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イスラエルの歴史学者ユベル・ノア・ハラリ氏のベストセラー「サピエンス全史・上下」は、情けなくも下巻途中で読み止めてしまった。そうしたら、同氏の新著「ホモ・デウス」がさっそく世界で話題になっているらしく、年末か新年かにNHKで特集が組まれていたのでさっそく視聴した。彼はかつてのアメリカの未来学者、アルビン・トフラーを思い出させる存在だ。その執筆の速さ、内容の斬新さに驚かされる。 内容をかいつまんで言えば、地球の歴史40億年で初めてと呼べる大変革が起こる。それは人間が、神のみが持ち得ていた力を獲得し「ホモ・デウス」になるということ。神の力とは人工知能(AI)、バイオテクノロジー、人体拡張の三つである。という説明を聞きながら、「どういうこと?」となかなか話に付いて行けない。 その後、いくつかのニュースや実体験から「ホモ・デウス」とはこういうことかと感じることがあった。AIでは、中国のJ.Scoreという事例。個人の信用度が点数化され、若者は点数次第で結婚相手を決めたりする。点数を上げるために日頃の活動が厳しく制約される。バイオではゲノム編集の事例。遺伝子を組み替えることにより理想的な赤ちゃん、即ちデザイナーベイビーを産むことができる。人体拡張の事例。北欧のある国ではマイクロチップを人体に埋め込み、クレジットカードを持参せずに決済が可能に。アメリカでは脳に埋め込むチップが実用化されつつある。ロボットスーツを身につければ、重いものを簡単に運べたりする。
そして、それらの行き着く先は人間にとって決して幸せな世界ではないということなのである。
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2019年01月05日 細川幽斎公の「なせばなる・・」
肥後藩の藩主であった細川家の始祖は信長や秀吉に仕えた細川幽斎公である。現当主である細川護煕さんのお父様にあたる細川護貞さんが書いた本に「細川幽斎」がある。激動の戦国時代に生き、信長、秀吉、家康という天下人に仕えた武人であり当代きっての文化人であった幽斎公は、類い稀な世渡り名人でもあった。 この本には田辺城(丹後の国)の籠城戦や古今伝授の経緯が詳しく紹介されており、私自身は昨年福井県にある田辺城跡地を見学したりした。幽斎公は5百人の寡兵を率いて、城を包囲した石田三成軍1万5千余人を50日余り釘付けにし、関ヶ原の戦いの陰の功労者となったのである。 その幽斎公が花鳥風月に沿って書き残した和歌は数多いが、和歌の名人らしく家来への戒めの歌も作っている。その中に興味深い一首を発見した。それは、「なせばなるなさねばならぬ物ごとをならぬといふはなさぬ故也」。 そこでふと思い出したのは、上杉鷹山の「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」である。ネット検索してみると、この戒めの歌は武田信玄の教えを参考にしているとのこと。戦国武将もそれぞれ情報交換していたのだろうかと考えてしまった。それにしても今年こそは、目標未達の言い訳をして細川幽斎公からお叱りを受けないようにしたいものだ。
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今年のクリスマス・イブは文化的な1日となった。能の練習の成果を披露する集まりが終日開催されたからである。喜多流の先生に参加を打診されたのは3ヶ月前、練習に熱が入ると思い参加することにした。それ以後は私なりに練習を重ねた。直前の二日間では独りで仕舞を20回ほど練習した。 能楽を大成した観阿弥・世阿弥が辿った足跡や残した言葉を読んだりもした。「秘すれば花」とか「老いの花」、「離見の見」とか有名な教えを知った。昔から好きな言葉には「守、破、離」などがある。いつもの癖で、まずは知識からの入門である。 しかしやはり肝心なのは本番であることは間違いない。演目は「湯谷」の仕舞。私は初心者なので先輩たちの梅雨払いのごとくに冒頭の出番と相成った。ところがである、練習の甲斐なく緊張のあまりに心は乱れ、腰は定まらず、脚はフラフラ、散々の出来となった。そして頭での理解と身体的な表現は全く別物と思い知った。夜の打ち上げ会では、先生と数人の先輩からよく所作を覚えていたと慰められたもののくやしさだけが残った。そういえば、ゴルフにしても参考書を読みそのままプレイできればシングルプレーヤーである。そうはならない事実を愚かにも忘れていたのだ。
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