芭蕉林通信(ブログ)

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2014年11月05日 良い牛乳を作るには

 ある時聞いた、酪農団体の幹部の言葉を今でもしばしば思い出します。
「良い牛乳を作るには良い牛を育てなければならない。良い牛を育てるには良い草を育てなければならない。良い草を育てるには良い土を育てなければならない。良い土を育てるには良い人間を育てなければならない。」

 最近は、私の使命の一つは人材教育・後継者の育成と思い定めているのですが、簡単ではないということが徐々に分かってきました。一般的には、少子化の環境で生まれ育った若者は両親から甘やかされて育てられているので打たれ弱く、社会人になってからは精神を病む人が多いと解説されたりしています。自分自身の経験では、家庭がさほど豊かではなく兄弟が多い場合は、できる限り早く自立して親を楽にするのは当然という時代環境であったと思います。「家貧しくして孝子出ず」という言葉にいつも真実味を感じているのです。
 つまり議論の行方はこうです。子弟の教育が難しいと思うのは、現代の若者気質によるというより県民性に由来しているという点です。我が熊本県は「尚武の県」として知られていますが、一方では「もっこす」「肥後の議論倒れ」「一人一党」「出る杭は打たれる」「肥後の中将」など芳しい県民性とは言えない面があります。もっとも、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が熊本スピリットとして掲げた「簡易・善良・素朴」といった面がない訳ではありません。しかしなお、熊本の県民性が教育に必要な「素直さ」を不十分な状態にしている気がしてなりません。またこうした状態の背後には、肥後54万石という恵まれた風土から来る内向き思考・行動様式が、世間を狭くしているという点もありそうです。
 とは言え、そうした事を含めての子弟の教育であり後継者の育成ですので、これからも自分自身の勉強の足りなさを自覚しつつ知識を増やす努力を怠らず、所期の目的を果たしたいと願っています。


2014年10月30日 目病み女に風邪ひき男

 美しい女性を喩えて、「明眸皓歯」「傾城」などと学んだのは中国の歴史本からだったと思います。「夜目、遠目、傘の内」の喩えは、過日富山県の風の盆を見に行った時に実感しました。「秘すれば花」という世阿弥の言葉がありますが、美人というものは男が想像を働かせた時がより美しく感じるものなのです。小林秀雄風に言うと、美人の美しさというものはなく、美しい女性は世に多いということになるのでしょうか。

 図らずも、また秋の風邪を引いてしまいました。週末にまとめてテニスの試合をしたことが体力の消耗を招いたようです。病院で点滴を打ち、薬をまじめに飲んでいるのですが、なかなか治らないのはきっと歳のせいです。それにしても、昨今の朝晩の冷え込みは厳しく、日中の寒暖差の激しさには驚かされます。先日高速道路のサービスエリアで、紅葉を始めた楓の葉っぱを数枚拾ってきましたが、秋は確実に深まりつつあります。
 ところで風邪で思い出したのは、「目病み女に風邪ひき男」です。これは眼病にかかっている女性は目が潤んで見えて奇麗だし、風邪を引いている男は声が低くなって男らしいと意味ですが、私の場合は単なる顔色の悪いオジさんという点がつらいところです。ついでに、「東男に京女」という言葉も思い出しました。古今東西、男女についての表現は多種多様にあるものだと改めて感心させられます。


2014年10月20日 奄美大島のハブ

 鹿児島の南に連なる南西諸島では、屋久島や種子島、沖縄本島、石垣島、そしてその先の西表島、竹富島、小浜島には足を運んだことがありましたが、奄美大島は積年の夢が叶っての初めての旅となりました。沖縄が未だ日本に返還される前、中学2年生の時に沖縄に行った時は、生まれて初めてパスポートを作り、円をドルに交換して行ったぐらいですから、沖縄については他の人よりは多少は年季が入っていると言えそうです。その際は、那覇に着くまでの船中での激しい船酔い、沖縄の至る所に翻る星条旗が今でも記憶に鮮明に残っています。
 今回は、一週間前の台風の惨禍を心配しながら奄美大島に赴いたのですが、台風慣れしている島だけに意外と大丈夫ではないかという予想が的中しました。少なくとも名瀬近辺では、素人目には台風の傷跡は見る事も感じることもできませんでした。
 旅行前に楽しみにしていたのは、日本画家・田中一村の美術館であり、大島紬など奄美大島ならではの文化に接することでした。結論から言えば、これらの文化体験には大いに満足、郷土料理と黒糖焼酎はいささか期待はずれ、ただし、名物の鶏飯は美味しく、総合点は80点といったところです。

 そして心配したのがハブの存在です。ハブに咬まれたならば猛毒で死ぬかもしれない、血清はどこで手に入るのかと切りのない不安に苛まれたのです。もっともこれも杞憂に終わったのですから笑止千万です。離島の際には、ハブの一匹も見れなかったを残念に思っつたぐらいですから、人間は喉元過ぎれば熱さ忘れる、というのは本当だと思います。
 現地で聞いたところのよれば、ハブの活動期は10月から翌年の6月頃、冬眠はせずに卵は20個ほど生むということです。駆除するためのハブ一匹の値段は3000円ですが、ハブが怖い私としてはそれが高いのか安いのか分かりません。しかし、無事に帰還できたことで、ハブ a  Nice Day の旅となったのでした。
 写真は、現地の黒糖を作っている工場の様子です。


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