芭蕉林通信(ブログ)

HOME > 芭蕉林通信(ブログ)

505件〜507件 (全 745件)   <前の3件     ・・・   165 | 166 | 167 | 168 | 169 | 170 | 171 | 172 | 173  ・・・   >次の3件

2014年08月18日 家の近くにあるもの

 今、私は東京を離れ、いわゆる地方都市の旧住宅街に住んでいます。南面が川、北面が高台ですので、陰陽でいうところの「陽」にあたる場所です。台風シーズンになると、風の通り道になりますので結構心配したりしています。ただ旧住宅街のせいか、家の近くには個人食堂や八百屋、公園、小学校、中学校などがあり、さらにその周りには豊かな自然が残っていますので、田舎暮らしを満喫していると言っても過言ではありません。
 とりわけ、特筆すべきなのは、歩いて7分の所にあるS美術館です。ここは、宮本武蔵ゆかりの品々を多く保存している点で著名なのですが、さすがに武家文化の展示品だけに、いつも入場者が多いという訳にはいかないようです。しかしここには立派な庭があり、又しゃれたカフェに加え、催事スペースでは多彩な企画展が年中開催されていますので、私自身は最低でも週一回は足を運ぶことにしています。

 今は、ある昆虫コレクターが収集した昆虫展が開催されています。先日訪問した時には、大勢の子供連れの家族がいたのには驚きました。どうやら子供達にとっては夏休みの宿題を果たす絶好のネタなのでしょう。そういう私も昆虫達の色彩や造形の美しさ、奇妙さに引き込まれてしまいました。日頃から親しくしている館長夫人からは、コスタリカにいる日本人昆虫研究家のブログを教えられていたのですが、先週のTV「世界不思議発見」に当の本人が出演しているのには感激しました。
 夏休みを利用して高松に行っていた孫二人の土産も、カブトムシ、クワガタ、蝶になる前の芋虫などでした。捕まえた蛇を持って帰っていいかという問い合わせが高松からあった時だけは、必死にまた断固として拒絶しました。


2014年08月11日 画家の見た光

 昔、近所にアトリエを構えている画家がおり、ある日訪ねていろいろと話を伺ったことがあります。その画家はパリで絵の勉強をした経験があり、私が訪ねた頃はキュービズム的作品を描いていました。その時に聞いた画家の話はとても印象深く、今でも時々思い出します。
 パリに出たピカソは若い時から評価された画家ですが、彼の周りに集まる人の中には哲学者や物理学者、医者などと今でいう異業種の人が大勢含まれていたそうです。そして、光の速度からして今見ている対象物は0.00000何秒か過去の映像だとか、陰になって見えないと思っている裏側の物は視点をずらせば見えるのだから、それを二次元のキャンパスに四次元として表現するのだどか議論しては、新しい絵画表現を探っていたというのです。
 また、その画家は、カメラで撮ったネガはフランス国内で現像してもらいなさい、日本の現像所は色を出そうとするが、フランスでは質感を出そうとするから、全く別の写真になるよと教えてくれました。その後、海外で撮ってきたフイルムを近所の親しい現像所に持って行き、色を出すのでなく質感を出すように依頼したのですが、その結果、写真に絵画性が出てきたのに驚くと共に大いに気を良くしたという経験がありました。

 ところで、先月末上京した際に、ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめた画家バルテュスの「最後の写真展」を見てきました。晩年になって手が不自由になったバルテュスが、デッサンの代わりにモデルの少女をポラロイドで撮った写真展でした。何気無く入った写真展でしたが、自然光の中の少女が神秘的で純粋無垢な姿に変身しているのに衝撃を受けました。まさに、バルテュスは光を捉えているということが、素人の私にも感覚を通して理解できたのです。写真家の木村伊兵衛が、写真とはつまり光を捉えることだといった言葉がストンと胸に落ちた瞬間でした。


2014年08月04日 ネットオークション参戦記

    IT時代を迎えて、企業も個人もITの急速な進展にきりきり舞いさせられているというのが現実ではないでしょうか。街で出会う中学生や高校生は大抵はスマホをしながら、バスを待ったり歩いたりしています。企業は、ビッグデータや統計学が脚光を浴びる一方で、顧客情報の漏洩問題が後を絶ちません。便利になった裏腹に、個人も企業も危険にさらされています。
    現代の経営者は、ITの光と影を理解しながらも最先端の技術動向や利用状況を知っておかなければなりません。そのためには若い頭脳を持たなければなりませんが、私の年齢ではギリギリセーフだったと甘く自己採点しています。

  そうした事情もあり、今利用者が増えているネットオークションに挑戦したのが、約2ヶ月前のことです。第一の理由は好奇心、次には何か面白い物に出会うかも知れないという期待でした。さらに、ロングテールというネット販売上の言葉があり、マニアックな立場でレアな物が探せるのではという興味もありました。
    果たしてネットオークションに参入したところ、正直なところ、これに結構はまりました。 何しろ、珍しい物や始めて存在を知る物などが切りもなくネット上に氾濫しているのです。購買意欲を掻き立てる物が少なくありません。おまけに、真贋が不明であったり、傷の有る無しなど不明確なケースもあり、玉石混交の中から己の心眼で見抜くスリルさへ味わえるのです。
   入札に参加して感じたことは、競りに勝つためには、ライバルの目を欺むく技や買いたいという執念、ある程度の資金力が不可欠ということです。結果は、あまり必要でもない物を買い過ぎるかな、というものでした。そして、良い品物を調達する能力とネットでの作業を厭わないならば、個人で商売が簡単にできるということです。いわゆる無店舗販売ということですが、オークションサイトの提供者に入る手数料もばかにならないと気づくなど、結構ビジネスチャンスの勉強になったこの2ヶ月でした。


505件〜507件 (全 745件)   <前の3件     ・・・   165 | 166 | 167 | 168 | 169 | 170 | 171 | 172 | 173  ・・・   >次の3件