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現代社会では電信柱は厄介者である。景色が分断され見栄えが悪くなるばかりか、道路際に電信柱があると道幅が狭くなり通行しにくくなる。だから電信柱を地中化しようという動きが出てくるのは当然の成り行きだ。共同溝は電線のみならず、上下水道管や通信ケーブルまでも一緒に地中化する有力な手段である。 それでも私が電信柱に惹かれるのはロマンがあり詩情を感じるからだ。高校の国語の教科書に載った電信柱の詩が好きなせいもある。電信柱を点検する工夫らが山を越えながら去って行くという内容の詩であるが、なぜか記憶に強く残っている。いつか全文を確かめてみたいと思う。 そのせいか今でも胸がきゅんとするのは、阿蘇から熊本市内へ向かって帰る途中に広がる谷の景色である。今となっては活断層が作った谷とは分かっているが、美しいものはやはりどうしても美しい。緑の山に囲まれた谷はさらに緑が溢れ、赤白に塗られた高圧線の鉄塔が幾重にも連なって行く。そしてその景色を見る度に、いつも心の中で「我が故郷は緑なりき」と口ずさむのである。
(因に写真はこの谷ではなく、人吉にあるトトロの森のモデルの一つと言われる場所)
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我が家の中庭に小さな池がある。水はポンプを使い循環させているが、その池に山法師の葉がしきりに落ちている。循環ポンプを動かさない日が続くと、池は途端に汚い池に早変わりする。それでも夏になると、トンボが卵を産みつけ蚊の幼虫であるボウフラが発生する。ある時などボウフラを食べてくれるかと期待して金魚を10匹放流したことがあるが、循環する水の流れに乗ってあっという間に10匹全部が姿を消した。唖然とすると同時にかわいそうなことをしたと思った。 その池も野鳥にとっては水飲み場になるらしく、しばしば小鳥が可愛い姿を見せてくれる。そうした時はカメラを急いで取り出したり、野鳥図鑑をめくったりして一瞬の出来事を楽しむのである。もっともやや大型のヒヨドリが来ると小鳥が寄り付かなくなる。さすがにカラスは来ないので、今のところ我が家の鳥の王様はヒヨドリだ。 ヒヨドリが池で水浴びするのは今までもよく目撃したが、ここ数週間訪れる一羽のヒヨドリは家の窓ガラスに何度も繰り返しぶつかって来る。家の中に餌があると思い追跡しているのか、単に人懐こいのか理由が分からない。ヒヨドリの習性かと思いネットで検索したが、そうした記述は見つからなかった。人間同様にヒヨドリにも変わった癖があると思い、そっと見守っている。
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この秋もS先生には大阪から熊本へ、一人新幹線に乗って講演に来ていただいた。冒頭に驚かされたのは、先生の両腕にできた内出血による大きなアザである。大阪でバスに乗る際、足が突然萎えて倒れた。親切な乗客がS先生の両腕を掴み起き上がらせてくれたの良いが、加齢のために皮膚が薄くなっている両腕は激しく内出血したのだそうだ。それでも約束を守って熊本へ来てくれるとは、S先生の根性は計り知れない。 講演の内容はいつもながら示唆に富んでいる。
「父母を大切にするのは感謝の心を知っているから」
「最高の到達点は他人を喜ばせること」
「教養とは相手の立場を考えて言動すること」
「粋な生き方とは、@あかぬけしている(反対は野暮)AハリがあるB色気がある(思いやり)」
などの話は、グサッと私の胸に突き刺さった。 これまでの人生で受けた講演は数知れない。そして今でも印象に残っている講演は数多い。帝国ホテルの村上料理長、女優如月小春さん、神戸大学の加護野教授、陸上の中村清監督、九州学院の米田剣道部監督、ウィンドサーフィンの今井さん。こうした人達の話は今でもよく私の話の中で引用させていただいている。願わくばS先生には100歳になった時に特別講演をしてもらいたい。
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