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2018年08月28日 箸をおいてマインドフルネス
最近身体のがたつきを自覚するようになり一層健康が気になり出した。同年輩で鬼籍に入る例も散見され、これまた他人事ではない。とはいえ、デスクワークばかりでは運動する機会は少なく体重コントロールが難しい。 かくしてテニスやゴルフに汗を流す一方でジム通いに励むことになるが、かえってお腹がすき食べたり飲んだりするから始末が悪い。今はやりのライザップという手もあるが入会金が高いし時間が拘束されそうだ。 周りの人のダイエット成功事例を参考にしても、自分に合う方法にたどり着くには時間がかかる。そうした時ふと、食事中に箸を置くという昔の教えを思い出した。食べ物を咀嚼している時に、一度箸を置くと自然と口の中のものを多く噛むようになる。食べ物の味をより深く感じることができる。食事中にテレビを消し新聞も読まなければ、さらにマインドフルネス(心の満足感)が高まる。では毎回実行しているかと問われればYESとは言い難いが、胃を小さくしたいと思った時にはこの方法は大いに有効なのである。
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今年もまた終戦日を迎えた。痛ましい原爆の投下があった末に日本が敗戦した日だ。私が社会人としてのスタートした広島では、原爆忌の8月6日は街全体が鎮魂の重苦しい雰囲気の中にあった。原爆ドームの横を流れる大田川ではマイクから読経が流れ、原爆で亡くなった親や親族の名前を記した灯籠が川を覆い尽くした。会社の同僚に何気なく灯籠流しは広島の夏の風物詩だねと言ってひどく叱られたが、私の不明ぶり極まれりだったと反省するばかりである。 海軍中尉であった父にとっても終戦日は特別であった。戦時中は戦争の前線で活躍する軍人として尊敬されたが、終戦により戦争犯罪人の如く見られたのだ。世論は風のように実体がつかめず、しかも風向きはしばしば変わる。世論に上げたり下げたりされぬように用心しなければならないと時々思う。 その父について私が詠ったのが、「特攻の二十歳の父の終戦日」である。今週の句会に投句して、幸い複数の句友から選句してもらえた。そう父は戦争末期には千歳空港で特攻隊の隊長をしていた。そして終戦、帰郷した時は二十歳の若さであった。何と言う早熟。国家総動員令の元で若い命を無駄に死なせた政府あるいは国家が犯した罪は果てしなく大きい。
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未だに忘れられない客室乗務員がいる。ブラジル移民100周年行事のため熊本県の訪問団の一員としてブラジルを訪問した時のことである。日本を立ったデルタ航空の飛行機は中継地であるアメリカに向かっていた。アトランタは東海岸寄りにあるので10時間を超える長旅である。その間一人のアメリカ人客室乗務員が我々を担当してくれた。年齢は50歳前後、細身で浅黒い肌を持つ理知的な女性だった。 彼女の話し方はささやくようであり、立ち振る舞いは流れるようであった。そして痒い所に手が届かかんばかりに気を使ってくれた。機中皆が寝静まっている時にふと見ると、彼女は席に腰を降ろして本を読んでいる。その横顔は静寂そのものであり、読書に没頭していることが分かった。 その時の彼女の動きは日本の茶道に似ていると感じた。無駄口はたたかず洗練された所作でおもてなしをする。その動きは侘び寂びに通じるものがあった。そして、典雅な所作とは日本の専売特許ではなく、例えば教会で聖職者がミサを行うことと似て、世界でもまた賞賛されるべきものだと思ったのである。
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