいと思っています。






2013年02月01日 トルコの細密画

塩野七生さんの本に、コンスタンチノープルがオスマン帝国の攻撃に破れさるという場面が登場するのは、開戦三部作の一つ「コンスタンチノープルの陥落」です。
ビザンツ帝国の最後の皇帝が、白い馬に緋のマントを着て最後を遂げる場面は、その色の鮮やかさもあって、まるで目の前に見るかのような印象でした。

昨年トルコに行った際に手に入れたかったのが、オスマン朝からの伝統芸術である「細密画」でした。機中に、オルハン・パムクの著書「私の名は赤」を読んでいたせいかも知れません。この本は、オスマン朝のおかかえ絵師、細密画を描く人たちの物語だったのです。
そして、泊まったホテルのギャラリーで偶然に見つけたのが、メフメト2世がコンスタンチノープルを陥落させる際の有名な逸話の場面を描いた一枚の絵でした。

大学の講師が描いたというのですから古いものではないのですが、馬に乗ったメフメト2世の凛々しい姿、山越えに船を金角湾に運ぶ群像が細密画の手法で描かれているのに感動しました。後でしまったと思ったのですが、その時は一切値切ろうとする気にはなれず、とにかく絵を手に入れたい一心でした。
難攻不落と詠われた三重の堀を巡らした旧都を、裏側から攻略するオスマン軍のテントや大砲、大地には糸杉や可憐な花、空には星の数々が細密に描かれていて、小説の一シーンが鮮やかに突然に現れた感じがしたものです。
かくして、オスマンからトルコ共和国に至る勉強が今日まで続いています。

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