芭蕉林通信(ブログ)

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2013年12月24日 書道展を見て

書に関心を持ち始めたのは、ひょんな事からでした。
ある取引先の女性社員が用事で来社された際、私に向かって「天は二物を与えないと言いますが、字が上手ではありませんね。」とずばり指摘してくれたのです。その時は、二物どころか一物もありませんと丁寧に返事をしたのですが、「書は人なり」という言葉を知っているだけに、
字の下手さに我ながら情けない気がしたものです。

その頃から俄然書を勉強しようという気がしてきたのです。漢字の権威である白川静さんのサイの発見や台北の故宮博物院に所蔵されている書の名品の数々、王羲之の蘭亭序の逸話などなど書の尽きない世界に魅了されてきました。
佐賀まで見に行った副島種臣の書の展示会では、その自由奔放な書の力に圧倒されたこともありました。

そんな中、熊本で開催されている書道展に足を運びましたが、見た瞬間は展示されている作品が力作だらけなのに驚きました。私などがこれから一生勉強し練習しても全く手の届かない高見にある作品ばかりでした。
そして、なお思ったのは、書にはそれを書いた人の人生や価値観、経験といったものが書の深みを出すのではないか、という点です。奇麗な字もいいのですが、私は味のある字に惹かれるなと感じました。
これからも時間の許す限り、文房四宝の整った書斎で、習字を続けたいものです。

2013年12月20日 漱石初版本の装丁

芸術新潮の特集「夏目漱石の眼」を読んでいましたら、漱石は自著の装丁に大変に力を入れたとありました。具体的には、「我が輩は猫である」「虞美人草」などが写真で紹介されておりましたが、その中で初めて目にする「漾虚集(ようきょしゅう)」に眼が引きつられました。というのも、最近好きになった書家の各種の「書」を眺めている内に、明治の書家の一人「中村不折」の存在を知ったからです。

この「漾虚集」の装丁は、中村不折の素晴らしい題字で作られており、是非にも手に入れたいと思ったのです。幸いネットで見つけ購入しましたが、写真で見るのとは現物はやはり違い、藍染めの布地で作られた本と布に印刷された題字が何とも言えない味わいでした。

装丁というば、白洲正子の骨董の師匠と言われる青山次郎が有名ですが、漱石の初版本が明治のものだけに、また、漱石の印鑑が押してあるだけに、一挙にタイムスリップしたような感じに襲われたのです。

2013年12月16日 退職の友穏やかに浮寝鳥 創

最近同窓会に出ると、現役ばりばりで活躍している友と既に現役を引退して悠々自適に暮らしている友に分かれます。現役組には、医者や弁護士、学者、オーナー経営者などが多いようです。

ある会の時に禁句として以下の点が指摘されました。
1 病気の話
2 年金の話
3 孫の自慢
これらは確かに共通の話題としてはいいのですが、つい年寄りじみた雰囲気になりがちです。いつまでも青雲の志を持とういう訳です。

ところで、退職するのはいいのですが毎日何をするかが問題となります。親の介護という人も多いのですが、自分なりの目的がないと一挙に老けてしまいそうで恐ろしい感じもします。

その点、義弟の退職後の過ごし方には感心しました。彼は、東海道53次の完全踏破を誓い、見事に達成したばかりか毎日ブログでその踏破の様子を発信し続けたのです。
彼によると、ブログへのアクセス回数も予想を越える多さだそうで、私も一冊の本にまとまったものをもらいましたが、道中に意外な発見が数多いのに驚きました。

彼は今中仙道踏破に挑戦中ですが、私は取りあえず、熊本市内や郊外にある、未だ未踏の名所旧跡を訪ね歩きたいと密かな願望を抱いています。
漱石の著書に出てくる場所、徳富蘇峰・蘆花の旧居、加藤清正の土木工事の跡、謎のトンカラリンなど趣味と健康に最適な場所がわんさか残っているのです。

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