芭蕉林通信(ブログ)

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2015年03月23日 熊本大学法科大学院の思い出

 先日、国立大学法人熊本大学は、法科大学院の学生募集を中止すると発表しました。その理由は、毎年入学希望者が減っていること、司法試験合格率が12%台と全国平均に比べても非常に低いことなどが述べられています。
 そこで思い出すのが、約13年前、熊本大学が法科大学院を新設するに当たって、シンポジウムを開催するので、経済界の人間として参加し意見を述べてほしいとの要請があったことです。参加した私は、大学や民間法曹界など法律関係者ばかり大勢が集まっている場で、私見を述べる羽目に陥ったのです。私は経済界代表として参加している以上は、それらしきことを言わねばならないと思い以下の要旨で持論を展開したのです。
 「熊本大学が法科大学院を設置したいという気持ちは理解できる。しかし、あえて地元の人間として優先順位を言わせてもらえば、必要な学部・学科は、経済と農学関係ではないか。これらは、九州大学にあって熊本大学にないものである。また、経済発展と農林水産業の振興を図る熊本県においては、熊本大学には理論武装と担い手作りを期待したい。そうすれば、大学と地元の接点が増え、距離感が近づくと思う。」
 

 シンポジウムの意義はともかくとして、その後に法科大学院がスタートし、そして今日終焉を迎えることになり役目を終えたのは事実です。だからと言って、13年前に熊本大学が法科大学院を作る必要がなかったとは言いません。なぜならば、企業経営をしているとしばしば事業の選択と集中に失敗するからです。要は失敗したならば、そこから何を学ぶか、学んだ上でいかに新たなスタートを切るかが大事なことだと思います。
 それにしても、あの時熊本大学がせめて経営学科でも作ってくれていたら、今日、熊本大学のイメージは随分と変わったいたに違いないと思い、少し残念な気がしています。
 


2015年03月16日 メルケル首相目撃記

 先日、ドイツのメルケル首相が7年ぶりに来日しましたが、今回は日独間の関係修復のための来日とのことでした。昔の日独伊枢軸同盟は悪夢ですが、これからは平和な未来がくるよう、また双方で経済発展ができるよう、両国の関係を一層緊密してもらいたいものです。
 ということを殊勝にも考えていましたら、かつてドイツのベルリンで、メルケル首相に遭遇したことを思い出しました。ベルガモン美術館(だったか?)に行こうとして観光バスがその近くに止まった時のことです。突然、近くの私邸から出てくるメルケル首相を見付け、ワサモン(熊本でいう新しいモノ好きな人)な私たちは慌ててバスを降り手を振ったのです。気さくなメルケル首相は、こちらを振り向き手を振って応えてくれました。その時、年配の婦人である日本人ガイドさんが、自分は35年間もベルリンに住んでいて一度もメルケル首相には会ったことがないのに、皆さん方はたった一日の滞在中にメルケル首相に会えるとはなんてついていることでしょうと嘆息したものです。

 もう一つの元首との遭遇は、ややパパラッチの感があったと言えましょう。それは、ブラジル移民100周年の行事のために、熊本から300人ほどの人数で南米に行った時のことです。
 ブラジルでの主要行事が無事に終わった後、最後に訪問したのはペルーの首都リマでした。そのリマのホテルで朝エレベーターに乗ろうとした時のことです。何と、全てのエレベータが使用中止になっているではありませんか。一瞬故障かと思いましたが、咄嗟に窓からホテルの入り口を眺めると物々しい警察官の姿と人だかり。これは何かあると思い、カメラ片手に急いで非常階段を駆け下りたのです。
 ところがその直後に、スペイン国王のファン・カルロス1世夫妻が現れたのにはビックリしました。そして、私にとっては、貴重なパパラッチ体験ができたという訳です。
 かくして、メルケル首相とファン・カルロス1世の生写真を撮れはしましたが、けっしてベストショットとは到底言えないのは、私が優秀なパパラッチにはなりえないことを教えてくれています。
 それにしても、ベルリンとリマの短い滞在期間中に、よくぞこうした大物に会えたものと、今でも忘れられない経験となっています。


2015年03月09日 商品開発とテロワール

 「ロスチャイルド家と最高のワイン」という本は、購入したものの1年以上は書斎に放置していた本です。何とはなしに本棚から手に取り読み始めたのは、ワインへの興味というより、あまりにも著名はロスチャイルド家を急に知りたくなったからでした。ワインで言えば本が熟成したおかげで、大変に面白く一気に読み上げました。機が熟すということは読書にもあるのです。
 さて、ロスチャイルド家がヨーロッパ中に金融ネットワークを築き、ユダヤ人というハンディを背負いながらも巨大な金融資本となった経緯は、実に壮大かつドラマチックなものでした。また、一族の中からは、イスラエル建国に物心両面で多大な貢献した人物も出たという事実も興味深く、ユダヤ民族のアイデンティティの強さに感心させられました。
 そうした理解の副産物として得たのが、ロスチャイルド家のワイン生産に対する情熱とフランスにおけるワイン事情です。特に、ワインに関する入門書としては、私にとっては最良の本であり、ワインがフランスにとっては、歴史や文化という概念を越えた、国の宝とでもいうべき存在であることに驚いたりしました。

 私が入門書として学んだ重要な言葉がテロワールです。ワインはぶどうから作られますが、このぶどうを生産するにはテロワール、即ち地理、地勢、土壌、気候など風土が適していなければならないのです。もちろん、素晴らしいぶどうができた後も、最高のワインにするためには知識、技術、情熱、運が必要なのは当然です。
 このテロワールを我が社の商品開発の哲学にできないかと今、試行錯誤を始めています。つまり、ある商品を開発するには、まず原材料の産地、生産者、歴史、文化、気候、風土、技術などそれら全てを網羅し、融合させて、他にはないオリジナルな商品を作ろうという行動です。
 その一環として、先日は、有明海の海苔漁を見るため、海苔漁師の船に乗せていただきました。有明海に林立する棒が、河口から流れ込む淡水防御棒であること、海苔漁は11月から翌年の2月までなどなど現場に行かないと教えてもらえないことを沢山知ることができました。
 この経験を新製品のテロワールにして、地元発の新たな製品作りに情熱を燃やしているところです。


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