芭蕉林通信(ブログ)

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2023年10月11日 悪夢

 ネットフリックスのオリジナルシリーズでは主にファンタジー分野の映画を観ることが多い。社会派ドラマは現実的かつ教訓的に過ぎるし、戦争映画は身につまされ観るに堪えない。ホラー映画に至っては怖くて観る人の気持ちが分からないぐらいだ。とはいえファンタジー映画だとどうしても悪夢がつきものである。シリーズ「SANDMAN」は、まさに夢を司る夢の王が主人公であり、ホラー映画ではないが残酷な場面には事欠かない。ホラー映画との違いは追い詰められて殺されるか、あっさり殺されるかの違いぐらいかと勝手に解釈している。

 さてこの私も昨晩悪夢を見てしまった。私はどういう訳か熊本から大分まで歩いて九州横断している。やっとたどり着いた大分で、そこに住む弟か息子に一夜の宿を頼もうとしている。取り出したのは最新鋭の携帯電話だったが、どうしても電話の仕方が分からない。周りの人に教えてもらうがそれでも電話ができない。こうなったら自宅に電話して大分の電話番号を聞くしかないと思い、やむなく公衆電話を探す。すると古い回転式ダイヤルの公衆電話が見つかった。しかもそこには年老いた案内人がいる。案内人に教えてもらいながら、震える指でなんとかダイヤルを回し自宅を呼び出した。

 幸いにも家人が出てきたので困り果てている現状を説明していると、突然割り込み電話が入った。某同級生が「鶴屋に入っている店なんだけど・・」などと話し出すので、後ですぐに折り返し電話をするからと断り、自宅との回線に戻すともうすでに応答はない。というところで夢が覚めた。最新機器に取り囲まれている現代社会、あなたはいつまでそれに追いついてけるかと暗示された思いだ。これこそ現代の悪夢と言わずして何と言おう。

2023年10月02日 庭で見つけた小さい秋

 我が家の小さな庭にも目を凝らせば意外な発見がある。残暑の厳しい9月は西日もまた肌を焼くような強さだった。そうした中でも季節は少しづつ巡っているらしい。小さな生き物を見つけた。

 一つはアゲハ蝶の幼虫である。庭の隅にある一本の木の葉をムシャムシャ食べていた。観察しようとそのまま放置していると、いつしかサナギになった。サナギを家の中に入れて孵化の様子を見ようと思ったが、かわいそうなのでこれまた放置した。ある日アゲハ蝶は飛び立っていた。庭を飛び回るアゲハ蝶の一羽が我が家生まれかと思うと実に愛おしい。

もう一つはミノムシ。庭師がおしゃれな装いのミノムシを見つけた。確かに身につけている落ち葉の色や形が複雑で、しかもその重ね着の様子が美しい。そこでサナギの抜け殻とミノムシを共演させることにした。かくして部屋の片隅に小さな秋が出現した。

2023年09月26日 通潤橋の思い出

 本日、山都町にある通潤橋が熊本県内2番目の国宝に指定され嬉しい限りだ。私の会社が創業140年を迎えた時に記念して作った写真集が「Ishibashi」。熊本県内には、幕末から明治にかけて作られた数多くの石橋が残されている。

 子供が小学生低学年の頃、当時の矢部町に通潤橋を見に連れて行ったことがある。ちょうど八朔祭りの頃で、大きな作り物が数体展示されていた。息子にせがまれて屋台でイカ焼を買ってあげた。すると息子は喜びはしゃいだ挙句に、イカ一匹をすぐに地面に落とした。怒り心頭に達した私は、逆に家人から大人気ないと当然の指導を受けた。私もまだその頃若かった。

 それから十数年後のこと、野菜工場の立地を求めて矢部町長と面会した。結果は地元の拒絶反応だった。農村社会の持つよそ者や企業への警戒心の強さは想定以上だった。そうした町も周辺地域と合併して山都町に変わった。国宝通潤橋を抱えて観光振興に期待する山都町は、開かれた町に変わって行けるだろうか。今はこの町を祝福しつつ暖かく見守りたい気分である。

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