芭蕉林通信(ブログ)

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2025年04月14日 汝自身を知れ

 古代ギリシャにあったというデルフォイの神殿の遺跡には未だ行ったことはないが、かれこれ30年ほど前のこと、デルフォイの神殿を模したテーマ型レストランを開店したいと夢想したことがある。適当な場所が見つからず断念したが、その後に開店したのが写真のビアレストラン「五山」だった。本題からそれるので詳細は省くが、デルフォイのアポロン神殿に刻まれている格言の一つがかの有名な「汝自身を知れ」である。

 自分の顔を自分では見ることはできない、鏡に映った顔も左右が逆だという話があるが、姿形にしても立ち居振る舞いにしても、自分を自分で知ることは難しい。日頃はそのことに気づかずに、自分なりに良かれと思って発言したり、行動したりしているに過ぎない。もっともそのことに自分で気づけば恥ずかしくなってかえって緊張するだけだ。だからかも知れないが、私の場合は映像に映った自分自身を見ることは耐えられない。

 その点面白いのはスポーツする時に、自分のプレイ振りを動画で撮ってそれを自ら見ることだ。頭で描いてプレイしている姿と動画の中の現実の違いに驚かされる。そして改善点が手に取るように分かるのである。そういえば、大谷翔平選手はいつも自分のデータを確認しながら技術の向上を目指している。よって凡人の私も、恥ずかしがらずにもっと自分自身と対峙しなければならないと思う。

2025年04月07日 美女をはべらして宴会を

 つい社内で「美女を侍らして宴会を」とつぶやいたら、人材開発担当部長からすぐに注意が来た。完璧にハラスメント違反だそうである。自分ながら妥当な物言いとは思っていないのでふざけたつもりだったのだが、口に出した以上はアウトなのだろう。昨今のセクハラ事件で明らかにされたのは、性別・年齢・容姿を基準にしてはダメだということだ。

 そこでくだんの部長にそのような時にはどのように言えば良いか尋ねた。答えは「女子社員と意見交換会をする」だった。不埒なことを承知で言えば、楽しみにした飲み会が超実務的な会合に衣更えした気分になった。団塊の世代の終わりごろに生まれた身には味気ない世の中になったと嘆くばかりだが、これが時代の流れというものだろう。

 その点、自然はそのままで自分に対峙してくれる。おもねることも批判することもない。自然は「自ずから然り」なのだ。ということもあり休日は自宅の庭仕事をすることが多い。この日曜日は石庭の砂の波紋を念入りに引き直した。さらに長さ1cmに満たない雑草を根から数多く掘り起こして抜いた。その時ふと見上げて気づいたのが、石斛(せっこく)の白い花だ。水やりはしていたが、もうだめかと諦めかけていた石斛に可憐な花が咲いていたのには驚き感激した。あるがままにそして自然のサイクルの中に身を置き、これからも心身ともに健康に過ごしていきたい。

2025年03月31日 世界のジョーク蒐集

 開高健の対談集で世界のジョークを扱ったものがある。それを読みながら、これまで見知っているジョークを自分なりに整理しようと思いついた。そして最近では、挨拶や会議の冒頭はジョークで笑いを取ることから始めるようにしている。

 一言にジョークといってもなかにはきわどいものも多くあるので、相手や場所を選んで話さなければならない。その点結構神経を使う。セクハラ、パワハラ、カスハラなど騒がれる時代なので、慎重を期すのは当然のこととも言える。ただジョークは一種の話術でもあるので、場数をこなさいと上手にならないという特徴もある。従って果敢に挑戦する羽目に陥る。

 これは実際体験した話である。夏の食べ物といえばソーメン。ソーメンといえば全国的な銘柄の揖保乃糸がある。かれこれ20年ほど前、揖保乃糸の工場見学に行った。熊本空港から伊丹空港に着き、会社からの迎えの車の乗り工場を目指した。車が兵庫県揖保郡にさしかかった頃、ふと道路わきの安全運転のスローガンが目に入った。それは「ゆっくり走ろう 揖保路」とあった。ユックリハシロウ・イボヂと読んだときに、思わず尻がむずがゆくなった。(お口直しに熊本城長塀前の桜をどうぞ)

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