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これまたNHKの日本人の名前を辿る番組で仕入れたネタである。それは日本人の名に多い「太郎」に焦点を当てた番組であり、私の名前に「太郎」が入っているだけに見逃す訳にはいかなかった。「太郎」は古代中国に起源があり、歴史書に「大郎」という記述が残っている。それが日本に伝わり「太郎」として広まった由。浦島太郎、桃太郎、金太郎、ものぐさ太郎、寝太郎など多くの物語に「太郎」が登場しているが、かかとから生まれた「かかと太郎」の物語まであるのには感心した。 一方、飲食レストランでは「太郎が出た」と言ったりするらしい。一瞬、酔っぱらいのことかと想像したら、実はゴキブリの隠語であった。お客様の手前、ゴキブリとは言い難く、ゴキブリを「太郎」と呼ぶのである。かつて、レストランを7軒経営していたことがあったが、浅学非才の身であっては「太郎」という隠語はまったく知らなかった。 つい最近も、レストラン経営者から「ひろし」は知っているかと問われた。当然にして答えられなかった。正解は、これまたゴキブリ。歌手の五木ひろしの五木は音読みでゴキ。そこで、「ひろし」がゴキブリの隠語になったらしい。改めて、日本語は奥が深いと思った次第。
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かつてインドネシアのバリ島に行った時のことである。限られた旅行日程に追われるあまり、現地ガイドさんの説明を遮ぎるように、次の観光地に行こうとつい言ってしまった。その時ガイドさんが言ったのが「プランプラン」、つまり現地語で「ゆっくりゆっくり」であった。あるいは、スペインのバルセロナにあるサクラダファミリア教会に行った時に仕入れた逸話である。建築家ガウディの遺志を継ぎ信者の寄付に頼って工事をしているので、教会の完成までには百年以上かかると言われていた頃のことである。日本人のゼネコン関係者が現地に来て、建築期間の長きに呆れ、我々に任せるならば数年で作り上げると言ったとか。 現代社会は競争を意識するばかりに、効率を重視し何事にもスピードが要求されるようになった。その結果、我々は四六時中時間に追われている。有名な小説「モモ」の言葉を借りれば、時間泥棒に時間を盗まれていつも忙しいのが現代人なのである。心とか愛着とか祈りといったものがどこかに忘れ去られている。 現在私は足を怪我したために松葉杖の生活を強いられ、否応なく毎日ゆっくりゆっくり歩いている。せわしかった生活からゆっくりした生活に移った時、何か新しい感覚や考えが生まれるのではないかと期待したが、今のところ何も生まれてこない。自らの意思で選んだものではなく、強制的に強いられたものであり、かつまた傷の痛みに心を奪われているからに違いない。それならばせめても、ゆっくり歩き、ゆっくり考え、ゆっくり本を読み、ゆっくり人と語ってみたいと思っている。
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2017年05月18日 双龍硯(そうりゅうけん)の謎
「双竜硯(そうりゅうけん)」と名のついた硯がある。双龍とはもちろん二匹の龍の意である。ある時気に入って求めたが、裏側に眼柱(眼という模様を残した細い柱)が十数本掘り出されていて美しい。硯そのものを軽くもしている。表側には、龍と雲、鯉と波が刻まれているが、龍は一匹のみなのに「双竜硯」と名前が付いているのを常々疑問に思っていた。ところが、先日のNHKの日本の名字を辿る番組を見ていて疑問が一気に氷解した。「高橋」という姓は由緒ある姓で奈良に起源があること、古代では天皇の料理番、また全国各地の神社の神職に高橋姓の人が多いという内容であった。 肝心なのは、天皇に料理を供する時に、最高の食材は鶴であり、鯉であったということ。鯉には龍同様にヒゲがあり、鯉は滝を登り龍になる高貴な魚とういうのだ。つまり、「双竜硯」に彫ってある鯉は、滝を登り龍になろうとしている場面だったのである。硯には確かに二匹の龍がいたのである。
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