芭蕉林通信(ブログ)

HOME > 芭蕉林通信(ブログ)

403件〜405件 (全 744件)   <前の3件     ・・・   131 | 132 | 133 | 134 | 135 | 136 | 137 | 138 | 139  ・・・   >次の3件

2016年10月26日 チャンバラごっこ

 法事に使うための写真を探して古いアルバムをめくっていたら懐かしい写真を発見した。13歳ぐらいの私が亀井商店の店頭で親戚の子とチャンバラごっこをしている写真である。私は拾ってきたのであろう棒切れを大上段に構えて格好を付けているが、その傍らにいるおかっぱ頭の妹二人はチャンバラごっこに全く無関心なのがおかしい。

 店頭にある品物は藁俵(わらだわら)や木樽、木箱などだが、今から約55年前、昭和35年頃の食品問屋の店頭が結構乱雑だったのに驚く。当時は二階が6人家族の住居だったので、今で言う住居併設店舗であり、自然と遊び場は仕事場と重なっていたのである。  ときどき従業員からは、商品の上に乗ってはだめだと怒られたりしていたが今となってはしごく当たり前のことである。しかし当時は何にしてもおおらかだった。腹が減っては店頭に並んでいたスルメの足を1~2本くすねて食べたりしていたのである。その頃目覚めるのは、早朝店の前を通る大八車の車輪の音を聞くからであり、家を出ると馬車を曳かされた来た馬の馬糞が湯気を立てて落ちていたりした。子供のけんかが佳境に入ると、馬糞を投げつける輩(やから)も登場するのであった。もっとも、馬糞の常として、馬糞は敵に到達する前に空中分解するのであるが。
(以上の話は確かな記憶であるが、この写真にはトラックの荷台が写っていることから類推すると、私の大八車や馬糞の記憶はさらに5~6年ほどは遡るのかも知れない。)

 日々の変化は見逃し易いと言うが、こうした写真を見ると変化は歴然である。変化の先には何があるのか知るためにも、過去を振り返る時が必要だを思う。

2016年10月18日 靴磨きの話

 流通業界に長年携わってきた方に面白い話を聞いた。それは以下のような話である。


繁盛している靴磨きがいた。 昨日は30足、今日も30足と靴を黙々と磨く日々が続いた。 ところが、磨く靴が20足、10足、5足、1足とだんだんと減ってきた。 ふと目を上げて当たりを見渡すと、周りを歩いている人は皆スニーカーだった。

 この方は、時代の変化に対応することが大切であると教えているという。 私は、お返しのつもりでカマスの実験の話を紹介した。餌を食べなくなったカマスを如何にして救うかという話だが、彼は今まで聞いた事がないと素直に喜んでくれた。この話のポイントは、別のカマスに食べる本能を呼び覚ましてもらうということである。  


二人で意気投合した一日であった。


2016年10月11日 古書市にて

 今年の古書市には一週間の会期中に二度顔を出した。思いがけない本に出会うのが古書市の魅力だ。因に買った本は、立松和平の「晩年」、別冊太陽「東大寺」、画集「長谷川利行」、森敦の私家版「聊斎志異」、繪入草紙「おせん」、「画家たちの二十歳の原点」、谷崎潤一郎著「盲目物語」、荒木経惟「センチメンタル・冬の旅」の8冊。

 いつの頃からか経営や経済に関する本は買わなくなったし、あまり読まなくなった。それらの残骸は未だ本棚にあるとはいえ、手に取る事は少ない。決して優れた経営理論を持っている訳ではないが、ある年齢に達した時にもう十分に実践で鍛えられたのだから理論はもういいやと思っている自分がいる。優れた理論も実践に供して初めてその有効性が確かめられると思う。

 良き友人と同じくらい大事なのが、私にとっては良き本かも知れない。読書を習慣にすることができたのは、両親が作った家庭環境であったし、社会人として勤めた会社の雰囲気だったと今さらながら感謝の思いがする。幸い今は読書の秋だ。ダイエットに励みながら、知的好奇心を満たす秋にしたいものだ。

403件〜405件 (全 744件)   <前の3件     ・・・   131 | 132 | 133 | 134 | 135 | 136 | 137 | 138 | 139  ・・・   >次の3件