芭蕉林通信(ブログ)

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2024年10月24日 大作3連続

 今年の夏から秋にかけて三つの大作に挑戦した。まずは前から読んでみたいと思っていたガブリエル・ガルシア=マルケスの長編小説「百年の孤独」である。久々の長編小説に味を占めて次に読んだのが、買ったまま2年間放置していたフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルドの「夜はやさし」である。前者はある一家の百年に亘るフャミリー・ストーリーのごときもの、後者は精神疾患のある富豪の超美人妻と精神科医の絢爛豪華な物語と思いきや悲劇的な結末を持つ小説であった。(著者名が長いゆえに長編小説がかけるのかなあ?)

 そこで三つ目の長編小説と思いたいところであるが、ここで閑話休題。次なる挑戦がブロック玩具レゴによるタイタニック号の制作である。結論から言えば、制作日数は9日間。述べ30時間を費やした。レゴは過去30体ほどの大作を作った経験があると自負していたが、このタイタニック号は複雑かつ半端ない大きさで、完成した際はかつて経験したことのない達成感と極度の疲労を感じたのだった。

 完成した船の全長は約1m50cm。船の内部に機関室や部屋などをレゴブロックで約10層程度組み立てていくので相当てこずった。集中力と根気が試されているようでひたすらタイタニック号と葛藤した9日間が過ぎ、今や作品を見る人に驚きと感動を与えることでのみで疲労した神経が癒されているのである。  

2024年10月21日 老舗料亭の灯

 まずは料亭とは何かということから始めなければならない。広辞苑には、「日本料理を出す、高級な店」とあるが、私としてはそれに加えて、「歴史と伝統それに一定の格式」がある店と言いたい。地元には熊本地震前には3軒の料亭があった。すざき、新茶家、田吾作である。すざきは早めに店をたたみ、新茶屋は地震の被害が大きく廃業に至った。新茶家は西南の役の際に、乃木将軍が官軍の連隊長時代に宿舎を置いていた場所で、ここから出陣して天皇から下賜された連隊旗を薩摩軍に奪われたなどの話が残っていた。

 九州全体で訪れたことのある老舗料亭はきわめて少ない。鹿児島、宮崎、大分、佐賀ではなく、長崎の坂本龍馬の刀傷があることで知られる花月は、オーナーではなく地元有志の後援で運営されていると聞いた。博多には老松と三光園という料亭があったが、後者は残念ながら数年前に閉鎖した。つまり、私の知っている老舗料亭は九州では老松と田吾作しかないのである。

 そして今日の接待文化の変遷により老舗料亭の灯を守ることが年々難しくなっている。そもそも官々接待の場として賑わった料亭は、若い人には堅苦しさ、料金の高さなどで敬遠され始めているようだ。料亭文化の灯を守ろうという運動を提唱してことのある身としては、この貴重な文化遺産をなんとかして守りたいと気を病んでいる昨今である。(その点舞妓はんのいる京都は別格でうらやましい)

2024年10月08日 宗教的な話

 我が家は浄土宗のお寺に墓がある。強いて言えば私が選んだ訳ではなく、亡父が建立したご先祖様が眠る墓なので、長男として自然に墓を守っているだけとも言える。かといって一片の文句もなく、浄土宗の開祖である法然上人を心から尊敬しているのも事実である。

 日本古来の神道が大陸から渡来した仏教を受け入れ、本地垂迹説という日本独特の宗教思想を発明したように、日本人の思想の受容力は幅広い。なにしろ八百万の神がおわす国柄なのだから。従ってというのもおこがましいが、我が家には先祖の位牌を祀る仏壇を始め、神像、仏像、聖母子像、ヒンズー教の神像など多くの宗教にまつわる像が安置されている。人間を救うという一点ではどの宗教も共通しているはずだと思っているせいかも知れない。

 今日はその中でもエジプトのカイロで買ってきたイスラム教に因むものを紹介したい。イスラム教では偶像崇拝を禁止しているので、これはコーランの一節をカリグラフィー(装飾的な文字)で現したものである。紙ではなくパピルスの書かれた文字は「アラーは偉大なり」と聞いたが、読めないので売ったエジプト人を信ずるほかはない。ただ神々しいまでに装飾されたコーランの一節は美しく、礼拝するだけの価値を持っているように感じるのである。

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