芭蕉林通信(ブログ)

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2013年05月14日 信長の墓

2011年9月南紀を襲った台風12号は、念願だった熊野・高野山の旅を断念させるほど甚大な被害をもたらしました。その時は運が悪いなとつくづく思ったものです。

そして2年経った今年、連休を利用して、やっと関西・南紀の旅を終えることができました。

空海、弘法大師が開山した高野山では総持院という宿坊に泊まりましたが、肥後細川藩の菩提寺という縁に驚き感激しました。また、客の私達を世話してくれたのが、熊本県の小国にある満願寺住職の息子さんという巡り合わせです。まだ修行を初めて一ヶ月という18歳の好青年の前途はとても明るい気がいたしました。

初めての高野山でしたが、宿泊した翌朝つまり5月3日は、年に一度の結縁灌頂という重要な儀式に参列できるという運の良さです。昔ながらの厳かな儀式を体験した後、いよいよ奥の院までお参りです。

以前から、私が死んだら遺灰を高野山にある織田信長の墓に撒いてあげると親族に言われておりましたのは、私が歴史上の人物では織田信長が好きだと口走ったせいなのです。しかし、その後織田信長の所行に恐れおののいていた私は、織田信長を好きだと言ったことを深く反省し、かつまた親族にもその旨を伝え、遺灰を撒かないように頼んでいたのです。

さて、20万基以上ある墓石群の中に、くだんの信長の墓はひっそりとありました。高野山焼き討ちを命じたことのある信長の墓があること自体が不思議です。ただ、信長の墓が発見されたのは比較的最近のことと聞きましたので、過去のいきさつが目立たない場所を選ばせたのでしょう。

信長の墓にお参りしながら、遺灰は撒かれませんが悪しからず、と恐る恐る心の内で唱え、お墓の前を去ることにしたのです。

2013年04月24日 やっと牛深ハイヤに

全国の著名な踊りでは、富山の「風の盆」、秋田西馬音内の「亡者踊り」などを見たことがあります。青森のねぶたはねぶた記念館での鑑賞、郡上八幡では雪の町並みを見るにとどまりました。

一概に、観光に赴く時には比較的遠くへは行くものの、近場にはいつでも行けると思うのでかえって行かないと言われます。これは一種の都市伝説かも知れませんが、私の場合には当たっている気がします。
と言うのも、今回始めて牛深ハイヤを見る事ができたからです。

牛深の人口は1万6千人と一頃に比べれば減っていますが、さすがに牛深ハイヤでは町中が活気に満ちあふれていました。二拍子という独特のリズムはなにか土着的な原始的なリズムのようにも感じられます。

かつて船乗り達が、牛深ハイヤを全国に広めたというのも、その踊りのエネルギーからすれば納得できる気がします。
確かに踊り自体は、威勢の良いかけ声や躍動感ある動きに目を奪われます。明日は港を出ると命を失うかも知れない、だから今夜は女を抱いて遊ぼう、という歌の内容だと聞いたことがありますが、それを知ってか知らずか、幼児から老人までもが踊り狂うのは、もはや歌詞の内容を超越して、一人一人に体内化されているというのが、地元の人の思いでしょう。

これからも多くの人にこの伝統ある踊りを守っていってもらいたいと切に思った次第です。

2013年04月01日 好奇心もほどほどに

昨日(3月31日)は、阿蘇方面の桜が満開ということを聞きましたので、孫二人を連れて高森峠の千本桜を見てきました。その後、家内の友人の別荘に寄ったのですが、東京で生活している孫ら(5歳と2歳)にとっては、思い切って走り回れる別天地だったようです。
兄が落とし穴を掘れば、妹がいとも簡単に穴に落ちる、二人競って椎茸をホダキから取るなど、幸せそのもののようでした。

帰り道にある露天風呂に入った時のことです。一人の外国人が風呂に入ってきました。偶然に露天風呂で二人きりになった時、長年熊本県民の課題と言われてきた「おもてなし」を思い出したのです。

それからの涙ぐましい努力を想像してもらいたいと思います。錆び付いた英語を思い出し、記憶をたどって単語を繰り出し、時には彼に助け舟を出してもらいながら会話をした結果、次のようなことが判明しました。
彼はフロリダ在住のアメリカ人で、福岡出身の日本人妻との間に4ヶ月の乳飲み子がいること、一ヶ月の予定で奥様と日本へ里帰り中ということなどです。
そろそろ疲れたな、湯疲れしたなと思い、会話が途切れた時です。
彼が、「いや、一ヶ月ぶりに英語で話しました。」と日本語で言ったのです。
私に疲れがどっと出たのは当たり前のことです。本音はもっと早く言って、といったところでしょうか。

好奇心もたまには疲れを催すものです。

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