2013年09月26日 試験の悪夢
![]() しかし、さすがに最近はそうした悪夢とは無縁に過ごしてきました。熊本商工会議所の観光委員長をしていた時に、「熊本観光・文化検定」をスタートさせましたが、試験問題の最終チェックをしなければならない立場のため、自ら受験するということもなく今日を迎えています。ところが、どういう訳か約40年ぶりに試験を受けることになりました。それは、「惣菜管理士3級」という資格試験です。さっそく教材が小さめな段ボール一箱送られてきましたが、今は覚悟を決めて勉強を開始したばかりです。 会社の社員数人と同時受験ですから、一人合格できないのも見苦しく恥ずかしいので、今となっては腹をくくって挑戦するつもりです。 食品を扱う企業を経営しながら、マネージメントに専念するという言い訳で通してきましたが、これからは一初心者として、新たな知識の吸収に喜びを見いだそうと思っています。 それにしても、また試験を受ける悪夢が始まるかと思うと、そればかりは憂鬱な気がしてくるのです。 |
2013年08月27日 夏の終わりに
![]() 「風立ちぬ、いざ生きめやも」というフランスの詩の翻訳も文語調で余韻があり素敵です。70歳を超えた宮崎監督がこの映画を作る1000日を追ったNHK番組「プロフェショナル」がたまたま昨晩放映されました。歳をとれば作りたい映画は変わる、との監督の発言が印象に残りました。それにしても、芸術作品を生み出す苦労は並大抵のことではないと感じました。 その点、1896年の8月27日に誕生した宮沢賢治がその37歳の生涯で生み出した作品の多さには感銘を受けます。童話、詩、評論など賢治自らの世界観を作り出していることに、今更ながら感動します。 地質学に興味を持った賢治は、その作品にも鉱物をよく表現に活かしていたことを、最近買った新刊書「賢治と鉱物」で知りました。 また、一方で、鉱物の持つ神秘性や美しさというものに私自身が目を開かれた本でもありました。 今、宮沢賢治の故郷である、岩手県の花巻や遠野に行って、その世界を自分の目で追体験したいと思っています。 |
2013年08月06日 お山の大将
![]() この本に心引かれたのは、まず本の装丁にありました。深緑色の表紙には、現代とは反対に右から左への字が流れています。もちろん、表紙と中の童謡は活版印刷です。最近のデジタル印刷に慣れた目には、活字の一文字一文字が個性を持った生き物のように見えてくるのです。 九州のある島で、今もなお活版印刷を守り続けている小さな印刷会社があることを雑誌で読んだことを思い出しました。その時はいつか自分の名刺を活版印刷で作ってみたいなと思ったものです。 「西條八十・童謡全集」を我が家に帰って読もうとした時、さらに驚いたことがありました。それは、立派な和紙で作られたページが裁断されないまま何ページもあったことです。つまり、初版本は誰にも読まれないままに、私の手元に来たという訳なのです。 そこで、バリ島で買ってきていたナイフをページの間に差し込み、裁断したのですが、その音の気持ち良さにしばし酔ってしまいました。さらに、童謡集の一つに懐かしいものを見つけました。 それは、子供の頃に唄った「お山の大将」です。 お山の大将 俺ひとり あとから来るもの つき落とせ ころげて 落ちて またのぼる 赤い夕日の 丘の上 とさらに続いていくのですが、以下は省略します。ただ、私自身は最初の一節だけは覚えていて、その後に続く部分は知りませんでした。この童謡が最後はお月さまが登るところで終わる、極めて叙情的なものであることに感心しました。 |