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9月始め「毛虫とオーガニック野菜」というブログで紹介した酔芙蓉の一番花が咲いた。それは今や日課となっている毛虫退治の最中、突然目の前に現れた。早朝のことなので、花弁は白く輝き雄しべは薄黄色で限りなく美しく見えた。生まれてこのかたこれほど世話した花はない。だからこそ愛着もひとしおなのだ。想いをかける姫君のために命をかけた中世の騎士さながら、いやドン・キホーテに似て、私は想い花を毛虫から守り通したと思った。 その日は一日中観察した。いつから、又どうやって白い花が紅く染まるのか、花はいつまでもつのかと疑問は尽きない。ただ酔芙蓉の名前にふさわしい変化を見るのが楽しみだった。酔芙蓉は茶花(ちゃばな)として人気がある。それはわずか一日で花を閉じるはかなさゆえに、茶道の一期一会の精神に合致しているからかもしれない。 観察した結果、一輪の花はまず白い花弁の先からほんのり紅くなり、夕方には全体を紅く染めて閉じた。家人によれば、茶人は酔芙蓉の花を翌日まだもたせるために、咲く直前の蕾を摘んで氷水に首まで浸けるそうである。次なる挑戦はいかにして翌日まで花を咲かせられるかである。この数日は、恥じらうように色を変える酔芙蓉の花を摘んできては毎日飽きずに見ている。
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職場で何気なく使う言葉の中にマイナス言葉があることに気づいた。マイナス言葉とは否定的でやる気を感じさせない言葉という意味である。例えば、リスクがあるのでしません、それは受け身の案件です、しても無駄です、難しいですなどなど。一方、積極的な言葉、即ちプラス言葉に出会うこともある。例えば、リスクテークあってこそリターンがある、営業は客から断られてから始まる、元気とは造化・創造する天の力をエネルギーにすること(陽明学者の安岡正篤)などなど。 とりわけ安岡正篤氏の語る元気の話は面白い。どんなに賢くても、金持ちでも、権力があっても病気で元気がなければしょうがないという例示は説得力がある。コロナ鬱が指摘される今日、心身ともに元気でいることがいかに大切か身にしみて分かるのである。 ということで、職場ではマイナス言葉を使わないように指導している。言葉は言霊(ことだま)である。言葉には魂が宿っている。漢字学者の白川静先生ならば、漢字には歴史・文化・民族が宿っていると言われるかもしれない。とにかくマイナス言葉は使っている内に元気を失い、プラス言葉は使っている内に元気が出てくると思う。元気で積極的な社風にするためには、私もサントリーの佐治元社長のように「やってみなはれ」と言ってみたい。
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秋彼岸という時候を迎えたためか、9月16日付の日本経済新聞文化欄に「墓マイラー」巡礼の旅という聞きなれない記事が載った。記事を読んで初めて「墓マイラー」という意味が分かった。記事に説明はなかったが、どうやら墓参りをする人のことを自分の造語として「墓マイラー」と名付けたらしい。ご本人によると、これまで世界101カ国を訪ね歩き、作家や芸術家、音楽家など著名人2520人の墓参りをしたというのだから凄い。つい本人の肩書きが気になったが、どうやら文芸評論家らしい。 そこで私の墓マイラー体験を考えてみた。私自身「芸術家の墓」という写真集を買っているぐらいだから、日頃から著名人の墓に興味があると言えばあるのである。時系列的に言って最初の体験は夏目漱石の墓である。45年前のこと早稲田大学の構内を抜けて、昔懐かしい都電に乗った。雑司が谷駅で降りると雑司が谷霊園があり、その中に立派な夏目漱石の墓を見つけた。熊本に縁のある文豪に時空を超えて再会した感じがして感動した。 海外では、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの霊園でエビータ(美貌の元大統領夫人)の墓を、イギリスの湖水地帯ではワーズワース(イギリスの桂冠詩人)の墓を、ストラトフォード・アポン・エイポン(覚えるのが大変)ではシェークスピアとその夫人アン・ハサウェイの墓を見た。エビータの墓には今でも献花が絶えないらしい。ワーズワースの墓は、有名な彼の詩「水仙」の舞台になった散歩道近くの教会にあった。シェークスピア夫妻の墓はトリニティ教会の一隅にあり、世界の文豪にふさわしい荘厳さであった。こう書いてみると、私の墓マイラー体験はかくも乏しいのである。ただ我が家の墓には今月、彼岸の掃除とお参りに行ったことを念のため書いておく。(写真はエビータの墓)
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