芭蕉林通信(ブログ)

HOME > 芭蕉林通信(ブログ)

22件〜24件 (全 675件)   <前の3件     ・・・   4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12  ・・・   >次の3件

2023年09月26日 通潤橋の思い出

 本日、山都町にある通潤橋が熊本県内2番目の国宝に指定され嬉しい限りだ。私の会社が創業140年を迎えた時に記念して作った写真集が「Ishibashi」。熊本県内には、幕末から明治にかけて作られた数多くの石橋が残されている。

 子供が小学生低学年の頃、当時の矢部町に通潤橋を見に連れて行ったことがある。ちょうど八朔祭りの頃で、大きな作り物が数体展示されていた。息子にせがまれて屋台でイカ焼を買ってあげた。すると息子は喜びはしゃいだ挙句に、イカ一匹をすぐに地面に落とした。怒り心頭に達した私は、逆に家人から大人気ないと当然の指導を受けた。私もまだその頃若かった。

 それから十数年後のこと、野菜工場の立地を求めて矢部町長と面会した。結果は地元の拒絶反応だった。農村社会の持つよそ者や企業への警戒心の強さは想定以上だった。そうした町も周辺地域と合併して山都町に変わった。国宝通潤橋を抱えて観光振興に期待する山都町は、開かれた町に変わって行けるだろうか。今はこの町を祝福しつつ暖かく見守りたい気分である。

2023年09月19日 庭いじり

 現在の家に住み始めて23年になる。設計家は実家が木材を扱っていたらしくやたら樹木に詳しかった。庭の植栽計画も彼が作ってくれた。しかし23年が経つと、枯れたり大きくなったりした草木が混在し雑然な庭になってしまった。

 そうした中、一人の庭師にひょんなと所で出会った。こうして書いていると能面士A先生ともひょんな所で出会ったことを思い出した。気心の知れる人との出会いは大概は偶然によるものらしい。さて話を戻すと、その庭師は春の植木市に苔庭を作庭して出展していたのである。わびさびを感じさせる庭に心惹かれて声をかけると、真っ黒に日焼けした男は意外と若い青年だった。そしてその青年に庭の改造を依頼したのである。

 依頼してみて、庭師が興味深い提案と完成度の高い庭を造ることに驚いた。かくして狭い庭にはこけら葺きの待合ができ、水盤や灯篭が出現し面目を一新した。主庭の改造が控えているので、しばらくは彼の作庭が見られることがうれしい。

2023年09月14日 ナショナル・トラスト運動

 (財)阿蘇グリーンストックとの関係は全国のリゾート開発が叫ばれていた約30年前に遡る。当時の財団は阿蘇の外輪山の一角にモンゴルのパオを設置し、馬を飼い来訪者に乗馬体験をさせながら阿蘇の原野や草原を守ろうという目的でスタートした。私もいつの間にかその運動に巻き込まれていくうちに、イギリスで盛んなナショナル・トラスト運動のことを知った。

 そして2010年8月に念願が叶い、その運動の聖地であるイギリスの湖水地帯を熊本の企業経営者仲間15人ほどと一緒に訪れたのである。運動の中心人物であるビアトリクス・ポター(絵本ピーターラビットの生みの親)の家ヒルトップ農場も往年の姿のまま大事に保存されていた。

 今阿蘇は世界農業遺産として認知され、地元自治体はもとより財団やそれを支える多くのボランティアからサポートされている。まさにイギリスで学んだ自然や生活文化、そして素晴らしい景観を守ろうとする運動がこの阿蘇の地で芽生えつつあることに感動している。私も今までささやかな支援をしてきたが、これからは周辺の仲間を巻き込んで草原を守る活動にさらに積極的に参加したいと夢見ている。(写真は私の会社で作った赤牛カレー・私の下手な絵付き)

22件〜24件 (全 675件)   <前の3件     ・・・   4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12  ・・・   >次の3件