芭蕉林通信(ブログ)

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2021年07月14日 悪いムシめー!

 出入りの取引業者の一人から旅行に誘われたことがある。彼の実家が丹波篠山にある専業農家で、お父さんが松茸山を持っているので松茸狩りをしようというのである。貴重品である松茸、しかも韓国産ではなく国産のホンモノが取れるとあっては行くしかないと思い、心はずませて出発した。まだ30歳代の話だから行動力が十分にあった頃である。

 初めて行った丹波篠山では、お父さんが取らずに残していてくれた松茸を予定通りに採取して感激した。専業農家に一泊するというのも初体験だった。歓迎の夕食メニューは山盛りの松茸が入ったスキヤキだったが、その時、驚くことを目にした。スキヤキ鍋を箸でつっついていると、畳を黒い虫が這ってくる。とお父さんが節くれ立った手で虫をひょいと摘まみ上げグニュと潰したのである。

 翌朝起きてみると、庭の一隅に鍬や鎌を洗う水溜まりがあり、覗くとザリガニがいっぱいいた。童心に戻り棒切れに糸を結びご飯粒を付けて、ザリガニを3匹ほど釣り上げ金盥に入れておいた。そこに現れた友人は、私の存在を無視するかのように突如金盥を地面にぶちまけ、「悪いムシめー」と叫んで、靴底で踏み潰したのである。慌てて地面を見ると、3匹のザリガニは物の見事に完全消滅していた。農家の人に、作物を作る厳しさを身体で教えてもらった気がした。

2021年07月08日 こむら返り

 梅雨に入る頃から夜中にこむら返りが起こり激痛に襲われるようになった。とっさに足の親指を立て心臓に向けて伸ばし痛みを押さえるが、失敗すればそのままじっと痛みが去るのを待たなければならない。

 ところがその後痛みが去るどころか朝起きてもその日一日中痛みが残るようになった。そこで真剣にこむら返りの予防法を研究する羽目に陥った。まずは水分補給が大事だと思い寝る前に水を一杯。これでは問題解決せず。次に、筋肉が引きつるのが原因だと考えて寝る前にふくらはびのマッサージ。これも効果なし。

 最後に思いついたのは、ひょっとして夜中にふくらはぎが冷えたせいではないかという仮説。さっそくレッグウォーマーを履いて寝たところ、見事にこむら返りが起きなかったのである。つまらない個人的な体験であるが、仮説・実行・検証のサイクルが珍しくも成功した事例となった。それにしても、毎晩ほっとして眠れるのはありがたい。

2021年06月28日 苦手意識

 天は二物を与えずと言うが、私の場合は欠点あるいは苦手とするものが数多くある。恥ずかしがり屋で緊張しやすい、声が高めでしかも若干音痴気味、字が下手な上にギャンブルの才能は全くない、おまけに高所恐怖症。これらはいつの間にかコンプレックスとなり、これまでの人生にさまざまな影を落として来た。

 例えば、人前で話す機会が多い割にはいつになっても緊張してうまく話せない。カラオケは大の苦手で人から歌うように強要されると進退が極まる。高い声は周りの信頼を得にくくし、下手な字では手紙を書くのも一苦労。ギャンブルの才能がないので、麻雀、パチンコ、競馬、株式投資には興味が持てない。万が一試してみると必ず酷い目に遭う。

 ひょっとして名字に「亀」という字が入っているのが災いしているのかも知れない。ウサギの跳躍力がないからである。もっとも、「コツコツが勝つコツ」とうそぶいたり、「人生は死ぬまでの暇つぶし」と考えたりする昨今では、これらコンプレックスのおかげで分相応な生き方ができて来たのかも知れない。他にも欠点があるでしょうと言う声が外部から聞こえて来る気もするが全くその通り。でも、それでも何とか生きてきたのは不思議な感じがする。身近な人の寛容とサポートのおかげだろう。

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