芭蕉林通信(ブログ)

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2016年04月19日 城が崩れた日

早朝、次の散文が頭に浮かびました。

「城が崩れた日」

地獄の釜が割れ
マグマが噴き出し
地上の活断層は揺れ動き
マグニチュード6.5
マグニチュード7.3の大地震

家は倒壊
車はひしゃげ
人は飛び出し逃げ惑い
橋は落下し
山は崩れ
地獄の悪魔は乱暴狼籍
乱痴気騒ぎ
やりたい放題

お城の石垣
崩れに崩れ
我らの誇り
我らの夢は
木っ端微塵

千年に一度の大地震
今この瞬間とは
到底思えず
夢まぼろしを
見てるかのよう

 しかし他の現実に目を向けると、熊本には今なお避難所で車の中で余震に怯えて暮らす人たちが数万人います。皆さんが一日でも早く元の生活に戻ることを夢見ています。  
私たちは力の限りを尽くし、本業の食品流通機能を復活させ、困っている全ての人に美味しい食製品を届ける使命を果たす覚悟です。情緒に頼るのは一時のこと、これからは復興のため社員一同力を合わせて、雄々しく挑戦するつもりでいますので是非見守っていてください。


2016年04月11日 出汁(だし)の秘密

 和食が世界無形文化遺産に登録されたせいか、和食の出汁に対して世界の料理人が注目しています。私も熊本の和食料理の達人から指導を受けて約1年が経ちますが、出汁がうまく取れればすぐに減塩食品になることを教えてもらいました。出汁は昆布とかつお、それに水と料理人の技術から作られます。朝つくる出汁、夜つくる出汁があり、お吸い物が美味しい店は間違いなく良い店だそうです。

 フランス料理のスープは一昼夜かかって作られるのに対して、和食の出汁は約20分で作る事ができるから随分と便利です。しかし、出汁を作る材料である昆布やカツオを作るのには大変な時間と労力がかけられていることに注目しなければなりません。かつて北海道の根室で昆布漁師の作業場を見ましたが、やっと凪いだ海に船を出して取ってきた昆布を一家総出で干場に一本一本丁寧に並べて干していました。鰹節の産地の一つは鹿児島県の枕崎ですが、カツオを整形し焼きまた薫製にするまでの手間は大変です。つまり、出汁取りの20分は物によっては数年にも及ぶ材料作りがあってからこそ可能なのです。

 そこでふと思い出したのは、民芸運動の中心人物で陶芸家だった浜田庄司さんのエピソードです。詳細は少し不確かですが概略以下のような会話があったようです。浜田さんが作品に釉薬を掛け流ししているのを見た客が、「先生がわずか20秒で作った作品が何十万円で売れるとは羨ましい限りです。」と言ったそうです。浜田さんは、「いやこれまでの修練に50年間かかっているから、いわば50年と20秒だよ。」と答えたのです。私は本当に素晴らしいやり取りだと思いました。  何事にも表面的には捉えることのできない、深い背景があることに気づかされます。出汁を作ること、一つの陶芸作品を作ること、これらのことを考える時、自分自身を省みるきっかけになれば良いと思いました。

2016年04月04日 書斎の昼寝

 定年後の生活は、夫婦どちらにとっても新たな関係を作るのが大変なようです。大企業に勤め転勤が多い方は、子供が受験期に入ると転校するのが難しくなるため、自然と父親だけでの単身生活が始まります。そして定年後に夫婦や家族と一緒に住むようになった時、男は奥様や子供さんたちだけて住んでいた家に居場所を見つけるのに一苦労するのです。  60代ともなりますと、相手に合わせるというよりは自分のしたいよう時間を過ごしたいと思うのものです。でも家族が一人一人我がまま勝手に振る舞うことはできない相談ですし、一応相手に合わせる努力が必要となります。問題はどこまで相手に合わせるかというモノサシが人によって違うことです。

 こうした言わば膠着した状況を乗り越えるのにお薦めなのが書斎の昼寝です。書斎と言っても大げさなものではなく、要は狭くても自分だけのスペースを確保すれば良いのです。家には増え続けた家財道具がわんさか溜まって納戸化した部屋があるはずですから、この際思い切って処分をします。あるはいトランクルームに引っ越しさせます。そうすれば、かつては子供部屋であり今では物置になっていた一部屋が書斎として再生するという訳です。

 私が新居を作る際も書斎を作ることを条件の一つとしました。設計家は家人には分からないように、玄関を通らない直接の出入り口を書斎に作ろうと提案したぐらいでした。今ではこの書斎が元気な孫達からの避難場所であり、読書など趣味を一人で楽しむ楽園となっているのです。  なお書斎の必須アイテムは、テレビ、オーディオ、趣味の道具、クッションなどです。私の書斎は狭いスペースなので、床にクッションを三つ敷いて身体をエビの様に丸めて昼寝をしています。旦那さんが書斎に籠れば、奥様も一人の時間が持てるようになるはずです。

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