芭蕉林通信(ブログ)

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2025年05月13日 奪い合えば足りず譲り合えば余る

 イスラエルの歴史学者ハラリ氏の著書「サピエンス全史」は大部かつ内容が濃く、読了するのにそれなりの時間を要した。それにしても彼の博識ぶりには恐れ入る。しかし彼が自国のパレスチナ侵攻をどのように見ているか聞きたい気もする。そして、私にとって彼はかつて「第三の波」を著した米国の未来学者アルビン・トフラーを彷彿とさせる。

 ハラリ氏の新著「NEXUS 情報の人類史 上・下」が刊行されたが、読むには覚悟がいるのでいまだ本屋で立ち読みするだけだ。そのハラリ氏が朝刊にトランプ大統領の政策について論評しており大いに参考になった。

 トランプ大統領はゼロサムの価値観を持っており、アメリカを要塞国家に造り上げようとしている。彼にとって平和とは「弱者が強者に従う」ことと言うのだから勇ましいというか恐ろしい。これだとウクライナや台湾、ひいては日本も弱者の立場に追いやられる可能性が出てくる。彼にとってはウィン・ウィン関係など考えにはなく、これまでアメリカが一方的に世界から食い物になったという理屈なのだからややこしい。そんな時こそ、「奪い合えば足らず、譲り合えば余る」という東洋思想が大切だと思うのだがやはり無理筋か。(ゼロサムの社会とは限られたパイの奪い合い、競争的・対立的な構造、共存が難しいとの考えーChatGPTから)

2025年05月02日 極限状態から得たもの

 1950年生まれだから「戦争を知らない子供」として過ごしてきた。従って亡父のように18歳で海軍軍人になり、若くして理不尽な戦争に駆り出され生死を共にしたという経験はない。私の場合、極限状態と言っても平和時でのことである。しかしそれでもパワ・ハラなどと非難されることのない時代のことではある。

 銀行の産業調査部という部署で働いていた時、急遽上司が東京都庁で講演することになった。都の財政逼迫を受けて、改善策を示す講演資料を短期間で作るよう命じられた。その結果、締め切りに間に合わせるために二日間徹夜作業を強いられた。社宅に戻り資料作成をしていると、妻と幼子が寝ている姿に引き込まれそうな気分になったことを今でも思い出す。

 その経験のおかげか半世紀近くたった今でも、好きな時間に寝られることに無上の幸せを感じている。ただ眠れるだけでありがたいのである。今朝の新聞には、日本人の幸福感は世界的にみても低いというハーバード大学の調査結果が掲載されていた。もし極限状態を知った日本人の多く回答したならば、幸福感を感じる人の割合はもっと増えただろうと思う。(九州国立博物館のはにわ展には国宝の武人像が)  

2025年04月28日 ミサゴの目・蟻の目

 先週のこと、何気なく窓から井芹川の向こう岸を眺めていたら、一匹の中型の鳥が来てアンテナにとまっているではないか。初めて見る鳥なので急いで野鳥図鑑で調べたら、ミサゴという鷹の一種だと分かった。ミサゴは別名川の狩人と呼ばれるので、井芹川で狩りをしようと飛来したのだろう。そしていつの間にか飛び去った。

 最近はNHKのBS時代劇「あきない世傳(せいでん) 金と銀2」を楽しみに観ている。主人公幸(さち)を演じるのは、大河ドラマ「べらぼう」で吉原の花魁・瀬川を演じた女優小芝風花。今をときめく美人女優が苦難を乗り切る話だけに、観る方としても幸に肩入れしたくなり力が入る。

 今回は幸が江戸に店を出すにあたって、元番頭の治兵衛(舘ひろしの演技にも味がある)がアドバイスする場面があった。それは「ミサゴの目と蟻の目を持ちなされ」と言う場面だ。へえ、あのミサゴがここで出てきたかと感心した。ミサゴを先に調べていただけに、すぐさま話に入って行けて嬉しかった。治兵衛の言葉は今風に言えば、ビジネスには大局観と現場感覚が重要だと言うことだろう。商いの道にはいつも変わらない大事なことがあると改めて感じた。

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