芭蕉林通信(ブログ)

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2013年12月30日 今年に感謝して

大晦日を明日にして脳裏に去来するのは、来し方この一年の公私に亘る様々な出来事です。30年前には変化の時代と言っていましたが、その後はドッグイヤーの時代と言うようになり、今や「まさか」が相次いで起こる駆け足の時代を迎えたようです。立ち止まることができない苦しさを多くの人が感じた一年ではなかったのでしょうか。
そんな中でも、身近にある大自然や同僚、友人達との交流に心癒されたことが何よりの幸せでした。

少し車を飛ばせば今年世界農業遺産に登録された阿蘇山があり、数多くの温泉が疲れた体を癒してくれました。また、多くの素敵な人との出会いがあり、おかげで楽しい面白い時間を共有することができました。
事業に関して言えば、地方の企業にはアベノミクスの恩恵が伝わらないどころか、急激な円安により輸入物価の上昇を価格転嫁できないという厳しい一年でした。
とはいえ、苦難が企業や人を強くしてくれたのでしょうか、同僚やお取引先のおかげもあり、無事に新年を迎えられそうなことに、心から感謝を申し上げたい気持ちです。

来るべき新年が国内外ともに平穏無事とは到底思えませんが、若い時は苦労を買ってでもしろ、という言葉を思い出し、積極果敢に難局に立ち向かいたいものです。
尊敬する先輩経営者が諭してくれたように、しなやかに、たくましく生きていきます。

皆様方にとって、良い新年でありますよう祈念しています。

2013年12月24日 書道展を見て

書に関心を持ち始めたのは、ひょんな事からでした。
ある取引先の女性社員が用事で来社された際、私に向かって「天は二物を与えないと言いますが、字が上手ではありませんね。」とずばり指摘してくれたのです。その時は、二物どころか一物もありませんと丁寧に返事をしたのですが、「書は人なり」という言葉を知っているだけに、
字の下手さに我ながら情けない気がしたものです。

その頃から俄然書を勉強しようという気がしてきたのです。漢字の権威である白川静さんのサイの発見や台北の故宮博物院に所蔵されている書の名品の数々、王羲之の蘭亭序の逸話などなど書の尽きない世界に魅了されてきました。
佐賀まで見に行った副島種臣の書の展示会では、その自由奔放な書の力に圧倒されたこともありました。

そんな中、熊本で開催されている書道展に足を運びましたが、見た瞬間は展示されている作品が力作だらけなのに驚きました。私などがこれから一生勉強し練習しても全く手の届かない高見にある作品ばかりでした。
そして、なお思ったのは、書にはそれを書いた人の人生や価値観、経験といったものが書の深みを出すのではないか、という点です。奇麗な字もいいのですが、私は味のある字に惹かれるなと感じました。
これからも時間の許す限り、文房四宝の整った書斎で、習字を続けたいものです。

2013年12月20日 漱石初版本の装丁

芸術新潮の特集「夏目漱石の眼」を読んでいましたら、漱石は自著の装丁に大変に力を入れたとありました。具体的には、「我が輩は猫である」「虞美人草」などが写真で紹介されておりましたが、その中で初めて目にする「漾虚集(ようきょしゅう)」に眼が引きつられました。というのも、最近好きになった書家の各種の「書」を眺めている内に、明治の書家の一人「中村不折」の存在を知ったからです。

この「漾虚集」の装丁は、中村不折の素晴らしい題字で作られており、是非にも手に入れたいと思ったのです。幸いネットで見つけ購入しましたが、写真で見るのとは現物はやはり違い、藍染めの布地で作られた本と布に印刷された題字が何とも言えない味わいでした。

装丁というば、白洲正子の骨董の師匠と言われる青山次郎が有名ですが、漱石の初版本が明治のものだけに、また、漱石の印鑑が押してあるだけに、一挙にタイムスリップしたような感じに襲われたのです。

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