芭蕉林通信(ブログ)

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2019年03月26日 想いでの人々(その1 岸本日本水産元副社長)

 大学入試に合格した際父に言われたのは、大学の先輩が福岡にいるから会いに行きなさいということであった。その人とは日本水産の岸本福岡支店長(後に副社長)であった。入学前の私はどんな人か分からないままドキドキしながら会っていただいた。

 そして岸本さんから合格祝いにいただいたのが「哲学以前」と「ドラマツルギー」という2冊の哲学書である。本の見開きにはその場で、「青年の成長を見るのは人生の喜びである」と今は忘れたがある著名な人の言葉を書き込んでくれた。しかしながら、大学在学中の4年間はこの2冊の哲学書を理解しようと悪戦苦闘したのだった。

 それから13年後、東京を離れ転職するために熊本に帰る際には、日本水産本社の岸本副社長を訪ねた。執務机の前に座った私にリーダーの心構えを教えて下さったことは今でも忘れない。
「組織のトップは大局と現場を知っていなければならない。真ん中部分は中間管理職に任せれば良い。」
「トップは孤独に耐えなければならない。最終判断は誰にも相談できない。部下に話せないことは自分の胸に秘めておかねばならない。」  
何とか今日まで私の会社が生き残っているのは、こうした岸本さんの教えのおかげである。

2019年03月19日 被写体としての自分

 長年通い続けているテニススクールでは、最近自らのプレイを画面で確認できるようになった。今までさほど関心がなかったが、休憩時間に否応なく目に入ってくる。それを見ている内に、自分の格好の悪さに愕然とした。息子からは私の脚が動かず手打ちになっているとの指摘を受けていたが、まさにその通りの体たらくなのである。

 一方、会社で資料の断捨離を行っていたら、10年前の人間ドックの結果が出てきた。なにげなく眺めていて、体重がこの10年間で約6kg増えているのに気づいた。デブになっているのだから、テニスで脚が動かないはずである。スポーツジムには2kgの脂肪の標本が置いてあり、手に取って重さを確認できる。それは想像以上の重さだった。その2kgの標本が3個分身体に付着したのだから、体型はメタボ化し、動きが鈍くなっているのは当然なのだ。

 自分の目以外に客観的な目を持つようにとよく言われるが、被写体としての自分を見るのは幾分気持が悪い。しかし、自分では気がつかない点を教えてくれるという点では重宝すべきなのだろう。

2019年03月13日 NHK朝ドラ「まんぷく」の主人公からの手紙

 私の大叔母は今年98歳になるが、頭もしっかりして矍鑠としいる。私の祖母の妹にあたるが、若くして会社の有望株と結婚した。ご主人は一族の期待に応えて、長く営業担当専務として会社を守り成長させてくれた。社交性に乏しい父をよく補佐してくれる存在であった。

 その大叔母から昨日届いたのが、日清食品創業者の安藤百福さんからの手紙である。和紙の巻き紙に墨の色も鮮やかに、また端正な字で滔々と感謝と依頼の言葉が書き連ねてある。安藤百福さんは苦心惨憺してチキンラーメンを発明しただけでなく、会社と業界の発展に尽力されたことが真面目な文面から伝わってきた。

 その主要部分を紹介する。
「その節お話に出ました通り昨今の即席ラーメン業界はかねて公正競争規約の実施など市場安定施策を講じながらも依然販売競争は甚だしいものがあります(中略)斯の業界の開拓者ないし協会の責任者たる弊社におきましては本年こそは率先有力販売店各位の深い御理解と御協力によって益々良品増産拡販につとめ適正利潤の確保が出来ますよう万策を講じ製販共栄の実をあげ延いては業界を安定せしめたいものと念願これつとめております」
手紙が書かれたのは昭和42年2月3日、今から52年前のことである。

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