2016年04月19日 城が崩れた日
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	 しかし他の現実に目を向けると、熊本には今なお避難所で車の中で余震に怯えて暮らす人たちが数万人います。皆さんが一日でも早く元の生活に戻ることを夢見ています。   
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2016年04月11日 出汁(だし)の秘密
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	 フランス料理のスープは一昼夜かかって作られるのに対して、和食の出汁は約20分で作る事ができるから随分と便利です。しかし、出汁を作る材料である昆布やカツオを作るのには大変な時間と労力がかけられていることに注目しなければなりません。かつて北海道の根室で昆布漁師の作業場を見ましたが、やっと凪いだ海に船を出して取ってきた昆布を一家総出で干場に一本一本丁寧に並べて干していました。鰹節の産地の一つは鹿児島県の枕崎ですが、カツオを整形し焼きまた薫製にするまでの手間は大変です。つまり、出汁取りの20分は物によっては数年にも及ぶ材料作りがあってからこそ可能なのです。 そこでふと思い出したのは、民芸運動の中心人物で陶芸家だった浜田庄司さんのエピソードです。詳細は少し不確かですが概略以下のような会話があったようです。浜田さんが作品に釉薬を掛け流ししているのを見た客が、「先生がわずか20秒で作った作品が何十万円で売れるとは羨ましい限りです。」と言ったそうです。浜田さんは、「いやこれまでの修練に50年間かかっているから、いわば50年と20秒だよ。」と答えたのです。私は本当に素晴らしいやり取りだと思いました。 何事にも表面的には捉えることのできない、深い背景があることに気づかされます。出汁を作ること、一つの陶芸作品を作ること、これらのことを考える時、自分自身を省みるきっかけになれば良いと思いました。 | 
2016年04月04日 書斎の昼寝
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	 こうした言わば膠着した状況を乗り越えるのにお薦めなのが書斎の昼寝です。書斎と言っても大げさなものではなく、要は狭くても自分だけのスペースを確保すれば良いのです。家には増え続けた家財道具がわんさか溜まって納戸化した部屋があるはずですから、この際思い切って処分をします。あるはいトランクルームに引っ越しさせます。そうすれば、かつては子供部屋であり今では物置になっていた一部屋が書斎として再生するという訳です。 私が新居を作る際も書斎を作ることを条件の一つとしました。設計家は家人には分からないように、玄関を通らない直接の出入り口を書斎に作ろうと提案したぐらいでした。今ではこの書斎が元気な孫達からの避難場所であり、読書など趣味を一人で楽しむ楽園となっているのです。 なお書斎の必須アイテムは、テレビ、オーディオ、趣味の道具、クッションなどです。私の書斎は狭いスペースなので、床にクッションを三つ敷いて身体をエビの様に丸めて昼寝をしています。旦那さんが書斎に籠れば、奥様も一人の時間が持てるようになるはずです。 |