2022年02月14日 なんとんつくれん
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もう二つは、インドネシアで買った絵柄が彫刻された木製筒と地元で見つけた朝鮮時代の飴釉の壺である。前者は儀式に使う薬草入れで少し怖そうな男の顔の栓が付いている。後者はハチミツや塩などを入れた台所用品と分かった。それぞれ三つの品を手に入れたのは今から約20年前のこと、それが今日やっと正体が分かったという次第である。とはいえ、郷土の方言で言えば「なんとんつくれん」品物を身近に置いて眺めながら、改めてなんでこんな物を買ったのだろうとため息ばかりついている。 |
2022年02月03日 散歩道で
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その一つ釣耕園の庭を散策していた時、今や誰もすんでいない家屋に置き忘れられている一枚の屏風が目に入ってきた。その屏風には、かつてこの欄で紹介した大正天皇の侍従だった熊本出身の漢学者落合東郭の漢詩があり思いがけない発見に嬉しくなった。それは以下のような七言絶詩である。 |
2022年01月27日 タイガー計算機
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今では考えられないが、当時は店舗併用住宅と言い1階部分が店舗、2階部分が住居になっており、我々兄弟4人はそこで暮らし育てられていた。従って、学校が終わってからは一階にある店舗が遊び場となったが、古参の従業員にはしばしば渋い顔をされたりした。ソロバン二個を靴替わりにしてローラースケートの真似事をしたり、奥にある倉庫から店頭に品物を出すローラーに乗って遊んだりしたのだから怒られても仕方ないことを確かにしていたのである。 そうした中でも極めつけに迷惑を掛けたと忸怩たる思いでいるのがタイガー計算機事件なのである。父が大枚はたいて購入した機械式計算機は小学生の私にとっては興味津々の対象であった。ある晩、家族が寝静まったことを確認した私は事務所に降り、薄明かりの中、こっそりタイガー計算機を使い算数の宿題を解こうと試みた。最初はうまく動いた計算機もやがて止まり、壊してしまったと恐ろしくなり、そっとカバーをかけてとんずらしたのである。会社に迷惑をかけた分、今会社のために貢献しなければならないと思っている。 |