芭蕉林通信(ブログ)

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2024年05月21日 はんこ屋?!

 会社を現場で支えてくれる社員と話す機会が欲しいということで、先週はシステム開発のメンバー8人と懇親会を開いた。隣に座ったのはほとんど初対面のTさん。入社3〜4年目でEOS(電子受発注システム)を担当している女性社員だ。気の利く上司が、Tさんの実家ははんこ屋だと教えてくれた。そこで俄然会話がはずんだ。

 「はんこ屋というと二度ほどテレビ番組があったよね。難しい苗字のはんこがあるかどうか、苗字研究家と福岡のはんこ屋さんが競う番組は面白かったね。」と私が話を膨らませていく。Tさんの実家は熊本市東部にあるらしく、「私は新町に住みたいです」などと私が生まれ育った新町の話をしてくれた。そして、「年末には会社の皆さんにキントンを配りました。」と。

 はて、キントンとは孫悟空が乗っていた雲のことか、はたまたはんこにキントンという特殊な文字があるのか忽然と疑問が湧いてきた。ところがキントンとは栗きんとんのことであり、そこでTさんの実家ははんこ屋ではなく、あんこ屋の間違いであることが判明した。おかげで大笑いになり場は大いに盛り上がった。一方で、話の掛け違い、コミュニケーションの難しさを改めて感じる一幕ともなった。

2024年05月15日 誕生日のプレゼント

かつてドイツ旅行した時ガイドしたのはドイツ人を夫に持つ日本人女性だった。そのガイドから日本とドイツの国民性の違いを教えてもらったことは既述した。改めて紹介すれば内容は次のようなものである。飼い犬を毎日散歩させなければ動物虐待になる、窓ガラスを拭き忘れると近所から魔女が来ると叱られる、夕食はパンと冷えたソーセージという質素なもの、ご主人は寒い冬でも朝から家の窓を全開して空気を入れ替える、結婚前の男女は同棲して相性を確認するなどなどである。社会インフラとしては、日曜日にはトラックは高速道路の走行禁止、商店は閉店(当時)などと聞かされて、かくも国民性の違う国と我が国は三国同盟を結んだものよと感心した記憶がある。

 さらにクリスマスが重要な行事だそうで、ガイドさんはご主人のおばあ様のプレゼントを何にするか半年がかりで決めるとのことであった。万が一商品券のごとき物を贈ろうものならば、一族のゴッドマザーから私のことを何も考えていないと大いに叱られるため必死にプレゼントを探すそうだ。

 私事で恐縮だか先月誕生日を迎えたのは良いが、この歳になるとおめでたいというよりはがっかりする。そして何か欲しい物がないかと家族に尋ねられても困るのである。好みはうるさく欲しい物があれば自分で買う性分だから、プレゼントを選ぶ家族を困らせることになる。しかし今年は違った。私の描いた絵を印刷したトートバックとTシャツのプレゼンントは本当に嬉しかった。まるでドイツのゴッドマザーのように。(ちなみに、このサービスはユニクロで)

2024年04月30日 季節のあしらい

 私が産まれ今なお本籍地としている新町周辺は現在マンションの建設ラッシュである。熊本中心街まで歩いて20分、市電やバスに乗れば10分もかからない立地ゆえに便利この上ないと言うことなのだろう。私が東京に住んでいる時には、地方に住むメリットは土地付きの持ち家が持てることと考えた時期があるから時代は変わり価値観も変わったということかも知れない。

 ただマンションの特徴として和室や床の間がない場合が多い。谷崎潤一郎が著書で指摘した日本的美意識「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」であるためには、住居には縁側や障子、床の間などが備わって欲しいところだ。しかし残念なことに床の間のない家が増えた結果、掛け軸などの需要が激減しているらしい。

 とはいえ私にとって床の間は季節を演出するには必要不可欠なものだ。茶道では季節ごとに茶道具の組み合わせを変えるが、私の場合は自由気ままに床の間を飾り季節の移り変わりを楽しんでいる。今は5月の節句に合わせて、能面の「平太」と古い刀掛けをあしらっている。「平太」とは平安時代の源氏の勇ましい武士の面(おもて)であり、男の孫二人の成長を願う気持ちを込めたつもりである。さて次は何をあしらうとしようか。

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