2022年04月15日 メダカ長者
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そんな頃、たまたま会った友人の話が興味深かった。彼は有力な地元企業の重役を卒業した後は悠々自適の生活をしているのだが、趣味としてメダカを育て繁殖させている。その数は千匹を超えるとあって、会うたびにメダカをもらってくれないかと言ってくれる。しかし我が家にはすでに銀色やオレンジ、さらには茶色のメダカが合計15匹いるために断ってきた。 ところが最近彼が語るところによると、お世話になったオーナーに挨拶がてらメダカを持参すると翌日お礼の電話があり、会社の顧問として復帰を依頼されたというのである。昔の言葉で言うならば、殿様が家来に「愛(う)い奴だ」と目を細めたのであろう。世知辛い世の中、久々に良い話を聞いたとこちらまで嬉しくなった。やはり、他人様には親切にしておくに限る。 |
2022年04月01日 あれからもう6年
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とはいえ、身近なところで言えば地震から復興したところもそうでないものも混在しているのが現実である。たとえば熊本城の復興がしかり。愛して止まなかった阿蘇の垂玉温泉の滝の湯も壊滅したままだ。ここに掲げたのは、地震発生20日前の写真と地震発生後アクセス道路の整備を待って現地に行った時の写真である。前者には滝の真下にある滝の湯が見えるが、後者には滝の湯は跡形もない。我々熊本県人にとっては熊本地震の復興に留まらず、新型コロナ感染症という未曽有の体験を長い期間同時に強いられていると改めて感じた。 |
2022年03月24日 「ふるやのもり」と3現主義
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いつの頃からか雨が降るたびに天窓から水滴が滴り落ち、洗面器とタオルで急場をしのがざるを得なくなった。買ってきたビニールテープを屋上の天窓周辺に巻き付けてみたものの、素人仕事のせいかふるやのもりは容赦してくれない。そこで現場でその実態を見るしかないと思い、降りしきる雨の中屋上に行き、初めてお手盛りの修復作業の問題点を発見した。なんのことはない、巻き付けたビニールテープが中途半端で四つの隅から雨水が漏れ落ちていたのだ。 経営では3現主義が大切だと教わる。現場、現物、現象の三つだが、まさにふるやのもり事件は頭のみで解決策を考えた結果であり、3現主義の必要性を改めて感じた。雨が降る中現場である屋上に上がり、現物である天窓を実見し、雨漏りする現象を観察したことが良かった。このことを後輩に対しての生きた教材として使えないかと思っている自分が実にいじましい。 |