芭蕉林通信(ブログ)

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2021年07月29日 お世話になった大家さん

 社会人になってからは独身寮と社宅に住んだので、生涯で大家さんにお世話になったのは大学4年間だけである。上京して半年間は立川に下宿した。が、大学すぐ近くに好条件の下宿があると聞いて、入れてくれるよう頼みに行ったのが大家さん渡辺百合子さんとの出会いである。

 開口一番された質問が「どこの国の方ですか?」だった。当時はテニス部で練習に明け暮れており、真夏の太陽でこんがり肌を焼いていたから留学生と間違えられたようだった。そうとは気づかない私は「故郷(くに)は熊本です」と答え見事入室を許された。

 渡辺さんは当時70歳ぐらいで独身の娘陽子さんと二人暮らし。自宅の二階を4人が下宿できるように改装していた。大家さんのすごさは、朝晩家族と下宿人は同じ料理を一緒に食べ、かつ下宿人の洗濯を引き受け、週一回部屋の掃除までもしてくれたことである。自分の余生は、前途のある若い人の面倒を見ることと言い切っていた。卒業まで居続けたのだから情が移るのは当たり前。別れの日には、バス停まで見送りに来てくれた大家さんと涙の別れになった。その後社会人になってからも連絡は欠かさず、家族を連れて会いに行ったりもした。今日があるのは渡辺百合子さんという大家さんのおかげであることは間違いない。

2021年07月14日 悪いムシめー!

 出入りの取引業者の一人から旅行に誘われたことがある。彼の実家が丹波篠山にある専業農家で、お父さんが松茸山を持っているので松茸狩りをしようというのである。貴重品である松茸、しかも韓国産ではなく国産のホンモノが取れるとあっては行くしかないと思い、心はずませて出発した。まだ30歳代の話だから行動力が十分にあった頃である。

 初めて行った丹波篠山では、お父さんが取らずに残していてくれた松茸を予定通りに採取して感激した。専業農家に一泊するというのも初体験だった。歓迎の夕食メニューは山盛りの松茸が入ったスキヤキだったが、その時、驚くことを目にした。スキヤキ鍋を箸でつっついていると、畳を黒い虫が這ってくる。とお父さんが節くれ立った手で虫をひょいと摘まみ上げグニュと潰したのである。

 翌朝起きてみると、庭の一隅に鍬や鎌を洗う水溜まりがあり、覗くとザリガニがいっぱいいた。童心に戻り棒切れに糸を結びご飯粒を付けて、ザリガニを3匹ほど釣り上げ金盥に入れておいた。そこに現れた友人は、私の存在を無視するかのように突如金盥を地面にぶちまけ、「悪いムシめー」と叫んで、靴底で踏み潰したのである。慌てて地面を見ると、3匹のザリガニは物の見事に完全消滅していた。農家の人に、作物を作る厳しさを身体で教えてもらった気がした。

2021年07月08日 こむら返り

 梅雨に入る頃から夜中にこむら返りが起こり激痛に襲われるようになった。とっさに足の親指を立て心臓に向けて伸ばし痛みを押さえるが、失敗すればそのままじっと痛みが去るのを待たなければならない。

 ところがその後痛みが去るどころか朝起きてもその日一日中痛みが残るようになった。そこで真剣にこむら返りの予防法を研究する羽目に陥った。まずは水分補給が大事だと思い寝る前に水を一杯。これでは問題解決せず。次に、筋肉が引きつるのが原因だと考えて寝る前にふくらはびのマッサージ。これも効果なし。

 最後に思いついたのは、ひょっとして夜中にふくらはぎが冷えたせいではないかという仮説。さっそくレッグウォーマーを履いて寝たところ、見事にこむら返りが起きなかったのである。つまらない個人的な体験であるが、仮説・実行・検証のサイクルが珍しくも成功した事例となった。それにしても、毎晩ほっとして眠れるのはありがたい。

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