芭蕉林通信(ブログ)

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2014年05月07日 憧れのボンド・スタイル


  これまで作られた007の映画はほとんど見ていますので、連休中にBSで見た007映画製作の裏話番組は大変興味深いものでした。何しろ50年間も続いている映画シリーズは他にないのだそうです。邦画であれば、「フーテンの寅さん」や「釣りバカ日誌」を思い出しますが、確かにこれらは既にシリーズを終えています。
一方、007が今なお続いている秘密の一つは、主人公のジェームズ・ボンド役が映画ファンに飽きられないように、時々変わることなのでしょう。日本では、渥美清さんや三国連太郎さんの代わりがきっと見つからなかったのだと思いました。

 ところで、最初のボンド役はショーン・コネリーですが、制作者との確執があって降板したとか、二人目は映画完成後に長髪したりしてボンドのイメージを損なったので1作で撮影終了したとかで、なかなか制作者も俳優も苦労が絶えなかったようです。特に、長髪で降板したという話は、映画製作者もイギリス国民もボンドのイメージを如何に固定して見たか分かるという点で面白く感じました。
つまり、ボンド・スタイルというものがあるのです。例えば、自分を紹介する時には、「ボンド、ジェームス・ボンド」と言うし、いつも短髪で、服はブリティッシュ・スタイル、女には圧倒的にもてるとかです。
昔、「スタイルとは同じパターンのリフレイン」という文章を発見して、感心したことを思い出しました。まさに、製作陣は007のスタイルを守りながらも、米ロ冷戦後の世界に合った映画を今も作り続けているようです。  
現在のボンド役であるダニエル・クレイグははまり役と思っていますので、次回作が今から楽しみです。と同時に、次回作は裏話を思い出しながら見れそうですので、味わい方が変わるかもしれません。

2014年04月28日 柳絮との出会い


先日1年ぶりに中国の協力工場がある山東省に出かけた時のことです。
現地企業の貿易担当者が工場敷地内にある中食会場に連れ行ってくれました。レストランの前で何気なく柳の下に行くと、彼は流暢な日本語でアレルギーに気をつけてと言うのです。何事かと目を凝らすと薄い軽々として白い綿のようなものが、風に乗って右往左往しているのです。
その時はっと気づいたのは、これこそが漢詩に唄われる柳絮というものか、ということです。果たして、垂れ下がる柳の枝をよく観察すると、信じられないことに、多く連なる実が見る間に破れ、その中から本当に小さな種をつけた綿毛がもこもこと湧いてくるのです。そして、それらが風に乗り飛んでいくまでが、実に短い時間に起こるのです。

 ネットで柳絮の関する漢詩を調べてみましたら、二編ほど見つけることができました。詩の一部はそれぞれ下記のごとくです。

二月の柳絮は軽やかに微かに 
春風に揺れ、人の衣にまといつく

梨花淡白にして柳は深い青
柳絮飛ぶ時 花 城に咲く

どうやら日本では柳の種類が違い、柳絮を見ることはまれのようです。そこで私も感動の気持ちを残そうと思い、句作に挑戦してみました。

手で追へば手風に逃ぐる柳絮かな

2014年04月24日 書のワークショップに参加して

 近所にある私設美術館はお気に入りの場所です。散歩の途中に寄ったり中食のランチを食べたりするのはしょっちゅうです。
この日曜日は、「書のワークショップ 遊びま書」に参加してきました。が、いささかというより、かなりショックを受けてしまいました。というのは、先生が埼玉から来ている元気な女性で、参加者7人に対して開口一番、「さあ自分を解き放ちましょう!」と指導。参加者一同は、椅子から立ち上がり、膝をぐらぐら腰をふらふらさせながら課題の円や線に挑戦が始まったのです。
それからは好きな字や言葉を勝手に選び書にすることになりましたが、私の場合はどんなに努力しても、自分を解放できないまま、癖のある字しか書けないのです。失礼をかえりみずに言えば、隣の参加者は最初は私よりも下手な字を書いていたのに、あっという間にほれぼれとする字を書いて行くのです。

 そこで思ったのは、知識や経験があったとしても役に立たないばかりか、新しいことに挑戦する時には邪魔にさへなるという事実です。かつて素人発想が良いとの説を唱えていたことを思い出しました。私自身が自分で気がつかない内に、知識や経験でがんじがらめになっていたのです。
かくして「遊びま書」とはほど遠く、苦心惨憺のワークショップになったのです。

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