芭蕉林通信(ブログ)

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2013年12月20日 漱石初版本の装丁

芸術新潮の特集「夏目漱石の眼」を読んでいましたら、漱石は自著の装丁に大変に力を入れたとありました。具体的には、「我が輩は猫である」「虞美人草」などが写真で紹介されておりましたが、その中で初めて目にする「漾虚集(ようきょしゅう)」に眼が引きつられました。というのも、最近好きになった書家の各種の「書」を眺めている内に、明治の書家の一人「中村不折」の存在を知ったからです。

この「漾虚集」の装丁は、中村不折の素晴らしい題字で作られており、是非にも手に入れたいと思ったのです。幸いネットで見つけ購入しましたが、写真で見るのとは現物はやはり違い、藍染めの布地で作られた本と布に印刷された題字が何とも言えない味わいでした。

装丁というば、白洲正子の骨董の師匠と言われる青山次郎が有名ですが、漱石の初版本が明治のものだけに、また、漱石の印鑑が押してあるだけに、一挙にタイムスリップしたような感じに襲われたのです。

2013年12月16日 退職の友穏やかに浮寝鳥 創

最近同窓会に出ると、現役ばりばりで活躍している友と既に現役を引退して悠々自適に暮らしている友に分かれます。現役組には、医者や弁護士、学者、オーナー経営者などが多いようです。

ある会の時に禁句として以下の点が指摘されました。
1 病気の話
2 年金の話
3 孫の自慢
これらは確かに共通の話題としてはいいのですが、つい年寄りじみた雰囲気になりがちです。いつまでも青雲の志を持とういう訳です。

ところで、退職するのはいいのですが毎日何をするかが問題となります。親の介護という人も多いのですが、自分なりの目的がないと一挙に老けてしまいそうで恐ろしい感じもします。

その点、義弟の退職後の過ごし方には感心しました。彼は、東海道53次の完全踏破を誓い、見事に達成したばかりか毎日ブログでその踏破の様子を発信し続けたのです。
彼によると、ブログへのアクセス回数も予想を越える多さだそうで、私も一冊の本にまとまったものをもらいましたが、道中に意外な発見が数多いのに驚きました。

彼は今中仙道踏破に挑戦中ですが、私は取りあえず、熊本市内や郊外にある、未だ未踏の名所旧跡を訪ね歩きたいと密かな願望を抱いています。
漱石の著書に出てくる場所、徳富蘇峰・蘆花の旧居、加藤清正の土木工事の跡、謎のトンカラリンなど趣味と健康に最適な場所がわんさか残っているのです。

2013年12月13日 種の話と拾った種

地元大学の農学部教授が集めた種のコレクションを見る機会があり、それぞれの種の説明に感心したことがあります。

例えば象に食べられることを待っている種。理由は、象の胃腸の中で消化されて初めて種は固い外皮から外に出て、象の糞と一緒に地面に落ち発芽できるというのです。
また、山火事を待っている種。この種は、山火事により200度(不確かですが)の高温で外皮が焼かれることにより、種が山火事後の大地を独り占めするかのように、芽生えるというものです。
進化の結果といえば簡単ですが、植物が独自の方法で子孫を残す様は面白く且つ不思議さに満ちあふれていると感じました。

つい先日も、いろいろな植物の種を顕微鏡写真で撮った本を買いましたが、ミクロの世界の造形の不可思議さにいたく感心したものです。

我が家にも拾ってきた種が少し集まってきています。
この写真にある種は織田信長の居城であった「安土城」の近くで拾ってきたもので、豆科の種は形が整い、リズム感があり美しいと思いました。

この他には、ゴルフ場で拾ってきたスズカケの実などがありますが、これを書斎に何気なく置いていたところ、いつの間にか多くの小さな種が落ちているのに驚きました。
私は植物学者ではありませんので、星状の突起を持ったスズカケの実というものが本当に実なのか、書斎に落ちていたものが本当に種なのか分からないのですが、いずれにしても自然界は不思議に満ちていることに代わりはありません。

幸い、俳句を10年間ほど続けていますので、これからも四季折々に自然観察を続け、自然の不思議さと美しさに刺激を受けていきたいと願っています。

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