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2020年10月13日 ドレの版画とスティーブ・ジョブス
ギュスターヴ・ドレという銅版画家の絵が好きで、本を買い集めている。ダンテの「神曲」、セルバンテスの「ドン・キホーテ」、「旧約聖書」、「新約聖書」である。ドレは歴史画を得意にしたが、劇的な場面をあたかもスポットライトが当たったかのように描く銅版画は、どの一枚をとっても美しく物語の理解を助けてくれる。 そうした作品の一つが最近手に入れた「ドレのロンドン巡礼」である。「天才画家が描いた世紀末」という副題にあるように、他の本とは違い、近世のロンドンに題材をとった銅版画集である。それに日本人著者が解説をつけている一冊であるが、さっそく面白いエピソードに行き当たった。ドレとアップル創業者スティーブ・ジョブズの接点である。その一節は次の通り。 「スティーブ・ジョブズは、ipadの発表会で、旧約聖書のモーゼが、文字を記した石板を掲げ持つ場面を描いたドレの画を載せたipadを持って登場したが、それは近代が生んだ最後のモンスターでありながら、すでに日常的な道具となったコンピューターにとって、画像と言葉と身体との再融合こそが、新たなテーマであるという宣言でもあった。」といささか難しい文章だが、ドレの絵を見るにつけ、ジョブズのユーモアのセンスとプレゼンテーション力に脱帽するのである。
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今自分の顔で一番気になるのは眉毛である。昔からたれ目で男らしくないと劣等感を抱いてきた。さらに最近悪いことに目が細くなり眉毛には白髪が混じるようになった。頭髪は少なくなり今や養毛剤は手放せないのだが、どういう訳か眉毛の成長だけは止まらない。いやむしろ眉毛の成長スピードが髪の毛とは反比例して早まっている感じすらしている。 これがどういう結果をもたらすかと言うと、いちじるしく年寄りくさくなるのである。例えに引くと申し訳ないが、大分県出身の村山元首相の眉毛は格別に長く、両目を塞ぐほどに伸びて垂れ下がっている。老人というより仙人という感があり、それはそれで村山元首相の飾らない素朴な雰囲気と合致している。 しかしある時のこと、博多の女性がハサミを持ち男性を追いかけている場面に出くわした。「あんたの眉毛は伸びすぎて見苦しか。私に切らせんしゃい!」という訳で多くの男性が若さを取り返していた。その体験があまりにも強烈だったのか、それ以来私はハサミを持った女性に迫られないように、早め早めに自ら眉毛を手入れすることにしている。
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2020年10月02日 正代関の母校・東京農大の思い出
郷土出身の正代関が念願の初優勝を遂げ、天災の多い熊本に久々の明るいニュースを届けてくれた。正代関は東京農大在学中に学生横綱になったのだから、次は是非角界の横綱を目指してもらいたい。と思っていたら、50年前学生時代にテニスの試合に出るため東京農大を初めて訪問したことを思い出した。 小田急線の経堂駅で降りバスに乗り換えると、バスは市街地の狭い道路を家を掠めるようにして農大に向かった。大学の広大な敷地に入ると、テニスコートまでの道の右手に相撲部の練習場が見えた。塀には使い古し汗ばんだ相撲まわしが数本干してあり、相撲部のない大学出身者としては初めて見る光景に驚いた。正代関のまわしを見たのだったならば自慢できるのだが、あいにく世代が随分と違う昔の話である。 そして何よりも驚いた事件はその後に起こった。テニスの大学対抗戦が始まってすぐにとんでもない闖入者が現れたのである。それはテニスコートの横にある乗馬部の一頭の馬であった。柵を乗り越えて来た馬は一瞬にしてテニスの試合を中断させ、プレーヤーは驚愕し命がけで逃げ惑ったのである。人間は、日常普通のことではなく思いがけないことを記憶するものである。日米最初のテレビ実況中継がケネディ大統領の暗殺事件を報道し、長く日本人の記憶に残ったのに似て、私は東京農大を訪れたこの一日が今でも忘れられない。
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