芭蕉林通信(ブログ)

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2013年12月13日 種の話と拾った種

地元大学の農学部教授が集めた種のコレクションを見る機会があり、それぞれの種の説明に感心したことがあります。

例えば象に食べられることを待っている種。理由は、象の胃腸の中で消化されて初めて種は固い外皮から外に出て、象の糞と一緒に地面に落ち発芽できるというのです。
また、山火事を待っている種。この種は、山火事により200度(不確かですが)の高温で外皮が焼かれることにより、種が山火事後の大地を独り占めするかのように、芽生えるというものです。
進化の結果といえば簡単ですが、植物が独自の方法で子孫を残す様は面白く且つ不思議さに満ちあふれていると感じました。

つい先日も、いろいろな植物の種を顕微鏡写真で撮った本を買いましたが、ミクロの世界の造形の不可思議さにいたく感心したものです。

我が家にも拾ってきた種が少し集まってきています。
この写真にある種は織田信長の居城であった「安土城」の近くで拾ってきたもので、豆科の種は形が整い、リズム感があり美しいと思いました。

この他には、ゴルフ場で拾ってきたスズカケの実などがありますが、これを書斎に何気なく置いていたところ、いつの間にか多くの小さな種が落ちているのに驚きました。
私は植物学者ではありませんので、星状の突起を持ったスズカケの実というものが本当に実なのか、書斎に落ちていたものが本当に種なのか分からないのですが、いずれにしても自然界は不思議に満ちていることに代わりはありません。

幸い、俳句を10年間ほど続けていますので、これからも四季折々に自然観察を続け、自然の不思議さと美しさに刺激を受けていきたいと願っています。

2013年12月09日 拾い物

小さい時から何かを集めるのが好きでした。
記憶にあるのは、グリコキャラメルについていた小さなおもちゃや切手です。妹が新しい勉強机を両親から買ってもらった時には、グリコのおもちゃをネタに私の古い勉強机と交換させて、母からこっぴどく怒られたこともありました。
その頃の交渉術を大人になるまでに磨きあげていれば、もっと会社を大きくすることができていたかもしれません。

最近集め始めているのが、自然に落ちているものを拾い集めることです。ヨーロッパでは、古代遺跡や河で金属探知機を使い宝探しをしている人がいるということと原理は同じです。
ただ違うのは、私の場合は市場価値があるという物ではなく、あくまでも自分の美意識に合う品物、自然物が対象となっています。具体的には、写真に写っているような紅葉したはっば、面白い石(阿蘇や京都などばかりでなく、韓国の済州島やエジプトなどの石あり)、海岸で見つける貝殻や古い珊瑚、錆びた鎖や焼き物の破片など様々です。

特に気に入っているのは、長崎県の五島列島の海岸で拾った舟形の浮き(正確には用途不明)です。浮きは流線型にカットされ白いペンキが塗られおり、前部にはアルミの波切り、舟底には安定性を出すフィンが付けられているといった代物です。・・丸といった船名も書いてあり、このように凝った品物には未知のロマンを感じるのです。

これからも、遠出をした時には、足元を見て拾い物を探すことになりそうです。

2013年12月03日 ターナーの松と奇跡の一本松

先般、大手自動車メーカーの若手板金工らが集って、陸前高田市の奇跡の一本松を復元する活動がNHKで放映されていました。先輩のアドバイスは、ただ単に松を正確に作るのではなく、どのような思いを込めるのか、また見る人からはどう見えるのか考えて作ることが重要だというものでした。
最終的には、各社から集まった若手技術者は見事に松を復元するのですが、活動が行き詰まった時には先輩と若手との葛藤もあり、なかなか見応えのある番組に出来上がっていました。

そうした気分がまだ残っている内だったのでしょう、何気なく見たイギリスの国民的な画家ターナーの絵に描かれている松が、奇跡の一本松にそっくりなことに気がつきました。それは芸術新潮6月号の特集「夏目漱石の眼」でのことです。
絵のタイトルは「チャイルド・ハロルドの巡礼」ですが、漱石は自身の作「坊ちゃん」で次のように述べています。
「あの松を見給へ、幹が真直で、上が傘の様に開いてターナーの画にありそうだね」(赤シャツの言葉)
おかしな事に、私も漱石のように、奇跡の一本松がターナーの松と同じ
ように見えたという疑似体験をしたとういう訳です。こういうことがあるので読書はなかなか止められません。

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