2015年01月21日 道を尋ねられたこと
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会社に着き会社の横にある駐車場に車を停めた時、一人の女性が手押し車を押しながら寄ってきたことがあります。何か話したそうな素振りでしたので、慌てて運転席の窓ガラスを上げて話を聞きました。どうやら、何年ぶりかに実家のある地区まで行きたくなり延々と歩いて来たのはいいが、道に迷ったのでここから先の行き方を教えてくれと言うのです。
私にとっては全く知らない地区であり、地元に詳しい社員に助けを借りることにしました。しかし、婦人の話は辻褄が合わず、何やら徘徊している様でもあるのです。そこで、疲れているその婦人を会社に連れて来て休んでもらいました。その間聞き出した婦人の住まいや行きつけの病院に連絡を取り、ご家族に無事に迎えて来てもらった時には心底ほっとしました。
最近徘徊という言葉をよく聞くようになりましたが、実際にそういう場面に遭遇し、その対応を迫られたことは初めてだっただけに印象深い出来事となりました。そして感じたのは、老人を守るのはユニバーサル・デザインなどハード面だけではなく、老人と共存している私たち一人一人の応接というソフト面がさらに重要であるということです。
私自身は実母とは毎週食事をするよう心がけていますが、実母と接する度に実母は自分の未来だと思うようにしています。今来ている高齢者社会は、まさに自分の問題そのものだと思うのです。
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2015年01月13日 初夢で安倍総理と麻雀
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初夢で縁起がいいのは一富士二鷹三茄子ですが、あろうことか、今年は安倍総理と麻雀をする夢を見てしまいました。マージャン牌が得体の知れないガラクタなのは夢らしい荒唐無稽さそのものです。変な物を場に出しながら、安倍総理に当たらないように悩んでいる時に目が覚め、思わず苦笑してしまいました。
フロイトの夢診断ではありませんが、きっとアベノミクスが気になって安倍総理の夢を見たのだと思います。何しろ、地方はアベノミクスが引き起こした急激な円安によって、仕入れコストが上昇している割には、価格転嫁が進まないという状況ですから、雇用や待遇面を改善できないのが現状です。
正月のクイズ番組で、効果がじわじわと波及していくことを「トリクルダウン」と言っていたのは初耳で興味を覚えました。そのトリクルダウンの波及速度が遅いのが気になるところです。佐賀県知事選では自民党推薦の候補が落選しましたが、中央にいては、地方の被っている痛みが実感されていないということの結果なのでしょう。
さて、今日の写真は熊本県北に点在する装飾古墳の中でも、ユニークで愛らしい装飾で知られている「チブサン古墳」の内部です。世界的建築家である安藤忠雄さんが設計した「装飾古墳館」と供に、その周辺に点在する古墳群がもっと多くの人に知られてほしいと願っています。
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2014年12月30日 新年のご挨拶
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明けましておめでとうございます。いよいよ新年を迎えることとなり、身も心も新たにしてスタートをしたいと切に願っています。
こういう時に思い出すのは、
年々歳々花相似たり
歳々年々人同じからず
という言葉です。季節は必ず巡ってきますが、去る人、来る人、人だけは歳を重ねながら変わっていくのですね。
年末は例年になく大掃除に時間をかけたおかげで、会社の部屋や自宅の小さい書斎を随分と整理することができました。ただ、空間に対して絶対量が多ければ如何ともし難い訳ですので、やはり先ずは捨てることから始めなければなりませんでした。物に接していると、どうしてこんな物を買ったのだろうかと反省するばかりですが、これは目が肥えて来る過程でのことですから避け難いことだったと自ら慰めています。
京都の老舗旅館に俵屋がありますが、最近出版された「俵屋相伝」を読んでみますと、季節ごとの室内の装飾の素晴らしさに息を飲みました。老舗の伝統とオーナーである佐藤年さんの感性が見事に調和しているのですが、この本を見る限り、物にはそれ本来の出番があるということが分かってきます。
本年は公私ともに「省く」をキーワードにしてみたいと思っています。
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