2018年12月03日 旅での愁い
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老夫婦はご主人の闘病生活を経ての久しぶりの旅行だった。奥様は闘病中の老老介護の苦労を語られた。しかし、ご主人は今では毎日畑仕事に精をだし頭も身体もお元気だ。高校の同級生二人はウマが合っているのが傍目にも分かる。共に配偶者を亡くしたという点で戦友の趣がある。 そのうちのお一人は耳鼻咽喉科の先生だが、今は引退し息子さんが後を引き継いでおられる。奥様が白血病で余命わずかと診断された時に、夫婦一緒に思い出作りの旅行を繰り返したそうだ。その時の心境を想像すると胸が痛んできた。つまり4人の方々に自分達の未来を見る心地がしたのである。歳をとるということは美しくもありまた残酷なことなのだろう。 |
2018年11月19日 頭の体操
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とはいえ、仕事の現役中であればまだ惚けるわけにはいかない。衰えつつある記憶力と判断力を一定以上に維持する必要がある。かつては百人一首を丸暗記することに挑戦した。今は読書を除けば、クロスワードで頭の体操をしている。 新聞の日曜版に掲載されるクロスワードを解くことが習慣化している。結構難しい問題が多いが、タテ・ヨコの升目を埋めて行くうちに、突然正解を思いついた時は嬉しいものだ。先日は、「◯◯の教えと冷や酒は後で効く」という問題があり、亡き両親を思い出して少し心がジンとした。 |
2018年11月13日 二人の歌手生命を分けたもの
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最近封切りした映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観た。英国のロックバンド・クイーンの活躍を映画化したものだが、リードボーカルのフレディが主役である。彼は上顎の歯の数が他人より多く、いわゆる出っ歯だった。しかし声が変わるからとして絶対に歯列矯正しなかった。 藤圭子とフレディの選択の違いが歌手生命を左右した。声の質が感動を与えるか否かはかくも微妙なのであろうか。それにしても藤圭子は62歳で自裁し、フレディ(自分を歌手とは言わず、パフォーマーと称した)は45歳でエイズで死去した。天寿をまっとうしなかったという点では、二人は不思議と相似しているのである。 |