芭蕉林通信(ブログ)

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2014年01月20日 三点主義

物事をまとめるには、3点に絞った場合が落ち着く気がします。

かつて陸軍の大本営参謀だった瀬島隆三さんは、戦後伊藤忠商事では部下から報告を受ける時は、一枚のペーパーに結論、そしてその理由3点(ここは少し不確かですが)をまとめたさせたと聞いたことがあります。

私も年初に、会社のブランディングをする際のポイントを3点に絞ってみました。それは、「個性」「信頼」「革新」の三つです。
長年に亘り試行錯誤を繰り返す中で、この三つを選ぶ事ができたことになぜか満足している自分がいるのですからおかしいものです。それは、きっとお仕着せのアイデアではなく、自らの言葉を選択できた喜びといったことのようです。

最近、商品が食中毒事件を起こして、会社再建に大変苦労された経営者の記事を読みましたが、そこにも会社再建のポイントが3点示されていました。それは、「危機感」「悪い情報が先にあがる」「スピード」というものです。
私がそれらのことを聞いた時に感動するのは、ご本人の苦心の体験が背後に感じられるからです。これからも、体験と苦心の中から生まれてくる尊い言葉に出会いたいものです。

2014年01月14日 父の手帳、父との会話

父の死んだ歳に追いつきやっと追い越そうという新年を迎えました。思えば父も早く死んだものだと、我が身を振り返る度に思います。
ただ、戦時中に海軍兵学校を卒業した後に任官し、終戦を特攻隊の隊長として迎えた父にとっては、一度捨てた命を拾ったような感じを持っていたのかも知れません。多くの人と同じく、戦時中の体験を語ることはほとんどなかったのです。

その父が残した数多い手帳があり、時々手帳を引き出してはどんな事が書いてあるのか読んでいます。一言でいえば、勉強熱心でまめな人だということが分かってきました。父の手帳は、自分の頭の整理として書いたと推測される部分がありますが、それよりも出版目的だはないかと思われるほど理路整然と書かれた部分があり、その度に驚かされています。今、それらを整理して社内教育の資料として使えるよう努力しているところです。

整理をしながら感じるのは、たとえ40年の時を経ても経営の真髄は大きくは変わらないのではないかという点です。もう一つは、たとえ今は亡き父だとしても、父の思想であり価値観である言葉は今でも生きていて、それらを読む私と会話が成立しているという感覚です。

そうした感覚に浸っていると、今でも父が近くにいるかのような錯覚すら感じるのです。ありがたいことだと思っています。

2014年01月08日 読書録始末記

新年の誓いの通りに読書録をつけ始めたのはいいものの、対象が増えるに従って早くも息切れがしてきました。
理由は大きく分けて二つあります。
一つは、書評自体書くのに時間を要する事。
二つ目は、いい加減な読み方では、到底読書した本の内容まで言及できないことです。

そうして眼で、他の人の書評欄を読みますと、その巧みなワザに感嘆するばかりです。今回は、苦労して書き溜めている一冊を事例として紹介させていだだきます。
そういえば、古典と呼ばれる本は、特殊な漢字が出てきますので、漢字変換するだけでも一苦労ということが分かりました。
ご紹介する感想文は、本来公表するものではないので、雑な表現になっていることをご容赦ください。

少しずつ上手になるというか、本を真剣に読めるようになれたならば嬉しいなと思っています。

中国古典兵法書「三略」  

  2014年NHK大河ドラマ「黒田官兵衛」が始まったが、1月5日の第一話では、幼少期の官兵衛が「三略に曰く、謀は密をもってすべし」と言っていた。原典に当たろうと思い本棚を探したら、果たして、「三略」を見つけた。随分読まないままに買い置いていた本だと知れた。
さっそく該当するものがあるかと探したら、17節に「将の謀は密ならんと欲す。」とある。ドラマでは、勉学に目覚めた官兵衛が蔵の中で古典を勉強する場面があったが、チラッと見えたのは漢文そのままである。当時は日本語に翻訳されないまま原文のまま勉学したのかと感心した。
    「三略」は、兵書7部をもって「武経七書」と呼ばれるものの内のひとつである。因みに、他は、「孫子」「呉子」「司馬法」「尉繚子」「六鞱」「李衛公問対」である。我が本棚には、「三略」「六鞱」「呉子」の三冊と写真本「孫子」が見つかった。
この「三略」は道教の教えを色濃く反映しているらしい。上略、中略、下略をもって三略と称しているが、この三分割法はあまり厳密な分け方ではないような気がした。本文は、武経七書では一番短いが内容の質は高く、簡潔に表現されていて読みやすい。 
賢人を集め如何に遇するか、人民を豊かにして初めて国力が付き、戦いにも勝てるといった単純化された物言いは、エッセンス集の如くで長い間人気があった一因であろう。
解説には、この本は策士で著名な張良や日本の源義経までもが学んで、実戦において活用し勝利を得たとの逸話もあり、まことに興味深い。遡って、「六韜」にいたっては藤原鎌足が愛読していたというのだから、歴史の転換点にこれら兵法書が重用されたというのだから驚く。
現代のビジネス界で言うならば、ドラッガーやコトラーを勉強するのと同じだと思うと、親しみさへ感じさせてくれた一冊であった。

 

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