芭蕉林通信(ブログ)

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2017年06月19日 幸せになる条件

 久しぶりに講演会を聞きにいった。NHKのフランス語会話に出演したパリジェンヌ、ドラ・ドーサンさんが来熊されたのである。海外でも好きな国の一つであるフランスは、今日テロの脅威にさらされ、マクロン新大統領が誕生するなど激動期にある。フランス人のドラさんがどういった話をするのか興味があった。

 印象深い話が多かった中で、日本とは違うなと思ったことがいくつかあった。例えば、フランス語には頑張るや我慢するといった単語はない。子供が最初に覚える言葉はノン(いや)。一番大事な価値観は自由。歳を取ってからこそ美しくなる。法律は現実に合わせて柔軟に変えられる、などなど。

 その中でもなるほどと感心したのが、幸せの四つの条件である。1好きな人と会う 2好きなことをする 3好きな場所に行く 4好きな物を持つ。聞いてみればごく当たり前のことである。しかし社会的なしがらみや個人的な我慢から、我々が意外と実行できないのがこれら四つの条件であろうと感じた。 これからは高齢者の特権として、我慢はせずに不義理もして、好きなことだけをしたいと改めて思った。

2017年06月12日 癖は考えもの

 左足を怪我して以来、気になっていることがある。パンツに足を通すたびに、右足から通そうとするのである。そうすると怪我した左足が入れずらくなる。そこで、右足を抜き、改めて左足からパンツに足を通すのである。これが右利きの私の癖なのである。

 かつてドイツ車を社員に運転してもらったことがある。ドイツ車と日本車とでは、方向指示機とワイパーの操作レバーが全く逆についている。すると社員が運転する車は、曲がり角に来るたびに雨が降ってもいないのに、突然ワイパーが動き出すのである。日本車の運転に慣れているだけに、逆のレバーを操作しなければならないという事態に対処できなかったのである。

 脳がその人の癖を記憶していると、身体は何も考えずに自動的に動くようだ。脳の省エネ化である。そこで脳を鍛えるよう提案されたテレビ番組があったことを思い出した。それは、室内の掃除をする時に日頃とは反対の手で箒を扱うというもの。私も実際に試みたが、掃除が大変難しいことに驚かされた。反対の手で歯磨きをしたが、これまた困難を極めた。癖とは困ったものである。

2017年06月05日 眼横鼻直(がんのうびちょく)

 今国会で安倍首相の行政介入について激しい野党の追及がなされているが、一躍脚光を浴びた言葉が「忖度」と「事実無根」である。忖度(そんたく)という漢字は今まで知らなかったほどだから、漢字の勉強にはなった。国会では忖度は悪い意味で取り上げられているが、一般社会において忖度するのは日本的特徴であろう。会社では、周りの人間をもっと忖度して仕事をしてもらいたいと思うぐらいである。

 事実無根とのやりとりは、獣医学部新設の認可問題で、政権と元官僚の間で惹起した。首相の天の声があったかどうかが争点である。個人的な非難合戦になって泥試合の状態だが、国際情勢が不穏なだけに、つまらぬ問題はいい加減に収束してもらいたいものだ。

 中国に留学して禅を学んだ道元は、日本に帰国するにあたって、中国で学んだことはつまるところ「眼横鼻直」であると言ったそうだ。熊本の産んだ禅僧・沢木興道さんの本にそう書いてあった。眼は横についており、鼻はタテに長いとは明らかなことである。その明らかなことが、欲に目が眩んだ凡人にはわからないということかと思う。あるがままをあるがままに受け止める。そこには事実無根というものは、ないと思うのだが。

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