芭蕉林通信(ブログ)

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2020年09月14日 目を変える

 今年の人間ドックは新型コロナの院内感染を心配して、当初の予定から約3ヶ月遅らせて受けることにした。さすがに病院の感染対策は強化されており、受付での検温、マスク着用、肺機能検査の中止などが目新しかった。一時のピリピリした緊張感は和らいでいたものの、ドック受験者の数は制限され検査に必要な資料も削減されていた。

 いつもは胃や腸の内視鏡検査を受けた日は帰宅せずに指定の施設で宿泊していたが、今回は院内感染を恐れて帰宅した。帰宅したのは良いが、内視鏡検査で身体に負担がかかっていたこと、静脈注射で頭がぼうっとしていたこともあり、車を運転して帰宅したのは後から考えれば危険な行為だった。コロナ感染下では、人間ドックも慣れるには時間がかかるということなんだろう。

 ところで、前述の静脈注射を打つのは内視鏡検査の際に睡眠導入してくれるからである。喉やお尻から内視鏡を入れる時には眠っている方が気持ちが楽なので、毎回検査の直前に注射をしてもらう。私の場合は薬によく反応するのか面白いように眠ってしまう。ところが、今年はその注射がなかなかうまくいかない。看護師が左腕に二回も試みたが、血管を外して痛みが襲った。そこで看護師が「すみません、目を代えます。」と言ったのである。一瞬メガネでも替えるのかと思ったが、注射を打つ人を代えるということだと思いついた。果たして新しく来た看護師は、左腕ではなく右腕に大きな血管を見つけ、簡単に注射を終えたのである。深い眠りに陥りながら、「目を代える」のは独断に陥らない良い方法だなと思った。

2020年09月10日 余生は余得

 最近は自然と宗教的なものに惹かれる。これは余生と呼ばれる期間にさしかかっているからなのだろう。健康診断を受けると身体の痛んだ所を指摘されるが、長年酷使してきたのだから金属疲労が起こるのは当たり前なのである。そして今後どれほど生きられるか考えることが多くなった。

 朝刊を読む時の癖となっているのは、死亡欄に必ず目を通すことである。若い時には、万が一知り合いの方に不幸であれば、すぐさま対応しなければならないと思っていた。今はそれに加えて、亡くなった方が知り合いかどうか関係なく享年と死因が気になる。

 もし私よりも若い方であれば若くしてもったいないと思い、ご年配の方であればこれから何年生きられるか計算する。死因が分れば、自分にはその病気にかかる可能性がどれほどあるか想像する。かくして、手元には「法華経」「旧約聖書」「死について」などの本が積まれることになる。「生」を知らずして「死」を語るなかれと孔子様に叱られそうだが、ただ希望を持つとすれば、余生を余得と思い一日一日を楽しく過ごすことである。

2020年09月04日 毛虫とオーガニック野菜

 アメリカに「ホール・フーズ」という有名なオーガニック専門店がある。あっという間にアメリカ全土に店舗展開し、あっという間にアマゾンに買収された。残念ながら買収された理由は知らないが、ネットの王者がリアル店舗網を手に入れたとして話題になったのはつい先日のことだ。実はこの「ホール・フーズ」という独特の小売業態は日本にはないだけに、昔から気になり訪米するたびに視察していた。主にシカゴ店を定点観測していたが、行くたびに商品が進化し売り場が変わるので大変勉強になった。豆類は量り売りしていたし、テークアウトはオーガニック製で美味しかった。

 なぜ「ホール・フーズ」を思い出したかと言うと、我が家にある酔芙蓉の葉を食べるフタトガリコヤガと連日格闘していらからである。この毛虫を最初に見つけた時にはひょっとして蝶の幼虫かなと憐憫の情が起こりかけたが、ネット検索でガの正体を知ってからは心を鬼とした。それにしても駆除しても駆除しても毎日どこからか出てくるのには呆れてしまう。駆除を初めて2週間もたつと、どれどれ今日もお出ましかと半ば楽しみになっているのは私にサド的気質があるのかも知れない。(いえ、絶対にありません。)

 そこでふと考えたのは、無農薬で野菜を育てるのは手間暇がかかるということである。しかし、見栄えの良い野菜を一定の数量でしかも適当な値段で市場に出すには人件費を極力抑えなければならない。だから駆除剤をまき一瞬にして毛虫をやっつけるのである。農家の人は自分の家で食べる野菜に農薬を使わないと言う。それを聞いてゾッとしたことがあるが、「知らぬが仏」とこれからも普通にきれいな野菜を食べ続けるのである。 (写真はガの幼虫に食べられた酔芙蓉の葉)

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