2013年08月06日 お山の大将
![]() この本に心引かれたのは、まず本の装丁にありました。深緑色の表紙には、現代とは反対に右から左への字が流れています。もちろん、表紙と中の童謡は活版印刷です。最近のデジタル印刷に慣れた目には、活字の一文字一文字が個性を持った生き物のように見えてくるのです。 九州のある島で、今もなお活版印刷を守り続けている小さな印刷会社があることを雑誌で読んだことを思い出しました。その時はいつか自分の名刺を活版印刷で作ってみたいなと思ったものです。 「西條八十・童謡全集」を我が家に帰って読もうとした時、さらに驚いたことがありました。それは、立派な和紙で作られたページが裁断されないまま何ページもあったことです。つまり、初版本は誰にも読まれないままに、私の手元に来たという訳なのです。 そこで、バリ島で買ってきていたナイフをページの間に差し込み、裁断したのですが、その音の気持ち良さにしばし酔ってしまいました。さらに、童謡集の一つに懐かしいものを見つけました。 それは、子供の頃に唄った「お山の大将」です。 お山の大将 俺ひとり あとから来るもの つき落とせ ころげて 落ちて またのぼる 赤い夕日の 丘の上 とさらに続いていくのですが、以下は省略します。ただ、私自身は最初の一節だけは覚えていて、その後に続く部分は知りませんでした。この童謡が最後はお月さまが登るところで終わる、極めて叙情的なものであることに感心しました。 |
2013年06月28日 阿蘇が「世界農業遺産」に
![]() むしろ、春になれば山焼きをし、害虫を駆除し牧草の新芽の成長を促し、肥後の赤牛を放牧するという自然循環型の農畜産業が評価されて良かったというのが今の率直な気持ちです。阿蘇の魅力を一言で語れと言われても語る事ができる訳がありません。長年阿蘇に行き慣れている私にとっても、行くたびに新しい体験や発見が待っているからです。 福岡在住の財界人と話をしていましても、阿蘇は九州の阿蘇だ、という言われ方をします。これからは、阿蘇の自然と営みを守り、次の世代に引き継いでいけるよう、多くの関係者の努力を応援したいと思っています。 |
2013年06月07日 自己実現について想うこと
![]() そこで想う事は、一体自分は人生の目標を持ち、それを実現できたのかという疑問です。死んだ父は病床にあって、きっと日夜そのことを考えていたに違いありません。父は日本が敗戦を迎えた時に、海軍中尉として特攻隊を指揮していたというのですから、死を覚悟した状況から生き延びることができ、亡くなった戦友を弔いながらも、命を授かったという意識が強かったのかも知れません。今日の日本では、一人一人が自己実現を果たすのは大変困難になっている気がします。戦後の復興とその後の経済の高度成長は、多くの日本人の夢を叶えてくれた訳ですが、今日の若者にとって将来の日本は、地球資源、環境問題、原発、巨大地震など不安材料が多くなっています。 その一方で、我々の世代は若い世代に対して、人間の最高の到達点は自己実現することだと説いてきました。少なくとも、私は社内でそういった話をしたことがあります。 自己実現が多くの理由で困難となった時に生じるのが、挫折感であり絶望感であったりしたならば、それこそ大変です。これからは、自己ではなく、家族で、集団で、組織で、地域で目標を立て、チームワークの力でその実現を図ることの方が、一人一人の精神的負担を和らげることができると思うようになりました。 離婚が増えているのも、夫婦二人がそれぞれ自己実現を目指した結果であり、だとすればすれ違うのは当たり前のような気がします。アベノミックスで、そうしたことも是正されたならばいいなと夢を見ている昨今です。 |