芭蕉林通信(ブログ)

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2022年09月06日 はらぺこあおむしと盆栽

 今まで成功したことのない盆栽の世話。新型コロナのせいで家にいる時間が増えたおかげで、やっと盆栽の世話が行き届くようになった。面白いことに毎朝、毎晩水を遣り、雑草を抜いたりしていると盆栽に愛着まで感じるようになった。日向と日陰のバランスを考えて鉢の位置を変えたりもするのである。

 そうした努力と愛情の結果、苔は青々と輝き、クチナシの三光斑には若葉が芽生えた。ある朝のこと、ふと盆栽を見るとクチナシの葉があらかたなくなっていることに気が付いた。驚いて観察すると、昨夕までは影も形も見えなかったあおむしが一匹、むしゃむしゃと若葉を食べつくしているではないか。どこから来たのか不信に思いつつも途端に腹が立った。食べたいのならば、庭には他にもたくさんの葉っぱがあるではないかと。

 さなぎになり羽化すれば美しい蝶々になるかも知れないとは思ったものの、そのあおむしをひっぺがし、厳罰に処せんと道の真ん中に投げ捨てた。その後の運命は知らないが、一時の怒りは制御不能だったと言うしかない。痛々しくなったクチナシの盆栽は、その後の世話が良かったのかまた若葉が芽吹き、姿形を整えてくれたのは幸いだった。それにしても、たかが盆栽とはいうものの命あるものを守るのは簡単ではないと思わされた。

2022年08月09日 私の宗教観

 先日は新興宗教に半日間だけ入会した話をしたが、上京したての18歳にとっては良い薬になった。それ以来、宗教に関心を強めると同時に、いい加減な宗教者がいることも知り、一歩引いて考えるようになったからである。そして50年の月日が経ち、いつの間にか身辺には多様な神様や仏様が集まっている。

 老子、孔子の本はさしずめ道教や儒教に関するもの。アフガニスタンのガンダーラ佛。アステカの戦士像。ヒンズー教の女神像。日本は八百万の神の国だから、大黒天、観音像、聖徳太子像、舎利容器、密教仏具、アイヌのトーテムなどなど。キリスト教関係では聖母子像の絵。隠れキリシタンの鈴。エジプトで買ってきたアラーは偉大なりと書かれたカリグラフィーは偶像崇拝を禁じるイスラム教のもの。さらには貝葉に書かれたチベットの経典。我ながらなんと脈絡のないことだろう。

 とは言うものの、私はこの宇宙を創った偉大なるパワーの存在を信じている。その表しかたこそが民族の違いや歴史の流れの中で姿を変えて出現しているように思えるのである。だから脈絡がないのではなく皆が繋がっている。宗教間のいさかいなどはすべきではないし、いさかいをするのは宗教の名のもとで勢力を拡大しようとしているのではないかと疑いの目を持って眺めている。

2022年08月01日 古代ローマの少子化対策

 先週の新聞記事に、韓国では合同出生率が0.8にまで落ち込み少子化が深刻な問題となっているとあった。コロナ感染拡大前に焼き肉屋で会った若い韓国人夫婦も子供は要らないと言っていたことを思い出す。中国にしても長年続けた一人っ子政策を大転換し二人目の子供を容認したもののいまさらと考える夫婦が多いようで、政府が思い描くようには出生数が増えないらしい。肝心の日本にしても少子化は続いており、さらには結婚しない、子供を産まない人も多い状況では他の先進国同様に少子化問題の先は見えない。

 個人的には少子化は国力を阻害すると考えている。ましてや他国に比べてもひとり当たり GDPが伸び悩むんでいる日本では先行き経済規模は縮小するのは間違いない。東京都の小池知事が、就任時の公約として保育園の待機児童をゼロにすると言った政策はどうなったか。日本政府の子供支援策も不十分と言わざるを得ない。結果が出ないという実績が物語っている。もっとも男女格差を容認する日本人の生活文化や生活習慣を変えなければ、抜本的な解決にはならないとも思う。

 そこでしばしば思い出すのが、古代ローマの円熟期に起こった少子化問題とその解決策である。これは、私の大好きな作家塩野七生さんのエッセイに載っていた話だ。古代ローマでは円熟期を迎えるとローマ市民は現世享楽型となり、子供を産んで育てようとはしなくなった。将来のローマ市民の減少は広大なローマ帝国を維持し難くする、との危機感を抱いたリーダーが取った施策が相続税の改革だ。子供のいない夫婦の財産の相続税を100%としたのである。稼いだ財産は自分の人生で使い切って結構、ただし残った財産は政府が全額回収するとしたのである。その効果は絶大で、ローマ市民の出生率は見る間に改善したとのことである。昔読んだ記憶のために詳細は間違っているかも知れないが、政府の大胆な政策変更で国民を誘導できる例として今でも強く記憶に残っている話である。

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