芭蕉林通信(ブログ)

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2014年10月01日 シンガポール陥落のあれこれ

 ネットオークションで戦場スケッチを落札しましたのは、絵になっている題材と画家の力量に興味を覚えたからです。そのスケッチにシンガポール陥落記念の切手が貼ってあるのも面白いと思いました。その絵というのは4枚一組となっています。「遁走の敵輸送船」「ジョホル水道 敵前上陸」「セレター軍港」そして当時の蒸気機関車のコラージュです。戦時中に海軍中尉であった私の父が今生きていたならば、すぐさまそれぞれの絵に注釈をしてくれただろうにと今では残念です。 
 そうした気持ちでいた時に、古美術商の随筆に目が止まりました。そこには、思い出深い酒杯として、電力の鬼と呼ばれた松永安左衛門氏の遺品処分の話が載っていました。その酒杯は、同氏がシンガポール陥落を記念した茶会で見い出した物と書いてあるのです。数時間を置かずにして体験した、シンガポール陥落の二つの出来事に、偶然とは言え大いに驚かされたました。戦場では画家がスケッチをする一方で、国内では茶会が催されていたというのですから、戦争の矛盾の一端を感じたのです。 

 そういえば、先日元国会議員が自ら所有しているという東条英機氏の色紙の話を興味深く聞かせてもらいました。それは、戦争犯罪を追求された同氏が、戦後開かれた国際裁判中に親しい人に送った辞世の句というものです。それは、「絵踏みして 生きるもくやしき老桜 散ると知れや 風さそうまま」というものです。
 同氏をウィキペディアで調べてみると、辞世の句というものが列記してありますが、どちらかと言うと品がよく無難なものが多い気がしました。しかし、今回教えてもらったものは、同氏の肺腑をえぐるような叫びが入っているようで、その迫力と生々しさに圧倒されました。この句は、一般には知られているのかどうか気になっています。
 


2014年09月22日 随兵寒合(ずいびょうがんや)を迎えて

 今年の「藤崎宮 秋の大祭」は、今月21日がクライマックスの随兵行列と馬追いの日となりました。私の生誕の地は熊本旧城下にあたる新町の問屋街ですが、新町は祭りに獅子舞を奉納する栄誉ある地域です。祭りの行列は必ず問屋街を通って行きますので、家の前を通る随兵行列や獅子舞、それに続く馬追いを見るには昔の私の家は絶好の場所だったということになります。
 それだけ子供の頃から親しんだ祭りですが、最近は行列に参加することも見学に行くこともなくなったのは、我ながら情けないことだと思っています。とはいえ、ちゃんと言い訳も用意してある訳で、富山の「風の盆」を見た以上は、熊本の祭りは品が悪くてしょうがないと言うことになるのです。
 もっとも、藤崎宮自体は、天皇からの勅額や重要文化財の神像があるほどの由緒がありますし、祭りでは神が一時的に休憩される御旅所で能が奉納されるなど深い歴史があることも事実です。先日から県立美術館で開催されていた「藤崎宮の宝物展」では日頃は見ることのできない勅額や神像を直接目にすることができましたし、御旅所での能の奉納は例年よく見学に行ったものです。

 ところで、熊本において最も季節感を表す言葉は、樟若葉(くすわかば)と随兵寒合(ずいびょうがんや)の二つだと思います。前者は5月になり、県木でもある楠に一斉に若葉が芽生え、サクラの季節とは又ひと味違う、新鮮かつ美しい季節の到来を知らしめてくれます。また、後者は「藤崎宮 秋の大祭」(昔は通称ボシタ祭りと呼ばれていました)の随兵行列が練り歩く頃に、熊本は急に秋めき朝晩が寒くなると言われて来たのです。この感覚は私自身身に染み付いており、本当によく当たるというのが長年の実感です。
 さて、異常気象続きであった天候は、秋から年末にかけてどうなるのでしょうか。低成長時代の下では、気象条件が消費行動に大きな影響を与えるだけに、長期予報や台風の影響に一喜一憂する日が続きそうです。


2014年09月16日 県知事室のくまモン

 私がくまもと「食」の大地親善大使に任命されて早11ヶ月が過ぎました。その間、取引をいただいている食品メーカーでは、カゴメがデコポンジュースを、三井農林が阿蘇の健康茶を、テーブルマークが県産米森のくまさんを使った無菌パックを相次いで開発し販売が開始されています。そして、今回はAGFが新たに晩白柚スティックティーを開発してくれました。AGF社長は私の年来の知人であり協力を要請した結果、予想を越えるスピードで新製品開発を進めてくれたのです。
 熊本県蒲島知事も自ら歓迎の意を伝えたいということになり、今月11日に知事室にてトップ会談が行われました。AGF社長には私も同道しましたが、県知事室には知事を始め農政関係の幹部が多数同席し、県の営業部長である「くまモン」までが出迎えてくれたのには驚きました。「くまモン」は相変わらずのお茶目ぶりで、最後は知事の指示もあり、テーブルに着座し大いに愛嬌を振りまいてくれました。

 この「くまモン」は、知事が「くまモンの政治経済学」というタイトルで講演した東京大学やハーバード大学にも付いて行っており、その後にパリに行ったことを考えれば相当の海外出張経験者となるようです。天皇皇后両陛下が来熊された時には、両陛下にくまモン音頭を披露するぐらいですから、世に数多くあるゆるキャラの中でも、特別に光り輝く存在であることは間違いありません。
 テディベアを作るシュタイフ社が1500体限定の「くまモン」を作り、深夜12時に売り出した際は、僅か5秒で完売したのですから、その人気恐るべしと言うべきでしょう。何を隠そう、私も2体買うように挑戦したのですが、見事に1体も買えませんでした。熊本県民としては、くまモン人気がこれからもずっと続いてほしいと思っているところです。


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